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何も隠さない空と何もさえぎらない大地~帯広、十勝平野の旅 2024.9.22-23

この週末は、つい先日、3週間ほど前に苫小牧に行ったばかりだというのに、またもや北海道へ一泊の旅でした。
とはいえ、行った先は今回は帯広。初の道東です。
北海道はでっかいので、函館に行くのと札幌に行くのと北見に行くのと帯広に行くのとでは、全然、距離も感覚も違う。一つにくくるには大きすぎる北海道。
だから全然「また」じゃなかったのです。

メイン目的はkurosawadaisukeさんの帯広でのバースデーライブでした。帯広は大介さんの出身地かつ現在お住まいの場所なのです。
今年6月、帯広駅前「平原通商店街」の中腹に「平原通り小劇場」というシアターがオープン。大介さんの55歳の誕生日が9/17。今年はバンド時代も含めCDデビュー25周年。いろんな節目がバシッとはまり、絶好の機会での故郷でのホールワンマンライブとなったのでした。
当日は場内、ほぼ満席。帯広の方以外にも各地から大介さんを愛する人たちが集まり、熱気に満ちたライブとなりました(レポはまた別途)。

見てこの熱気

ライブは昼だったのでそのまま帰ることもできたのですが、せっかくなので一泊して、夜の帯広、翌日の昼の帯広・十勝平野を楽しんできました。
北海道でっかいどー、なんてみんなよく言うけど、内地の人間は本当には理解してないと思います。少なくとも私はしてなかった。十勝平野の、あの圧倒的な空! 広い大地。さえぎるものがないから、何も隠すこともできない。帯広ではほんとにいろんなところでいろんなかたにやさしくしてもらったのですが、この空と大地が帯広の人の大きな心を作っているのかもしれない、と思いました。



帯広はこんなところ

帯広、すごく大きな町なんですよ。
町のサイズ感としては旭川に行ったときと似た感じを受けました。駅がでかいし、ビルも多い。道路が広いのは北海道あるあるですが、帯広は平野なので周りに山がなく、空の開放感がすごいのが特徴的だなーと思いました。空に向かってビルがにょきーっ!と生えてる感じ。
産業としては、主に農業(じゃがいも生産高、日本一)と畜産。「農業王国十勝」。
某不動産サイトによれば、道内の住みやすさNo.1になってました。ほおー。
日照時間も道内一なんだそうで。だからなのか、なんかからりとした明るさのある街でした。

帯広市は農畜産業及び関連業種が主産業となっており、帯広市の雇用者数の3割、付加価 値額の4割が、農業、食料品製造業、飲料・たばこ・飼料製造業、生産機械器具製造業、卸・ 小売業によって占められている。 また、農畜産業に関連した家畜排せつ物や農作物残さなど のバイオマスも豊富であり、活用が進んでいる。

北海道帯広市基本計画 - 経済産業省

「帯広の森」へ

さてさて。
私の帯広旅、2日目のメイン目的は帯広の森アイスアリーナに行くことでした。
車はないので何で行くか、それはレンタサイクルッ!(あとで地元の人にあそこまで自転車で行くもんじゃないと笑われました。苫小牧でも驚かれたけど、車がなきゃしょーがないじゃーん!)
駅前にあるエコバスセンターくるりに向かい、自転車を借りました(シティサイクルで4時間1000円。2024.9月時点。ロードバイクや電動アシストなどいろんな種類がありましたよー)。
貸出を担当していた係のかたに、帯広の森まで行くと告げると、おすすめの場所も教えてもらえました。ヘルメットかぶって元気に出発だー!

なお、帯広の森までは駅から片道で1時間(帰りは40分)かかりました。

お尻が死にました。

乗りなれないやつだからサドルが硬かった…

そりゃもー空が高いのよ

初めての土地だし、自転車にしてよかったな、とこれは負け惜しみでも強がりでもなく思いましたよ。
ちょうど涼しくなった時期で、1時間走っても辛くはなかったし(汗はかいた、もちろん)、風は心地よかったし。何より町並みがよく見えた。そこに暮らす人がよく見えた。

春駒通という長い通りをまっすぐまっすぐ走ったんですが、歩道が自転車用の通路と歩行者用の通路にわかれて整備されていて、みんなお散歩してた。ひなたぼっこしてるお母さんもいたし、農作業してる老夫婦もいた。
白樺やナナカマド、カラマツの並木が続いていて、防風林だからどの木もスラーっと高くて車道側は半分に伐採されてる。その高さの下に日陰をたくさん作ってる。走るこちらにはとてもありがたい。
カラマツの足元には松ぼっくりがごろり。たまにかじられたものがバラバラと落ちていて、リスかなぁ、と思う。
歩道の外側には民家が並び、地元の人が並ぶラーメン屋があり、美味しそうなフレンチがぽっと現れる。車があるのが当たり前だから、どの店も駐車場が大きい。そういや、ほとんどマンションがなかった。土地が広いからわざわざ縦に伸ばす必要がないんだね。

