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【磐梯町】隣の家の人の職場どこで何時ぐらいに帰ってくるまで知ってる磐梯町が気に入ってる人

急がないといけないなって思ってる。急いでいかないとな、って思ってる三軒茶屋にいる私qbc。
なんで急がなきゃいけないなって思うと、19時に新橋待ち合わせで、そうなると18時何分かの電車に乗らないといけないのにまだ家にいるから急がなきゃいけないと思って、いる。思って、まだ、パソコンを打ってる。なんてな。
なんて、日々はあたりまえ。東京のITベンチャー企業で20代の頃はたらいていた私は、ふつうに電車の中で立ってノートパソコン打ってたし、毎日終電なのは、けっこう当たり前だった(その後燃え尽きて鬱になったけど。楽しかっても鬱になるんだなと思った)。そんな私にとって忙しいのは当たり前で、忙しいのが嫌な気持ちっていうのが、なんとなくよくわからなかったんだよね。なんか忙しいっていうのは登山みたいなもんで、難しい課題をバンって与えられたので、それはクリアするゲームなんだ、って感じ。
でも、島根の離島の人にインタビューした時にさ、「都会って自分が19時に出たいとしても、19時6分の電車しかなかったりするじゃないですか。だから自分は嫌なんですよね」っていう話を聞いて、あーそういう感覚なのか、と思った。
私は、時間に合わせてぴったりするのが気持ちいいし、そのスキマ時間で何かドキュメントを読むのも好きよ、だからやめらんないよ忙しいの。もちろん休みは必要だけどさ鬱になるから!
まあ、そんな、こんなで、生きものの時間というのは、時間感覚というのは、ことほどさように、多様なものであることよ。
と思う2024年6月30日10時55分に書く無名人インタビュー820回目のまえがきでした!!!!!
【まえがき:qbc・栗林康弘(作家・無名人インタビュー主宰)】

今回ご参加いただいたのは 西山 求 さんです!

年齢:30代後半
性別:男
職業:磐梯町地域おこし協力隊


現在:でも子供たちにその世界の入口を教えるぐらいまではこうやってできるんやなと思って。

ゆいぴ:
西山さんは今、何をしている人ですか?

西山 求:
何をしている人?磐梯町で教育課の地域おこし協力隊をやってます。午前中は中央公民館で事務作業、午後は磐梯町交流館に移動してまなびときばんだいという自主学習スペースの管理人をやってます。

ゆいぴ:
まなびときばんだいって何ですか?

西山 求:
まなびときばんだいはですね、磐梯町の小学生中学生高校生のための自主学習スペースなんですね。年齢の幅が広いのがちょっと特徴なんですけど、ここでは自分の好きなことができます。日々の宿題をやってももちろんいいですし、自分が自主的に勉強したいことをやってもらっても大丈夫。パソコンを使えば作曲もできるし、プログラミングもできるし、調べものもできますし。管理人の僕がすぐ横にいるんで、誰もいないところよりは、安心安全と言っていいのかな。

全部で13席あって、中学校のテスト前とかになったら、もう全席埋まるぐらいの勢いで中学生が来たりしますね。開いてる時間が長くて、朝9時から夜8時までやってて。僕がいるのは夜6時まで。午後2時ぐらいから6時ぐらいまでいます。学校帰りの子供たちが平日の3時ごろからポツポツ現れ始める感じ。管理人やってるときも僕は勝手に事務作業を進めていますが、子供たちに絡まれることも多いので仕事ははっきり言って捗らないですね。そんなところです。

ゆいぴ:
どうですか?そこの管理人をやってて。

西山 求:
子供たちと触れ合うことがものすごく多いんで思ったより楽しんで仕事をしてます。そこにいるときは。

ゆいぴ:
子供たちと接している時間っていうのはどんな気持ち?

西山 求:
そうだな僕は、何かこういうことを話そうとかあんまり考えずに子供たちとは雑談をしてるんですけど。なんかよくわからないですけど話盛り上がることが多いんで。向こうから話しに来てくれる子供たちがいたりすれば、嬉しいもんでついつい喋っちゃいますね。で、仕事の手が止まるんですけど。

ゆいぴ:
他に何かやってることとか、お仕事以外のことでもいいですけどありますか?

