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BAYCAMPで四星球に救われた話

11月22日。コロナ禍の中、迷いに迷ってBAYCAMP2日目に参加した。

会場は広々としていて、ソーシャルディスタンスへの配慮、消毒の徹底から運営の皆様の絶対成功させるぞ!という熱意が感じられた。

出演アーティストのスター達は久しぶりの「生」の観客である私たちに熱い言葉を沢山くれた。モッシュやダイブ、声援は無いけれど、皆で手を叩いて身体を揺らして。やっとライブに帰って来れたんだなぁ、と笑って泣いた。

17時に登場した四星球は誇り高きコミックバンドだ。リハーサルから全力で、皆が声出せないのに声出したくなる曲としてミスチルを演奏したり、the tellephonesの15周年を祝って仮装で登場したり(しかも石毛さんの生disco!!!まで聞けた!)、会場を運動会に変えちゃったり、とにかく何かの魔法みたいに、ステージを変幻自在に変えてゆく。

ゆずの夏色で跳ねて、新曲のM1バラードナンバー、クラーク博士、そしてラストナンバーのライブハウス音頭の演奏となったとき、ボーカルの康雄さんからまさかの「魔法」が解けるような言葉が。

「会場の皆さんの中にはフェスに行くことで罪悪感を持っている方もいると思います。」

罪悪感。どきっとした。開催出来て良かった、今出来る形で楽しもう、という前向きな言葉は今までにもあったけれど、そこに触れられたことは無かった。感染拡大もみられる中、罪悪感。私もしっかり抱えていた。

「そんな方は、明日からはちょっと人に優しくして、親切にして、返してあげたら良いんです。」

康雄さんの言葉は更に続く。

「マスクして、消毒して、堅苦しい規則守って大変ですよね。でも皆さんが守っているもの、単なる規則やないんです。皆さんが守っているのは、エンタメそのものなんです。」

エンタメそのものを守る。大好きなライブという文化を好きだからこそ参加して、好きだからこそ感染対策して、皆で成功させて、未来に繋げていくこと。一参加者の私にだって、出来ることがある。責任もある。

思えば、参加者だって一致団結していた。荷物での場所取りだとか、座り見ゾーンで立ち見するだとか、細かいルールを挙げるとキリは無いけれども、コロナ感染対策を徹底する、という意味では本当に皆で同じ気持ちだった。大声を出す人や接触し合う人は全然居なかったのだ。

自粛だけではエンタメは守れない。野暮な言い方をすると、売り手と買い手で成立するのだから、必要なものとして買う、きちんと消費することは守ることだと、胸を張っていいのだ。そこに、気づかせてくれた。ライブが大好きな自分に勇気をくれた。この日、最後まで輝いて見えたBAYCAMPを私は一生忘れないと思う。これからもライブに行く、断固たる決意を持って。

エンタメそのものを守っているんだ、という誇りを持って消費者になることは、音楽だけじゃ無くて旅行とかテーマパークとか好きな文化を守るのに、大事な視点だと思う。罪悪感を持つ必要はないんだと思えるし、自分が好きな物を守るために、ルールを守るんだという責任感をプラスしてくれる。そう思って、コロナ禍の中でも大好きな場所、文化がある人、でも動くことに罪悪感を持ってしまう人にも届いたら嬉しいなと思って、初めてnoteを書いてしまった。

最後に、BAYCAMPという素晴らしいフェスに参加させてくれた運営の皆様、アーティストの皆様、一緒に盛り上がった参加者の皆様に愛と感謝を込めて。このまま、皆が元気に日常に戻っていけますように。

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