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夜の街を歩く
久々にnote以外の文章をいくつか書いています。どれも個人の趣味の域を出ないものではあるし、どう公開しようか決めてもいないものもある。公開の目処がたったらここにも書いたり書かなかったりすると思います。
なんにしても、ほかに書いているものがあると、noteもなかなか書けない。まあ、文字数の少ないかんたんな日記でも、続けることにきっと意味があるだろう。
きのう、つまり土曜の夜、友達と映画を見た帰りに居酒屋に入って、そのまま夜中の1時半くらいまでいた。いちいち時計を確認していたわけでもないのに、遅い時間になってようやく話せることはやっぱりある。店を出るころには終電はとうになくなっていて、お互いなんとか家までは歩ける距離だったから、歩いた。東京の空にしては星がみえる夜だった。特徴的な三つ星の並びからオリオン座はわりとすぐに見つけられるけれど、そこから下に視線をおろしていけばシリウスが光っていて、空のまんなかにはそれよりさらに明るく、うそみたいな強さで輝く星があった。あとで調べてみたらどうやら金星だったらしい。我々は我々で、道路沿いに点々と現れるコンビニの明かりをつないで自宅まで、地表に名もない星座をつくる。
東京の街を深夜に歩くのが好きだ。ふだんは混雑している場所ががらんとして、いつも街が外向けに見せているのとは違った顔をしている。道路脇に店から出されたゴミ袋が積まれて、街はそんなきれいでもない。親しくない人のすっぴんを見てしまったみたいな気まずさがある。電車もバスも動いていないから思うようにはどこへも行けないのに、でも、道はたしかにつながっていて、朝まではまだ何時間もあるから、じつはどこへだって行ける。
同じ都内の住宅街にある実家を出、より都心に近い街で単身で暮らしてもう長くなる。この、どこへだって行ける感覚は、実家を出てから感じられるようになったものだ。それでずいぶん息がしやすくなった気がしている。なんとなく、ずっとこうして暮らしていくんだろうな、と、友達と別れ自宅のマンションのオートロックを開けながら思った。
もうすこし寒くなったら夜歩きもしにくくなるから、いまのうちに楽しんでおかなければいけない。