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独りじゃないー12”嫌いにはならない”
次の日の朝。
体はぐったりとしていましたが、心は少し晴れやかに。
とりあえずホテルの朝食会場へ。でも、食べ物を目の前にしても食欲はわかず、少しだけ食べて部屋に戻りました。
ふと目に止まったのが、昨日もらったスタバのコーヒーとクッキー。
冷え切ったコーヒーとクッキー、最高に美味しかったです(^o^)
午後から、空港に送ってくれる人がホテルに迎えに来て下さるまでの間は、友達が一緒に居てくれることになっていました。友達と合う前に、昨日、現地の旅行会社から貸してもらったお金で、バックパックを買いに行くことに。
バックパック無しで渡航書とわずかのお金を握り締めて、空港や手荷物検査場や機内に居る姿を想像したら、少し恥ずかしかったので(^_^;)
ホテルをチェックアウトして、スーツケースとスノーボードをホテルに預けて、近くのお店で安いバックパックを購入。
中に何も入っていないバックパックを背負ってるなんて、誰も思ってないだろうな~と少し可笑しく思いながらバンクーバーの街を歩いていました。
カナダは土曜日。
友達と合流して、友達の旦那さんや知り合いがテニスをやってるテニス場へと連れて行ってくれました。
みなさんに「カナダの事、嫌いにならないで、また来てね」と言われました。”こんな事件に巻き込まれてもカナダの事は嫌いにはならないけど、バンクーバーにはもう来ないかな...”と心の中で呟いていました。
その後も、なるべく観光スポットではない、地元の人達が行くような憩いの場所に連れて行ってくれて、静かに過ごしました。
そして、夜。
空港に送ってくれる人がホテルにやってきました。
今度こそ、本当にバイバイ。
「また絶対に会おうね」と彼女は言ってくれました。
空港に送ってくれる人は昨日付き添ってくれていた人ではありませんでしたが、同じ会社の人で、事情は全てご存じだったので、空港までの車の中では、私の話には特に触れず、その人がさっきまでガイドをしてきたシアトル観光の話をしてくれました。そして「カナダの事、嫌いにならないで、また来てよね」と。
カナダで暮らす人々は、人種にかかわらず、カナダの事が大好きなんだな、と感じました。
「カナダの事は嫌いになんかなりませんよ」それだけ答えました。
”独りじゃない-13”へ続く