西山 求:
そうですね、やっぱり仕事のことを言った方がいいよな。

ゆいぴ:
どちらでも大丈夫です。

西山 求:
まなびときばんだいは、僕この仕事を始めて2年目なんですけど、僕がこの磐梯町に来たとき、まなびときばんだいってそんなに知名度は高くなくて利用者もそんなに多くない。年間で800回ぐらい利用されてるぐらいで、1年目ちょっと人が来たんすけど、2年目になってちょっと落ち込んでたりとか。僕が来たときには3年目っていう感じで。そのまなびときばんだいに関して運営上、こういう目標に向かってやっていってほしいとか、年間を通した計画とか、そういうの何かあるんかな?と思ったら一切なかったんで。ちょっとどっちの方向に行けばいいものか、だいぶ戸惑ったんですよ、ここに来たとき。でも子供たちはぽつぽつ来ますから。せっかく使ってもらってるんだったら、子供たちの居心地の良い場所になればいいと思って、勉強する子供たちがいれば静かに見守るし、何かお喋りしたそうな子が来ればお喋りするし。みたいな感じで何となく過ごしてその1年を通して流れがわかった、最初の1年目で。

今、2年目になってそろそろ年間計画立てようよっていう感じに僕が勝手になってて。誰も何も言ってこないんで、未だにないんすよ。なんかこういう目標を持ってやってくれとかそういう指示がないんで。ないということは、これ勝手に考えていいのでは?と思い始めて今作ってるんですよ。次のミーティングでちょっと大々的に発表するつもりなんで、今だいぶ忙しいですね事務作業が。

ゆいぴ:
まなびときばんだいについて考えてる時間は、自分にとってどういう時間ですか?

西山 求:
そうですね、難しいことをやっぱり考えなあかんので、しんどくもありでもやりがいもあるていう感じですかね。まなびときばんだいって町が所有する磐梯町交流館の中にあるんで、その建物の指定管理者をやってらっしゃる商工会の方々の意向を無視することはできないんすよ。なんで、自分的には何か新しいこと、始めたいことがあったとすると、自分の所属する課の上の人たちにも言わないといけないし指定管理者をやってらっしゃる交流館の方々にも、商工会の方々にも図らないとといけないし。いろんな方からのたくさんの意見をいただいて、やらないといけないんで。ちょっとスピード感に欠けるといいますか。でもおざなりにもできないんで、なかなかしんどいことが多いっすね。

ゆいぴ:
自分がやりたいことをしたいときにいろんなところを通さなきゃいけない状況どうですか?

西山 求:
時間かかるし、しんどいっす。だけど、それでも悪いことばっかなのかっていうと別にそういうわけでもないと思うんですよ。やっぱりいろんな方の意見を聞いてるうちにブラッシュアップされていったりもするし、これは自分もちょっと考えつかなかったみたいなことはやっぱり言われることもあって、それがやっぱり好評やったりすることもあるし。悪いことばっかりでもないんですけど、スピード感はないんで。それで結構ちょっともっと早くやってくれないかみたいな空気を感じることもあれば、すいませんちょっとこういうところに時間がかかってて、みたいな感じで説明しないといけないこともあったりとか、しんどいこともあるんすけど、バランス取りながらやってます。

ゆいぴ:
今までまなびときばんだいでやったことがあれば教えてください。

西山 求:
1年目のときに、まなびときばんだいでイベント一つやったんですよ。作曲のイベントなんですけど、中学生と小学生の高学年の子たちを対象にやって。Apple社製品のGarageBandっていう音楽編集アプリがあるんですよ。それタダで使えるんで、それを使って作曲っていうのをちょっとやってみました。どうも中学校の音楽の授業で、ICT技術を用いた作曲っていうのがあったらしいんですよね。その情報を中学校のブログで僕あとから知って。これもしかして作曲に興味ある子いるかなと思ってちょっと募集してみた感じです。そしたら3、4人だったんですけど来てくれて。その学校の授業でやったものよりも、もうちょっと本格的な作曲っていう入口を紹介できた、そういうイベントですよね。僕、音楽の専門学校に4年通ってたんで、その知識を使ってやらせてもらった感じですね。

ゆいぴ:
どうでした?イベントをやってみて。

西山 求:
1人ものすごいスペック高い中学生がいて、ピアノ演奏できるし、もちろん楽譜読めるし。ちょっとやり方を教えてあげると、もうなんかこういうことね、こういうことねみたいな感じでどんどん自分で好きなものを作ってて、この子すごいなって。でも一方で、その隣ではやっぱり全然わからない子もいますから。ちょっと体が2つ欲しかったんすけど。ちょっと難しめの課題を用意してたんでごめんこれやっててって言って、その間に僕の方は初心者の子に丁寧に対応すると、何とかそれでごまかしていたんですけど。後から感想を聞いたら、面白かったですとか、教えてくれた感ちゃんとありましたよーとか、そんなこと言ってくれましたけどね。

ゆいぴ:
イベント中はどんな気持ちでした?

