神をそばに感じられる至福。そして羨望。〜「アメイジング・グレイス」
朝からひと泣きしてもう疲れた帰りたい(笑)
行こう行こうと思いつつBunkamuraル・シネマの上映に行きそびれて(とほほ)、シネ・リーブルの朝イチ上映で。
何しろ8:55開始なので、客席には二桁いたかな、くらいの客席。
年代はバラバラ。男性多めだった。
アレサ・フランクリンの1972年、ニューテンプルミッショナリーバプティスト教会で行われた、アルバム「アメイジング・グレイス」ライブレコーディングの様子を映画化したもの。
ほんとはアルバムと同時に作られるはずが、監督が当時、ライブ映像を撮影したことがなく、うまく音と映像を合わせることができずにずっとお蔵入りだったんですと。
純然たる、ライブドキュメンタリー。
エンディングロールにも、アレサと聖歌隊の面々との素敵な会話が収まっていて、とても素晴らしい二日間だったことが、それだけでも感じられる。
私には特定の信仰ってないけれど、信仰心が生み出す力には素直に感服する。感動する。
「アメイジング・グレイス」も素晴らしかったけど「プレシャスロード、テイクマイハンド〜You've got a friend」のメドレーがもうどうしようもなく素晴らしくてずっと泣いていた。
何に泣いてるんだかよくわからんけど、泣いていた。
客席で感極まる人々、立ち上がる人々、踊り出す人。滂沱する人。
聖歌隊の面々の感激の面持ち。
どの人々も単に音楽的に圧倒されて感激してるのではなく、そこに神を感じて感激しているということに、ひたすら打ちのめされる心地だった。
絶対に自分にはたどり着けない境地。
でも、その美しさはわかる。あの教会に満ちた至福の空気はわかる。
ラスト、「NeverGrowOld」の圧巻。
平穏ではない人生の中で「永遠の生命」を信じられる強さ。
天に召されることは恐怖ではない。むしろ至福である。
そういう感動を産み出す、アレサの声に圧倒された時間だった。
そして、抱く強烈な羨望。
そういう絶対的な存在がともにあることがとてもうらやましい。宗教心なんてさ、よし、明日から信じます!って行って持てるものでもなくて、環境や生育がとても大事で、現代日本人のメンタリティ弱さってこのあたりにも起因してるような気がする。
根っこがない。
ヲタクがすぐ、神、神って言うのも結局、自分の精神的な柱になるものを求めてる証なんじゃないかしらね。
そんなことはまああとから考えたことで、見てる間はとにかく耳と目が音でいっぱいで幸せだった。なんかもうとにかく、泣いた。
アレサの高揚した頬と潤む瞳。汗。大きく開いた口。飛び出す強い歌声。
嘆息。いい映画だった。
クリーブランド牧師のユーモアと真摯さも素敵だったな。
ところで、ミック・ジャガーとチャーリー・ワッツ、いたよね?
#アレサフランクリン
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