車で行ったら20分はかからないかもだけど、車だとあの空気は感じられなかった。私はどの街に行ってもひたすら歩くのが好きなんですが、北海道ではさすがに距離が大きいのでレンタサイクル万歳です。
ま、さすがに次回はやらないと思います…(笑)

ゆきのーしらかーばなーみきー♪ 雪の頃に見てみたい

白樺並木は東京では見ないので真っ白で新鮮。
エゾマツも見ない。松ぼっくりが細いんですねー。
あとめっちゃでかい、拳大の松ぼっくりがぼろんぼろんと道に落ちてた。そういう種類があるのかな?

道端のイヌサフラン、綺麗だった(根は猛毒)

帯広の森アイスアリーナ

ということで、観光協会の人に「すごい坂がありますけど…」と言われた「すごい坂」は避けまして。
曲がろうとしたところから蜃気楼が立つくらいアスファルトが揺れて見えるすごい坂が見えて、こっちのが近いけど登れるわけない!って思って、ぐるりと迂回しまして1時間。
ようようにたどり着いた、帯広の森。
帯広は健康スポーツ都市宣言を出していて、ここ帯広の森には野球場、プール、陸上競技場、テニスコート、スケートリンク(4つも!しかも、ひとつはオリンピックのスピードスケート競技のための十勝オーバル。でかかったー!)、などなどの運動施設が森の中にいくつも集まっていました。
この日は野球場で試合があって、人出は割とありました。

私の目当てはこの、帯広の森アイスアリーナです。
なぜって? ここが、野田サトル「ドッグスレッド」の聖地の一つだからであーる!大介さんの帯広ライブが決まったとき、行けるーー!って喜んだヲタクのあてくしです。

漫画のまんまの外観です
子どもたちが滑る中、写真を撮りまくる不審者…

1時間、自転車を漕いだあとなので涼しくてずっといたかった〜。この日はアイスホッケーではなくフィギュアの一般開放で、厳しくコーチに指導されている女の子達や遊ぶ親子連れなど、利用してる人は結構いました。氷のある世界が日常なんだなあ。これは関東民にはわからない感覚。

このあと移動中に、帯広のアイスホッケー強豪校・白樺学園の前も通りがかりました。インターハイで優勝したこともあるんですよね。優勝した年が舞台設定の年代と重なるので「ドッグスレッド」にもそのうちモデルにした学校が出てくるかもしれません。

ドッグスレッド聖地巡礼についてはこちらをどーぞ!


ウエモンズハート(広瀬牧場)

さすがに1時間漕いでこれだけだとさみしいのですが、観光協会さんのオススメでもうひとつ、目的がありました。
それはここ、ウエモンズハートさん。広瀬牧場さんのジェラートショップです。
朝ドラ「なつどら」のロケ地でもあるそうで、店内は広瀬すずちゃんでいっぱいでした。

トリプル、600円!(2024.9時点)

トリプルッ! 濃いハスカップ、バナナミルク(奥)、畜大碧雲蔵の甘酒ジェラート(手前)。
畜大碧雲蔵というのは、帯広畜大の校内に上川大雪酒造と畜大とで協同で作っている酒蔵とのことで、そこで作られた甘酒をジェラートにしたもの。これが美味しかったんですよ…。あー、また食べたーい!

あとから来た若い男性が、全部食いてぇーーーって悩乱しててみんなでめっちゃわかるぅってなってました。

ジェラートは日替わり
ピンボケにもほどがある

こちらは生絞り牛乳。生乳で店外には持ち出せません。フレッシュだったー。

可愛いお店でした

夏しかやってないそうなので、また来られるとすれば来年です。来られたらいいなー(その時はさすがに車で・笑)。

十勝平野ーーッ!!

帯広の森までの間、帰り道、移動中、ほんとに空が高くてどこまでも広がっていて、あー、関東平野は平野って言っても子どもみたいなもんだわこりゃ…と思いました。
日勝峠にもいつか行ってみたいなー。

そうそう、酪農・畜産をされてる牧場のことを「牛屋さん」って言うんですね。観光協会の方も、知人もサラリと言うので、それが普通なんだなあと思いました(関東では言いません)。
この時期は牛屋さんが土に牛糞をまく時期なのだそうで帯広の森の周りはとてもかぐわしかったんですが、乾いた空気のせいかほとんど気にならなかったです(さすがに最初は動物園が近いのかと思ったとです)。

遠くで耕運機がごりんごりん
トウキビ畑ーッ
牛の飼料用のデントコーンだそうです

ばんえい競馬(帯広競馬場)

自転車を返してお昼を食べたあとは、ばんえい競馬に。はい、これも駅から歩きました。屁でもないぞ、20分くらい。まあ、歩いてる人はほとんどおりませんでした(笑)

世界で唯一の輓馬(ばんば)による競馬ですが、そこが目的じゃなくて、実はふなっしーが来たことがあるんですよ。それで来てみたかったのです。

ヲタクってしょーがねーなー!