西山 求:
そうですね。なんか磐梯町に来て音楽の知識そっか役に立つんか、と自分的には意外だったんですよね。そんな音楽の世界に進んだわけでもなく、プロとしてすぐ仕事できるんですかって言ったら別にそんなことはない程度の技術しか持ってないですけど。でも子供たちにその世界の入口を教えるぐらいまではこうやってできるんやなと思って。やってみたらちょっと楽しかったです。

ゆいぴ:
他に仕事以外で最近はまってることとか、趣味とかって何かあります?

西山 求:
趣味はもう、こんなん言っていいんかな、お酒ですね。東北に来たの初めてなんですけど、なんか東北って日本酒どれも美味しくないですか?全部レベルが高いから、こっちに来て日本酒が好きになったんですよね。いろんな銘柄を飲むようになって、自分は甘口と言われてるやつよりは辛口の方が好きなんだなっていうのをだんだんわかってきて。最近はなんか、この銘柄はこれ好きやわーっていうのがだんだんちょっとずつ覚えてきてて。家でも毎日飲んじゃってる感じなんですけど。

ゆいぴ:
お酒にはまりだしたのはいつから?

西山 求:
来てすぐです、磐梯町に来てすぐ。歓迎会してくれたんですけど、職場の。そのとき居酒屋に行って、日本酒を飲んだら、美味しい!って。たまたまその日本酒が美味しかっただけなのかなーと思っていろんなのを買ってみたらどれも美味しいとなったもんで。東北の酒はうまいんだ!って。それが趣味ですね。

ゆいぴ:
お酒は1人で飲むんですか?

西山 求:
大体家で1人で飲んでます。潰れてもいいように。

ゆいぴ:
お酒飲んでるときは何を考えてる?

西山 求:
もう何も考えないっすよ。うめーぐらいしか考えてない。これが酒なんだ、東北の酒なんだこれが、みたいな。なんか気持ちよくやってます1人で。はたから見たらすごいぼーっとしてるなって感じだと思います。ちびちび飲むのが好きなんで、1時間ぐらいかけてゆっくり。

ゆいぴ:
毎日?

西山 求:
ほぼ毎日。

ゆいぴ:
何か他に好きなものってあります?

西山 求:
好きなものかー。蕎麦が好きなんですよね。これもなんすけど、東北の蕎麦ってうまくないですか?うまいっすよ、なんか。僕の地元関西なんですけど、明らかに味が違うんですよ。明らかに違う。めんつゆっていうんすけど関西では。こっちもつゆとは言うけど、でもなんか味が全然違って。僕は圧倒的に東北の蕎麦の方が好きなんすよ。今までそんな蕎麦はね、蕎麦好きみたいな思ったことないけど、こっち来て好きになりました。もうちょっとこれは地元の蕎麦食えないかもしれないなと、ちょっと困ってます。

ゆいぴ:
へえ。なんでそんな違いがあるんですかね?

西山 求:
やっぱ蕎麦自体の品種が違うんでしょうけど、つゆも扱ってる材料違うんでしょうね。なんか出汁の取り方とか、どう作ってるか知らないんでわかんないですけど明らかに違うんすよね。後味とかも最高っすよ、こっちのは蕎麦のつゆは。すごい酒に合うし。

ゆいぴ:
中身的な部分についても聞きたいんですけど、自分はどんな性格だと思います?

西山 求:
自分の性格は、無口なやつですね。めちゃめちゃ喋らないやつだったんすよ小学生のとき。僕マジで喋らなくて、友達とかいなかったし、学校終わったらすぐ家に帰って1人でゲームしてるんすよ。たぶん親にめっちゃ心配されてたと思うんすけど。だんまり野郎でした。あんまり人とコミュニケーションとってこなかったせいか、やっぱり未だに苦手意識あるし。喋るのあんまり得意とは思えないんですよ。喋ることは喋るけど、うまい聞き役とかちゃんとできてるかなとか、キャッチボールできてんのかなとか、って考えると、いやそうでもないなって。

ゆいぴ:
周りからはなんて言われます?

