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卵子凍結②|既婚者の私が卵子凍結を選んだ理由
なぜ既婚者である私が卵子凍結に踏み切ったのか。
まずはそこからお話したいと思います。
私は生まれた時から胃腸が弱く低血圧な上に、
冷え性で、おまけに重い月経困難症も患っていました。
そんな中、20代前半から健康志向がめきめきと強くなっていきました。
それは学校の産業医から「このままだと将来子供を産めない身体になってしまうよ」と言われたことで、とてつもない恐怖を覚えたからだと思います。
そこから将来のための身体作りを心掛け、身体を冷やさない生活を送るようになりました。
すべては「血の巡りが悪い」ことに起因していると思いましたため、
冷たい飲み物を避ける、毎日の半身浴を欠かさないなど、できることから始めました。
漢方の力も頼りました。
すべては将来子どもを授かれる身体づくりのためでしたので、
パートナーもまだいないこの頃から、私の一人妊活は始まっていたと言ってもよいでしょう。
ところが、会社に勤めだしてからは会食ではお酒を浴びるように呑み、
プライベートでは大好きな紅茶を延々と飲み続けていました。
結局は、若さにかまけて自分は大丈夫だと信じていたのです。
けれど、自分の周りで妊活に成功した人もいれば、不妊治療をしたけれど諦めなければならなかった人の話を聞く機会が増え、「不妊治療」というものに関して、いつもどこかで自分事のように考えるようになっていました。
結婚してからは、さらに以下のことを習慣にしました。
・必要な時以外はお酒を飲まない
・カフェイン接種を控える
・基本は白湯
・毎朝の基礎体温の記録
・葉酸サプリの接種
・夏でもスカートの下に厚手のレギンスの着用
・適度な運動
最初は不安定だった基礎体温は半年もすれば安定しだし、血の巡りが少しよくなったのか、平熱も日本人の平均に達するようになっていました。
母が私に卵子凍結を勧めたのは、私がこうした努力をして子どもを欲しがっていることを知っていたからに他なりません。
けれど、私が当初目指したのは自然妊娠でした。
自然妊娠がうまくいかなければ、パートナーとともに体外受精を試みようと考えていました。パートナーには、不妊治療は他人事ではなく、いつ、だれにでも起こりえることだという話を、結婚前からするようにしていました。
そんな私の思いを理解して結婚してくれたと思っていたのですが、蓋を開けてみれば、残念ながら相手の理解や協力は得られないことがわかり、辛い出来事もありました。
そうして相手に相談できないまま、一人、卵子凍結という道を選んだのです。
クリニックでは先生から、当然、受精卵凍結の方が妊娠の確立もあがるしいいですよ、と何度か告げられました。
パートナーがいながら、卵子凍結の選択しかできないことは少し寂しかったです。
卵子凍結は、将来妊娠できるという確約にはなりません。
それでも、今と未来の自分に少しでも希望をあげたかった。
’今’というと、当時二人でいるのに独りぼっちではちきれそうになる心を、卵子凍結を頑張ることによって保っていたと思います。
’未来’は何が起こるかわかりません。
その後間もなく事情があって独身に戻りましたので、既婚者のうちから始めておいてよかったと心から思います。
お別れを決断するときに、唯一不安だったのが、ここでパートナーを失ったら、もう二度と妊娠を望めないかもしれない、ということでした。
もし卵子凍結を知らなければ、それが理由で離婚を踏みとどまっていたかもしれません。今も苦しんでいたかもしれません。
卵子凍結は、そういった人生の選択の幅も広げてくれたと思います。
毎日、身体は年をとり、機能は低下していきます。
妊娠を望む女性にとって1年はとても重い。
私がお伝えしたいのは、
パートナーがいても、今すぐに妊活を始められず悩んでいる方がいるのならば、卵子凍結も選択肢のひとつとして視野に入れてみてほしい、ということです。
今のパートナーと妊活を始められるようになったら、その時にどの方法を選ぶかは話し合えばいい。自然妊娠が望めるならそうすればいいし、体外受精でということになったら、その凍結した卵子を使えます。
そして、私のようにパートナーとお別れをしなくてはいけない時が来たとしても、凍結卵子があることが、この先の未来を信じて歩いていくための希望となってくれたらいいなと思います。
自分のために今何ができるのか、考えるきっかけになれば幸いです。
卵子凍結とは何か、プロセスや費用感を知りたい、という方は、グレイスバンクのサイトにて詳しい説明をご覧ください。
*この記事は卵子凍結・保管への理解向上のため、グレイスバンクの提供でお届けしています。
*この記事で書いていることは、あくまで経験談であり、個人的感想です。