煩悩とドール沼
1、はじめに
岩手の旅は続く。
花巻、遠野を後にし、岩手旅行4日目は宮古市にある著名な景勝地「浄土ヶ浜」へ。この日は11月22日、浄土ヶ浜の関連施設は12月からシーズンオフとなる。訪ねるならこのタイミングしかないだろう(とは言え、シーズンオフ中でも冬特有の景観は楽しめるようである)。盛岡駅近くでレンタカーを借り、2時間ほど運転すると現地に到着した。事前にネットで見たとおりたいへん風光明媚な場所であった。
諸説あるようだが、浄土ヶ浜という名は「天和年間(1681年 - 1684年)に、曹洞宗に属する宮古山常安寺七世の霊鏡竜湖(1727年没)が『さながら極楽浄土のごとし』(『』は著者)と感嘆したことから名付けられた」(1)と言われている。
遊覧船に乗ったが、11月で運行終了とのこと。58年の歴史に幕を閉じる。
2、浄土・煩悩とは
では、浄土とはなんだろう。浄土とは「仏教において、一切の煩悩やけがれを離れ、五濁や地獄・餓鬼・畜生の三悪趣が無く、仏や菩薩が住む清浄な国土のこと」(2)を言うようだ。
教養も無く、あまり信心深い方でもないので込み入ったことはよく分からないが、「煩悩」くらいはよく聞く。煩悩とは、「仏教の教義の一つで、身心を乱し悩ませ智慧を妨げる心の働き(汚れ)」(3)を言い、その数は俗に108ある。除夜の鐘を108回衝くのはこれを消滅さえるためと伝えられているが、実際は時代、社会、宗派などにより異なるようである。
とりわけ、この中でも根本的な3つの煩悩が①「貪」(とん)・②瞋(じん)・③癡(ち)であり、毒に例えて「三毒」と呼ばれる。端的に言えば、①「貪」(とん)は強欲、②「瞋」(じん)は怒り・憎しみ、③「癡」(ち)は愚かさを指す。
次は小型ボートに乗り、「青の洞窟」へ。
↑ 上手く撮れなかったが、「青の洞窟」。
(創作造形©ボークス・造形村)
3、煩悩とドールオーナー
ドールオーナーに関して言えば、①我慢できずついついお迎えしてしまう、②SNS等でトラブルはになり、オーナー同士憎しみあう、③他者に迷惑をかけるようなドール撮影、他者のドールを認めず自分の価値観を押し付ける等々枚挙に暇がない。
特に、自身も含め①の煩悩に苦しむオーナーが一番多いように思われる。①は本当に厄介でドールだけでなくカメラやレンズまで魔の手を伸ばしてくる。「ドール沼」とはよく言ったもので、ドールオーナーって煩悩まみれではないでしょうか。
脚注
(1)Wikipedia 浄土ヶ浜
(2)Wikipedia 浄土宗
(3)Wikipedia 煩悩
↓ SD(スーパードルフィー)紗耶ちゃん。いつもすぐ不機嫌になるのだが、景色が気に入ったのかおとなしく撮影に応じてくれた。
煩悩まみれのドールオーナーが浄土に足を踏み入れるのはなんとも皮肉なことである。(創作造形©ボークス・造形村)
天気は良くなかったのがやや残念だったが、覚悟したほど寒くなかった。(創作造形©ボークス・造形村)
(創作造形©ボークス・造形村)
以上。