西山 求:
コミュニケーション下手とは言われたことないですけどね。なんだろう、4、5人以上の人間が集まると急に喋らんくなるんすよ。どうも偏りがあるみたいで。そういう集まりのときだけ僕に会うような人だと、なんやあいつだんまり系やなってたぶん思われてるだろうし。別に2人3人とかだと普通に喋るから、そんなことないかなって思いますね。みんな、たくさんいたら僕喋らんでもいいかって思ってスッて気配を消すんです。

ゆいぴ:
なんでたくさんいたら喋らなくていいかって思うんですか?

西山 求:
他の人の喋りを聞いてるだけでなんか楽しめてしまうから。個人的にはすごい楽しいんですけど。たぶん他の人から見たら、なんかあいつ黙ってんなーみたいな。1人で勝手に楽しんでますよね。

ゆいぴ:
大人数で喋ってるときはどう思ってる?

西山 求:
別に苦手じゃないっすよ。苦手意識はないっすよ。飲み会とかも多人数で行くのは好きですからね。僕は大体、隣の人と疑似1対1空間を作ってそこで喋ってるみたいな感じ。大勢と同時にはあんま喋らない。

過去:楽しかった。そう、楽しかったんすよ。曲作るのって。自分の頭の中で流れてる曲をそのまま曲にできるんですよね。

ゆいぴ:
西山さんってどんな子供だったんですか?

西山 求:
小学生のときはさっき話したんで。中学生の話をすると、中学生って思春期じゃないすか。中学2年生から彼女いたんですよ。幼なじみの子で、家近いから行くとき帰るとき一緒なんすよ。割と学校まで遠い家だったんで、お互いにずいぶんと長時間一緒に歩いて行きも帰りも。だいぶからかわれました。

ゆいぴ:
へえ。

西山 求:
勉強はたぶんそれなりにできる方ではあったかな。そのときは真面目で、授業中一切寝たことないし、超真面目に勉強やってます。高校も学力的には上から3番か4番かぐらいのとこにはいたかな。そのときまでは真面目だったんだけどなー。学力が横並びになってから、駄目ですね。

ゆいぴ:
中学のときは部活か何かやってたことありますか?

西山 求:
部活は吹奏楽部に入ってましたね。楽譜が物心ついたときにはすぐに読める状態だったんで、ちっちゃい頃からエレクトーン習ってたんで。3年ぐらいでやめちゃったんすけど楽譜が読めたもんで。吹奏楽部入ってみようかなって入ったら、なんと男子1人だったんですよ。完全にハーレム状態。だいぶからかわれた、そこでも。彼女も同様に入ってたんでそのとき。やっぱり帰るのも部活終わってから一緒に帰るから。でも不真面目でしたよ、吹奏楽部は。

ゆいぴ:
西山さんが不真面目だったってこと?

西山 求:
そう、僕が不真面目だった。勉強はすごい真面目に頑張ったけど、吹奏楽部はそんなに真面目じゃなかったですね、練習がつらくて。

ゆいぴ:
ちなみに楽器は何を?

西山 求:
楽器はトランペットをやってました。金管楽器なら大体何でもできます。木管楽器は顔真っ赤になるまで頑張っても全然音が出ませんでした。お前金管楽器やるしかないわーって言われて、そうだなって。

ゆいぴ:
他に何か特別やってたことあります?

西山 求:
中学校ですか?水泳通ってたことくらいかな。スイミングスクールに通ってたんですよ。

ゆいぴ:
それはいつから?

西山 求:
小学校のときから中学校入っても引き続きやってて、大体どんな泳ぎも一通りはいけるんすけど。今はもう泳ぐ機会がないんですけど。そんなに別に好きでやってたわけじゃない。行かされてた感じ、親に。感謝してますけど今は。

ゆいぴ:
吹奏楽と水泳だったらどっちが楽しかったですか?

西山 求:
吹奏楽かな、どっちかと言えば。

ゆいぴ:
どんなところが楽しかったです?吹奏楽の。

西山 求:
なんかたまに地域の演奏会とかあるもんで、そこで演奏すること。親戚が見に来るわけですよ。うまく演奏できるとやってやったなみたいな。そんときだけはやってやったなって気分になるんすけど、また練習に戻るとやりたくねーってなるんですよね。

ゆいぴ:
吹奏楽が楽しいと感じた印象深い思い出とかあります?

