考えてもわからない②
こんにちは。
三本目。
三日坊主になりがちなので勝負はこっから。
おさらい
前回、私の性自認と性的指向についてお話を始めて、中学生のときの私の考えや状況を思い返してみました。改めて読み返してみても、少々ぶっ飛んだ思春期っぽさがありました。
この記事から読んでいただいている方は、1つ前の記事から読んでいただけるとこの後の内容が読みやすくなるかもしれません。
この記事では、時を進めて、高校生編ということで書いていこうと思います。ただ、私の場合、高校生がかなりの転換期でいろいろあったのですっごく長くなりそうです。あと、性自認に関してはかなりつらい思いをしたので、感情を揺さぶられるような表現になってしまうかもしれません。ご理解ください。
ちょっと長いので目次付けますが、全部読んでいただけると嬉しいです。
高校生編
第一関門 制服
とりあえず、志望校にも合格し、無事、高校生になることができました。とその前に、すでに1つもやもやすることがありました。
制服採寸
皆さんも経験があるかと思います。男女別で集められて、体のいろんなところをはかってもらうあれです。めちゃくちゃ嫌でした。まあ、赤の他人に体を触られて嫌ってならない人の方が少ないと思いますが、私はこのとき、「女子用の制服を着るために女子に必要な部分のサイズを測る」ということがすごく嫌でした。スカートが嫌だったのもあって。でも、少しだけ心が軽くなることもあって。実は私の通っていた学校、私の入学の次年度から女子用スラックスが認められることになっていたんです。発売されたら、すぐに親と制服の店に行って購入しました。母は防寒になるし自転車こぎやすいしと利便性を買っていたようでしたが、私はそれを建前に、本音ではスカートをはかなくていいということの方がよっぽどうれしかったです。
第二関門 好きな人ができた
打って変わって好きな人ができました。2人。
は?
ですよね。
私も意味が分かりませんでした。
しかも、1人は男子、もう1人は女子。
本当に困りました。
男子に対する感情はどちらかというと憧れが強かったし、付き合いたいとかいう感情はなかったので割とすぐに割り切ることができました。ただ、女子に対する感情が明らかに恋愛的なそれでした。友情とは言えない。
目が合うと嬉しい、喋ってくれると嬉しい、声が好き、一緒にいたい等々。
書いてて少し恥ずかしい。一年くらい悩みました。共通の友達にたくさん相談もしました。結局、告白しました。振られました。すごく驚かれたけど。
その子は関係に恋愛感情を一度でも持ち込んでしまうと友達はもう無理。という子だったので、残念ながらその日を境にきっぱり絶縁状態です。仲の良い友達だったのですごく落ち込みました。どちらの気持ちも本当だったので。
このときから、友達関係にある人に対して恋愛感情を持つのが軽くトラウマです。なので、一歩間違えると恋愛感情を持ってしまいそうな友達、つまり好みのタイプに近い人には「踏み込まない、踏み込ませない」を徹底しています。新しく作る友達にもそうですね。なので、心を開いている人はごくわずか。抱え込みがちな性格も災いして、親友と呼べるような友達がほとんどいません。友人・知り合いレベルはたくさんいます。
こうして、ウーマセクシュアル寄りのバイセクシュアル(?)っていうアイデンティティが自分の中に構築されました。しかし、これはまだ序章に過ぎない。
※ここから書いた日が変わって感情が入りまくってしまったので常体になってしまっています。ご容赦ください※
第三関門 唐突な嫌悪感
きっかけは何でもなかった。お風呂に入る前、脱衣所で服を脱ぐ。前を向いたら鏡があるんだけれども、服を脱いだ自分を鏡越しに見てパニックになった。
気持ち悪い。
特に胸。どこからどう見ても女性の体な自分にひどく嫌悪感を覚えた。その日からいっとき、鏡で自分の体を見れなくなった。お風呂場でも。
ちなみに結構困った。シャワーを浴びているときに泣き出してしまったこともあった。なんでこんな体なんだろう。本当に嫌だった。その場で自傷行為に走らなかった当時の私を褒めてあげたい。
胸が膨らんでいることが嫌なのはもちろんそうなんだけど、それ以上に女体を持っている自分への嫌悪感がひどかった。なぜ私は女なんだろうと何回も何回も思った。胸を引きちぎりたかったし体の線もまっすぐにしたかった。自分が持ってる女の要素をすべてなくしたかった。ここで不思議だったのは、男性になりたいわけじゃないっていうのが自然にわかったこと。当時の私が一番に考えていたことが「無になりたい」だった。性を二分する要素をすべて取り除いて無になりたかった。男じゃなくて、無になりたい。これがよくわからない要素だった。この前からやっぱり自分のアイデンティティが女性ではないと思っていた私は、この現象をネットで調べた。その時に出てきたのが、Xジェンダー。なんじゃそりゃって思って記事を読んでみるとあら不思議、私のことじゃないですか。ここで自分がXジェンダー、特に無性だということに気が付いた。一番しっくり来た。完全なる無性です!って言われると違う気はするから表現としては「無性が一番近い」かな。
