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無題

眠れるはずが無かった。

私が唯一人愛した女性には、すでに結婚を考えるほどの相手が居た。あれは聞き間違いか、ともすれば強がりの嘘だったのでは無いかと思いたい。だが、しかし、おそらく、実在するのだろう。

眠れるはずが無かった。

このまま結婚するのかな。つまらないな。
などと語る彼女の声には、どことなく不安感や期待といった、おそらく結婚の前に抱くであろう感情がこもっている気がした。

眠れるはずが無かった。

何かがきっかけで別れたという話をしてくれやしないだろうか。もう彼氏とかこりごりだよって言ってくれないかな。
頼むから生涯を預ける相手は慎重に選びたい、なんて言わないでよ。
別に独り身でも良いじゃないか。
別に伴侶なんて居なくても良いじゃないか。

眠れるはずが無かった…。

眠れるはずが…無かった…。














こちらの作品はコマチ氏のもとに友人から寄せられたものです。作はこまち氏ではありません。

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