西山 求:
やっぱ今言った地域の演奏会ですかね。コンクールとかも行ったんすけどダメダメだったんすよ。弱小吹奏楽部だったんで。もうコンクールとか出ちゃうともうね、速攻終わるみたいな。1回演奏すれば終わり、みたいな感じだったんで。なんか楽器運んで、1回演奏して、また運んで帰るの?みたいな感じだったんで、いまいちだったんですけど。

ゆいぴ:
高校はどうでした?

西山 求:
高校も吹奏楽部に入って、今度はホルンやってたんですけど。いやあもう、なんか練習がそこも厳しくて、楽しくはなかったですね。

ゆいぴ:
部活以外に何かやってたこととかは?

西山 求:
そうだな、もう高校あたりから勉強も不真面目になり始めて。なんだろう、結構ゲームとかやってました。友達は数人いたからたまに出かけたりすることはあったけど基本インドア派なんで、家でゲームしてることが多かったすね。その期間も別に無駄ではなかったんですよね。いろんなゲームミュージックを耳にする機会になったんで、それが音楽の専門学校に行く動機になったりするから。何があるかわかんないっすね。

ゆいぴ:
どんなゲームやってた?

西山 求:
当時、すんごい流行ってたMMORPGっていうジャンル。今は完全にもう下火なんですけど、当時そういうMMOの黎明期で。業界も試行錯誤やりながら、いろんなゲームができてはなくなっていったんですけど。20年ぐらい経ってもまだ続いてる化石みたいなゲームを当時やってました。今もちょいちょいやるんですけど。

ゆいぴ:
さっき言ってた学力が横並びになってから、っていうのはいつからですか?

西山 求:
高校入ってから。大体同じぐらいの成績の子が集まるじゃないすか。僕が受けた高校は、その地域の一番学力が高い高校に行く人が滑り止めで受ける高校なんすよ。3番目4番目ぐらいの学校で。一番上に行こうとして落ちてきた人たちと、自分と同じぐらいの学力の人たちがいっぱいその高校に行って、その高校の中では僕は割と底辺だった。勉強のできる馬鹿どもでしたよ、自分も含め。ちょっと面白かったですね。学力がいいからってそいつ性格もいいんかというとそんなことはないし、自分も含めてね。そりゃそうだよな、自分こんな感じだし。そりゃそうかって。

ゆいぴ:
そういう環境に身を置いてることをどう思ってました?

西山 求:
パラドックスですよね。なんか1人で世界が広がった感じがして。こんなことになるんや高校って、って1人で衝撃を受けてましたけど。割と中学校ではね、勉強できるやつ扱いされてたんで。真面目やったしテストも大体全部9割以上取ってたから。

ゆいぴ:
高校卒業後は何してたんですか?

西山 求:
そっからは大学行かずにいろんなアルバイトしてたんです。大学行かず。ただのアルバイトですね。

ゆいぴ:
それはなんで?

西山 求:
いや、なんかやる気がなくなったんすよ、人生のやる気がなくなった。高校があまりにもつまらないからこのままみんなと同じように大学行ってもなんかなーって。行きたいとこも見つからないし、それならお金稼いだ方が良くない?と思って。好きなゲームに課金できるしと思って。バイトを始めたんですよね。親は気が気じゃなかったでしょう、僕わがままやったんで。親にろくに相談もせずに好き勝手やってましたけど。

ゆいぴ:
それはどのくらいの期間やってたんですか?

西山 求:
2、3年かな。

ゆいぴ:
その後は?

西山 求:
そっから、ふと電車乗ってるときに専門学校の広告が貼ってあったんです。それが自分が通った作曲の専門学校だったんですけどね。そういえば自分音楽好きやったやんっていうのをそこで思い出して。ちょっと興味出てきたんで見学に行ったんすよ、学校見学に。パソコンがあればもう曲が作れるっていう時代が始まろうとしているタイミングだったんですよね。デスクトップミュージックっていうものが世の中に出てきて、結構安価なパソコンでもそれができて。当時流行ってたニコニコ動画に自分のオリジナルの曲をあげて、ボーカロイドに歌わせてみたいな、そういうのが流行り始めたときで。自分の頭の中にある曲を、自分で作れるようになったらこれ面白いかなと思って。

4年制やったんすけど入ってみたんすよ。よく親が許してくれたな。学費すごい高かったんでね、自分のバイトだけでは無理かなっていう感じだったんですけど。親的にはそのときは、後から聞いた話なんすけど、そのときはあんたが初めて自分はこれをやりたいって言ってきた気がする、だから応援したいとか言われたんすけど。だから感謝してるんすけどね。高い学費を払って4年間行ったんすよ。

ゆいぴ:
どうでした?