補足
制服のスラックスを購入し、学校に履いていくと、たくさんの友達からかっこいいと言ってもらえてすごくうれしかった。でも、男の子みたいっていわれるのは好きじゃなかった。だって私は男の子をめざしてるわけじゃなかったから。女の子っていうカテゴリーから脱却して、ただの「かっこいい」になりたかっただけだから。ボーイッシュも好きじゃなかった。男の子のまねしてるんじゃない。私は私なりに私の思うかっこいいを目指してた。女でも男でもない「ただのかっこいい」を。
第四関門 透明だった
私は校内新聞を書くことになった。コロナ禍だったこともあり、当たり前が当たり前じゃないって言うことが主流のご時世に私が掲げた記事のテーマが「普通って何?」だった。ここで当時LGBTに関する差別偏見の報道が多くなされ始めたころであり、自分もかなり興味があったので、取り上げることにした。かなりセンシティブな問題でもあるので、慎重に、申し訳ないくらい当たり障りのない文章を書いた。特定の個人を取り上げているわけじゃない。LGBTっていう存在がいる。差別偏見にさらされている事例がある。正しい理解が必要。まあ、ぎりぎり伝わるかなって感じ。
先生のチェックが入るんだけれども、衝撃だった。ダメ。
冷静に考えればそりゃそうかって思えるかもしれない。
『「普通って何?」っていうテーマだからコロナのことだと思った。』って。まあここまでは理解できる。この後言われたことで、教育の限界を感じた。
「当事者の人がいたらどうするの?この文章読んでつらくなっちゃうかもしれない。」
正直唖然とした。でも同時に仕方がないとも思った。
だって、カミングアウトしてないんだもん。
目の前の、この記事を書いた張本人が当事者だなんて、一ミリも知る由がない。だけど、他の不特定多数の中にいる可能性は考慮できるのに、目の前の生徒がそうであるという可能性は考慮できないのかとも思った。
すごく言いたかった。「私も当事者なんですよ」って。
私はそこまで度胸がないし、緊張しいだから言えるわけなかった。すごく泣きそうになりながらそのあとの先生の話を聞いてた。
「他の先生がなんでこれにOK出したのかわからない」って言われた
これが一番きつかった。自分が当事者であることを周りが知らないとこの問題を語ることもできないのかと思った。ほかの人権問題はさんざん非当事者の立ち位置で扱っているのに。
記事の締め切りまで時間がなかったこともあり、すぐに方針転換して、違う記事を出した。白血病を乗り越えてオリンピック出場をかなえた池江さんを取り上げた記事。すんなり通った。
これが「普通」
普通がいいんだよやっぱり。社会の中では。
まとめ
高校生編を振り返って
高校生はいろんなことがあった。ネットが発達して自分でいろいろ調べられる範囲も増えた。ネットで心無い声もたくさん見た。実際に生きていく中でも無意識の暴力に直面した。
自分が性別意識をもたないと確証を得たことで、バイセクシュアルというよりはパンセクシュアル(全性愛者)の方がしっくりくるようになった。好きになった人がたまたまその性別だった。それが一番しっくり来た。好きなタイプとか答えるの難しかった。正直見た目の好みはある。ていうか結構面食い。でもその特徴は、異性愛規範の中では異質だった。だからいっつも「面白い」とか「優しい」でごまかしてた。それでよかったと思う。程よく他人と距離をとって、自分が傷つかない範囲で人付き合いをする。
高校生活は楽しかったけど、自分のアイデンティティの確立という点では今でも思い出すと苦しくなる。カミングアウトしたところでどうしてほしいのかっていうのがよくわからないし相手にも負担をかけたくない。だから結局私は女性という仮面をかぶって生きていく。
これが死ぬほど苦しいんだよな
次は大学生編
高校生ほどじゃないけど、たくさん迷って、たくさん出会って、たくさん救われた。生きてていいんだって思えた。少し希望が見えると思います。
ただ、これからどうしていきたいのか、就職活動という壁にぶち当たりました。
これからどう生きる?
を考えていきたいと思います。
かなり長文になってしまいましたが、読んでいただきありがとうございました。♡とてもうれしいです。
それではまた。
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