ふなっしーが来たのは11月でしたのでだいぶ景色は違った。それにしてもさすがのとかち晴れ。

第一レースが始まるところに到着。本命がまったく来なくておもろかった。馬の機嫌が露骨に出る。
賭けようかと思ったんですが、2レース見て絶対当たらないな、と思ったので見るだけに。
ここは個人協賛でレースに名前をつけられるんですよね。大介さんの誕生日祝のレースをお願いすればよかったなー。還暦の時はぜひ記念レースをやってもらおう、うん。

なだらかな坂の障害が真ん中にあるんですが、ここで劇的にレースが変化して面白かったー。2階ではJRAの全国馬券も買えるので、ギャンブルに煮しまった感じのおじさんたちも、にこにこ家族連れもカップルもいる、なかなかに猥雑な空間でした。
レースは真剣に見てる人が多く、番狂わせに怒号が飛ぶレースも。

土埃が舞っております!

重いソリを挽いて走るので、輓曳競馬、です。 

パドックの様子

裏手にはふれあい動物園という、輓馬達にえさをあげたり、ポニーに乗馬できたりする場所もありました。私も人参をあげてみましたが、ベローンって手を舐められました。びびったー!

輓馬、めっちゃデカいんですよ!!!

この子はおとなしい
ハクウンリュー号、すげーでかいし頭が良い
上手におねだり
フクスケ号、リボンかわよいね

楽しかったなー。
次に来た時はレース、賭けてみようかな(来る気満々)。

うまし帯広、やさしき帯広

さてさて。美味しいものもいただきましたよ、帯広。

ふじもり食堂

まずはお聞きください、kurosawadaisuke「メロンソーダ」。

ふじもりあたりでいつも 窓から手を振って
まずは何か食べて やっぱり最後はメロンソーダ

kurosawadaisuke「メロンソーダ」

ということで、聖地巡礼その3、ふじもり食堂です。
(というかですね、推しの生まれ育って、今もなお暮らす街に遊びに来てること自体がすんごい聖地巡礼でしたよね…そもそもね…) 
帯広には「ガストくらいしかファミレスはない」(大介さんいわく)そうで、ふじもりは帯広の人たちにとって最も身近なレストランになるようです。

こちらは、楽しく食事をしてほしい、という願いから、最初にお水、次にメロンソーダ、最後にお茶が出るというサービスが昔からあるのだそうで(今はお茶は欲しい人は言うてね、になってましたが)。
その思い出を歌にしたのが「メロンソーダ」です。

そして座るやいなや、ほんとに来たよね、メロンソーダ。ほんとにみんな、自然に飲まささってるよー!

緑色ーーーッ

感動しつつのインデアンカレーです。わー、このルー、辛さがたまらん、んめー!

でもね、あのね、小盛にしたんですよ。小盛でーすって言いながら持ってきたんですよ。なのに、どう見ても普通盛でした…いやちょっと感覚がおかしい。
隣の親子も初めてふじもりに入ったそうで「ねえ、なんかめっちゃ量、多くない?食べられる?」って話してました。
たくさん食べてー!の精神なんだろうなぁ。

ルーがめちゃんまでした
このかわいい佇まいよ…!

ますやパン

こちらは、もう、帯広の人、道東の人、みんなからとにかく勧められたパン屋さんです。うん、わかったわかった、ってくらい勧められた(笑)
支店が町中にいっぱいあるのですが、駅ナカの「トラントランますや」で輝くメロンパンとナッツのせクリームパンをば。空港の待ち時間に食べちゃいましたが、毎日食べられる、尖ったところのない味でした。んまっ!

地元十勝産の食材にこだわったメニュー。特に小麦生産量日本一!の音更の店舗にはいつか行ってみたいです。

六花亭・柳月

私、六花亭のこの「めんこい大平原」が大好きなのでして。
「大平原」という焼き菓子(マドレーヌ)を食べやすく、めんこいサイズにしたものです。これは本店じゃなくても買えるやーつ。だいたい空港で買います。じゅんわりとバターが染み出すのです。ほんとおいしい。たまに、ハート型が入ってるんですが、この日は当たりでした、わーいわーい。
今回はせっかく帯広に行ったのに本店に行く時間が取れなくて残念…次回への心残し。

めんこくておいちい

こちらは、お友達にもらった、柳月の焼き菓子。三方六は本当は大きな白樺に見立てたバウムクーヘンです。カットして販売されてるんですねーこりゃ食べやすいッ!