西山 求:
楽しかった。そう、楽しかったんすよ。曲作るのって。自分の頭の中で流れてる曲をそのまま曲にできるんですよね。結構技術がないとしょぼいことになっちゃうけど。それがだんだん意味がわかってできるようになってきたら楽しくなっちゃって。授業終わってからもずっと学校に残って作業してるみたいな。

ゆいぴ:
主に作曲が専門?

西山 求:
そうですね。効果音を作るときもあったけど主に作曲が専門ですね。

ゆいぴ:
作曲の魅力を教えてください。

西山 求:
作曲の一番の魅力は、やっぱり自分のオリジナル曲が作れることすよ。他の人どうかわかんないけど、なんか頭ん中に曲ないですか?たまに。ふといろんな曲を聞いてるときに、別に既存の曲じゃない自分のオリジナルの旋律が頭に浮かぶことがあって。こういうメロディーを曲にしたら面白そうだなって思うときが僕はあって。他の人はないかもしんないけど。それを今まで持て余していただけだったんだけど。それを実際に曲にできるようになってしまって、すごい面白かった。今も良い趣味になってるけど。

ゆいぴ:
専門学校ってのはどこの?場所は。

西山 求:
大阪の専門学校。他にも東京とか名古屋とかにもあるけど僕が行ってたのは大阪。一番近かったから。

ゆいぴ:
地元はどちらですか?

西山 求:
兵庫県。なんで大阪に一人暮らしして、その学校に4年間通ったんすね。

ゆいぴ:
地元はどんな場所ですか?

西山 求:
地元、兵庫県は中心部に行くと栄えてるけどちょっと離れると田舎みたいな。なんかちょうどいいとこですね。車ないと生活できないぐらいではない。それほど田舎ではないけど駅まで歩いて20分みたいな。ちょっと車使うか迷うなーみたいな。僕は歩いてましたけど。こっち来てからですね車買ったのは。

ゆいぴ:
そこで西山さんはどのように育てられたんですか?

西山 求:
好き放題やってましたね。親は結構仕事が忙しくてあんまり、どっちかというと家にいない。結構1人でゲームしてる時間が長かった。たぶん親的には勝手に外に行かれて行方不明になるよりは、そっちの方がいいやって感じだったんでしょうけど。僕は大体ずっと家で1人でゲームしてました。インターホン鳴っても完全無視で勝手にゲームしてました。

ゆいぴ:
好き放題だった環境に対して、今どう思います?

西山 求:
今こうやって仕事をしてる立場になってみると親の仕事の忙しさというのは理由はよく分かるし。学校の先生やったの。長時間労働業界じゃないすか。なんで忙しいのはそんだけ頑張ってたからだよなって。それは苦労したよなって。ちゃんと話したら聞いてくれるし、信頼のできる親ですよ。ちゃんと親孝行をしてあげないといけないなーとは思ってんすけど。

未来:自分が接する全ての子供たちに対して、優しい大人でありたいなーって。

ゆいぴ:
未来についても聞きたいのですが。この先5年10年とさらにもっと先、20年30年、最後に西山さんが死ぬというところまで考えて、どういうイメージを未来に対して持ってますか?

西山 求:
マジで能天気なんで何も考えてないっすよ。今、地域おこし協力隊やってますけどこれも最大3年なんで。言うてあと2年きってるから。そろそろ将来何を持って生計を立てていくの?っていうところを頑張っていかないといけない立場なんですけど、割と何も考えてないっすよ。どっかなるようになるやろって思ってるとこがあるんですよ。なんだかんだ生きていけるから、日本って。死ぬまでバイトマンかもしれないけど。こう言うと意欲がないか(笑)

ゆいぴ:
こういう気持ちでいたいとか、こういう心持ちでありたいみたいなのは?

西山 求:
子供には優しくありたいな、とは思うんですよ。いやそれは自分の子供って意味じゃないですよ。もう自分が接する全ての子供たちに対して、優しい大人でありたいなーって。

ゆいぴ:
なんでですか?

