奈良>チェスキークルムロフ
チェスキークルムロフというチェコの南にある世界遺産の町に行ってきた。元々、そんな町があることも知らず、行く気もなかったのだけれど、スロバキアに留学をしている友人がチェコにきてどうしてもそこに行きたいということなので、まあ、そこまでというなら行ってみるかということで。
前回の記事で、寮に着いた後のあれこれを書くと言ったが、とりあえず、こっちのチェスキークルムロフ滞在記録の方が華があるので先に書くことにする。
バスは朝9時出発、ターミナルまで行かなければいけないので、友人をホテルに8時に迎えに行く。そして地下鉄でバスターミナルの最寄りへ。地下鉄を降り、地上に出ると、スーパーマーケットに行った。僕は寮からチーズとレタスとハムをタッパーに入れて、パンを数枚もって言ったけれど、友人は朝食がまだだということでドーナッツとピザを買ってた。
地下鉄のことで思いだしたのだが、行く前に読んだ幾つかの記事でチェコの地下鉄は深いと書いてあったのだけれど、実際そうでもない。まあ深いことは深いのだけれど、副都心線だって負けてない。むしろ、移動距離やエスカレーターの数を考えると、地上からプラットホームにまで着くためにかかる時間は副都心線の方が長い気がする。
バスは定刻通りに発車。運転が荒い。そして座席がビニール製だから、ブレーキがかかるたびに体がするると滑って落ちそうになる。でも高速道路に乗ったらもう大丈夫、到着まで大体寝ていた。何度か本も開いたけれど、酔ってしまうし、英語だし、頭に入んなくて諦めた。
3時間程度でチェスキークルムロフ到着。バスから降りると、歩いて5分ほどで町の入り口に。
ん?なんかなんも感動がない。石の建物が並んでいるなと思うぐらい。もうちょい進んだら感激するはずだと進んでみる。
やっぱりダメだ。全然、感動がない。ここまでくると何がダメなのかが気になってくる。ということでもっと進んでみる。
進めば進むほど、歴史的っぽい、石造りの建物が増えていく。しかし、どれもこれもなんだかしっくりこない。なんか、ブロック積んで立てたみたいじゃんって見てしまう。あと色が多い、オレンジとか、パステルブルーとか、もうちょっと色なくてええんちゃう。主張が強いというか、歴史的景観の押し付けというか、西洋文化の過剰摂取というか。てんこ盛りすぎて体力が奪われるというか。
あと、なんと言っても何をやっていいのかがわからない。景色が楽しめないとなるともうやることはかなり限られる。食い物とかいう手もあるけど、この手の観光地は偽物名物が蔓延ってる場合が多くと警戒心が強まる。友人はまんまと罠にハマって揚げパンにアイスを詰めたやつを買っていた。僕も誘われたけど、絶対食べないと断った。
まだまだ歩き続け、サングラスをしているから悪いのかもと思い、サングラスを外して街を見てみるけれど、眩しさがますだけでもっとよくない。付け直す。
チェスキークルムロフ城に到着、丘の上にあるから、階段を登る。小さい町のくせに城はでかい。丘を登り切ると橋があり、それを越えて城内へ。砂壁っぽい。城内は入れず、城の真ん中をくり抜いたトンネルのような道を通って城の反対側へ。城ツアー終了。なんか、四角い建物だった。城を出るとまた橋みたいなものがあって、そこから下を覗くと熊がいた。でかい熊で、木の上でバランスをとり、寝るのに良い位置に収まると、のっそりとこっちを見てきた。なんで熊いんの?って感じだけど、向こうからしても、なんであんたいんの?って感じだろう。
一旦、町を一周したので、昼食を取ることに。GoogleMapで評価の高いお店を選択。席にはすぐに通してもらえて、僕は豚肉詰め芋餃子なるものを注文。
肉まんほどのサイズの芋餃子とキャベツの酢漬けがついている。1600円ほど。値段は悪くないし、食べてみると結構美味しい。ディズニーランドで食べた何かの本物バージョンというような様子。
お腹を満たしながら、この町の何がヒットしないのかをもう少し考えてみる。そうするとやはり引っかかるのは押し付け感が強いことだと結論づいた。プラハでも似たようなことを感じたのだが、石造りの建物はもう絶対に動かないぞという意思が感じられてしまって、なんだかめんどくさい。町の景観に美しさは生まれているのだけれど、お前らはこの町の美しさに従わなければいけないのだ、と命令されているような気がして少しイラッとする。
じゃあ、僕の好きな町はどこなんだろうと考えると、奈良のことが頭に浮かんだ。それも奈良の駅の周りじゃない、少し離れたところにある寺とその一帯。建物は木造で、火を一度つけて仕舞えば全て燃え崩れる。色にしても、おそらく建築当初は色々と彩色がされていただろうけれども、今は茶一色。かつては人間がしっかり支配していな場所なんだけど、いつの間にか、長い時間が経っているうちに、その支配のバランスが人間から他のものに移って行った感じのする場所。そしてその変化も甘んじているような。
石の建物、そしてそれで出来上がった街には隙間がない。得体の知れないものが滑り込み、こっそり住み着いちゃえない。形が決まりすぎている。
まあ、言ってみても日本人だから、日本の景色に勝手に思い入れがあり、公正なジャッジができていないというところも大いにあると思うので、これ以上、私的な感想だけを根拠に色々考えるのは恥ずかしいので辞めることにする。
最後に町の塔に登った。上まで登ると、なかなか良い風が吹いていた。風に当たると町も少しだけ綺麗に見えた。
ということでチェスキークルムロフ滞在は終わった。ヨーロッパの文化と僕は案外相性がそこまでいい訳ではないのかも知れないと、帰りのバスの中で考えていた。でも決して嫌いなわけではない。プラハは交通の便もいいし、町のサイズも大きすぎず小さすぎず必要なものは揃っているし。学生に優しい制度もいっぱい。なので、息苦しい学生生活を生き延びていく、なんてことにはならなそうではあるけれど、一方で、ヨーロッパの文化というのはやはり日本人の血には少しとっつきにくそうというのも正直なところ。3年でもう少し納得してヨーロッパを理解できるようになるのだか。
今日はこれで終わりにするが、なるべく頻繁に書くようにしたい。日本語の文章を書くこと、そういえば高校からあまりやっていない。ちゃんと慣れて、それなりに書けるようになりたいので。
あと、お金を稼ぐ方法を考えたい。どしっと稼ぎたい。もし大学卒業して大学院に行くことになったらまた学費がかかるので、そのためにどうにかこうにか足しになるものを準備できたらなと。もし何か良い方法があると思う方がいらっしゃいましたら、コメントでもなんでも。
続く。
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