なんのかのといっぱいもろて、しばらく会社のおやつタイムに帯広にひたれました。感謝。

居酒屋スナック「結」

大介さんのワンマンライブ会場だった平原通り小劇場のすぐ近くにある、居酒屋スナック「結」さん。
このワンマンライブの日には会場の受付・物販から、開演前のランチタイムの「0次会」から、終了後の営業まで店をあげての全面協力でした。
飛行機の到着が遅れて0次会は利用できなかったのですが、終演後にお邪魔してきました。
ママさんもスタッフのみなさんもすっごくやさしかった…「気働き」という言葉そのものでした。
カレーうどん、美味しかったなー。みんなで楽しく食べてたので写真はないです(笑)
次回はゆっくり飲みに来たいです。もちろん、大介さんのライブにも!

米風

ライブ終了後に大介ファンの先輩方にとにかくこれは食べて帰って!と連れて行ってもらったお店のひとつがこちらの米風さん。大介さんのライブが行われることもあります。

店構えがまず素敵

マスターも奥様も明るく華やかで、お店も明るかった。ひとりでも入りやすい空気でした。和やか。

パンはふわふわ、ガーリックオイルがじゅわーん

で、これが絶対食べて帰れと勧められたガーリックトースト。ガーリックオイルがやばすぎでした。ひとりで一本食べられるけど、シェアしたほうが楽しいですね。

志那そば寅丸

もう一軒、こちらも絶対食べさせたいと熱意を持って連れて行かれたラーメン屋さん。カウンター10人くらいですかね。次々と人がやってきてずっと満席でした。
マスターがカッコよかったなー。大介さんのライブにもいらしていて、新譜「OMOIDE TRIGGER」をわざわざかけてくださってみんなで幸せな時間。

ラーメンだけではなくおつまみメニューもあり、この「とらたま」(千切りキャベツの上にとろとろたまごとタレ)が美味しかったー!
みんな一口食べて、うまーー!ってなってた。

とらたま

ラーメンももちろん。スープ一口でうまっ!ってなってた。

醤油ラーメン、これは半玉です

弾丸ツアーなのにえらく食が充実でした。連れてってくれた方々に感謝です。

帯広の人はなぜああも気さくでやさしいのか

空港連絡バスが帯広駅近くのバス停に着いて、降りてホテルの方向を確認してる私に、もう出発するはずのバスの中から運転手さんが「ホテル探してる?どこ?」とわざわざ声をかけてくれました。びっくりした。
この方、翌日は駅前のバス待合所の受付にいらして、そのときも、バス停はあそこ、もう来るからね!と気さくに教えてくれました。

レンタサイクルの係の方は自転車をセットしながらどこへ行かれるんですか?と私に尋ねたあと、勝手なオススメなんですけど…とウエモンズハートさんと私がアイスホッケーファンと知って白樺学園の話をわざわざしてくれました。おかげで楽しかった。

帯広の森アイスアリーナの受付のお兄さんは、見学していいですかと声をかけた私に、どうぞ!とびっくりするくらいの満面の笑顔で答えてくれました。

ふじもりの店員さんは気働きが効きすぎるくらい、テキパキと。オーダーがタブレット方式でお話できないのが残念なほど。

結のみなさんも初めてとは思えないくらいフレンドリー。寅丸では、たまたま居合わせた客が全員メガネという奇跡が起き(マスターも!)「寒くなったから店に入るだけでメガネが曇るよねー!」と盛り上がる。お互い全然、知らない顔なのに。

帯広の人、明るくないですか、なんか。
おしゃべりとかそういうことではなく、空気が明るかった。接したのは接客業の方々だからやさしくて当たり前…のようでいて、実際はそうじゃないことも多い世界じゃないですか。なのに、ほんとにずっと気持ちよく過ごせたんですよね。印象的です。

あの十勝平野の広ーい空とでかーい大地と爽やかな空気が人を明るく軽やかにさせるのかもしれません。道内の中では雪もあまり降らないと聴いています。日高山脈と大雪山に守られた街。

暮らせばいいことばかりではもちろんないでしょうけれど、旅人にはとてもやさしく、嬉しい思いばかりの、またすぐに来たくなる、そんな街と人でした。

皆様、お世話になりましたー!

帯広駅めっちゃでかいです

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うのじ。
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