西山 求:
僕がもし子供やったら、やっぱり大人には味方であってほしいと思うからかな。

ゆいぴ:
そういう考えに至った経緯とかきっかけってありますか?

西山 求:
僕、幼稚園のときお昼ご飯を食べる時間にその日特別にもらったおやつがあったんすよ。そのおやつは食後に食べることになってたんすよ。なんで、みんな先に食事を食べてたんすけど、僕はそのとき何を思ったのか順番を間違えて先におやつを食べちゃったんすよ。特に何の悪気もなく、単純に間違えて。

ゆいぴ:
うんうん。

西山 求:
それでめちゃくちゃ怒られたんですよ、先生に。なんて言われたのかはもうさすがに覚えてないけど、なんかすげえ怒られてガチ泣きしてたのは覚えてるんすよ。で、廊下に立たされたんすよ。それなんか悲しくない?間違えたんすよ、別に悪気があって決まりを破ってやろうとかって思って食べたわけじゃなくて間違えて食べちゃっただけなんですけど。すげえ怒られちゃって悲しかったんで。なんか子供には優しくありたいなって。優しくはありたいけど言うことは言わないとその子のためにはならないんやろうなって思うんで、難しいとこなんすけど。少なくとも優しくはありたいって感じですね。

ゆいぴ:
あまり先のこと考えてないってことだったので、直近について。協力隊の任期があと何年でしたっけ?

西山 求:
この年度が終わってからあと1年。

ゆいぴ:
その間でやりたいこととか、プランとかイメージとかありますか?

西山 求:
進めている年間計画を、年間計画なんでこの年度だけのやつなんですけど、これをいろいろダメ出ししてくる上司をはねのけるぐらいの説得力を持って進めて。僕が3年たって卒業する頃にはまなびときばんだいの、僕が1年目の状態のときよりも大幅に利用者を増やしたいですね。僕がいなくなった後に誰か協力隊をまた募集しないと回らんぐらいの忙しさにしてやろうと思ってます。

ゆいぴ:
なんでその意気込み、考えに至ったんですか?

西山 求:
そうっすね、初め何の目標も計画もなかったからですね。1年経っても特に何も言われないし。でもなんかそれってつまんなくないすか?何やってもいいよって思われてるっていうことやから。いや、いらんことすんなよってことかもしんないすけど(笑)でもね、税金使ってるわけなんで有効活用すべきじゃないですか。有効活用するってことは、町の子供たちの居場所になるっていうことだと思うんで。こういう場所にしていきたいんですみたいなのを僕が、その方がこういう理由でより良いものになるんですよみたいな説得力を持って進められるのであれば、別にダメとは言われないでしょうし。ちょっと現状変えるのを目標にしてもいいかなと思ってます。

ゆいぴ:
磐梯町は西山さんにとってどういう存在ですか?

西山 求:
僕はここに来た動機もすごいテキトーだったんすよ。僕は単純に今まで自分が行ったことない地域で、なんか田舎暮らししたいなと思ってちょっと来てみたんですけど。思ったより田舎の方が合ってるのではないかと個人的には思ってるんですよ。磐梯町のこの暮らしを割と気に入ってるんすよ、個人的に。すごいコンパクトじゃないすか、この町。スーパー1軒しかないし、コンビニも1軒しかないし、郵便局も1軒。でも必要なものは大体揃ってて、まあドラッグストアないぐらいじゃないすか。ほんで、別に特に何も困らないし。大阪で僕1人暮らししたときは隣に住んでる人が誰かもわかんなかったし、すれ違っても喋りませんし、挨拶しませんし。そんなんよりは、今の磐梯町の隣の家の人の職場どこで何時ぐらいに帰ってくるまで知ってるぜ、みたいな磐梯町の方が割と気に入ってる。

ゆいぴ:
なんで気に入ってるんですかね?

西山 求:
なんでだろう?はっきりとはちょっと自分でもわかんないですけど、たぶんコミュニケーションの濃さじゃないですかね。人が多いとどうしても関係希薄になるじゃないですか、1人1人と。磐梯町はすごい人が少ないから、1人1人と濃密なんすよね。なんで、僕は大阪で暮らしてるときはすんげえ人は多いけど、学校行ってないときはすごい孤独だったんですよ。地元でもどっちかといえばそう。磐梯町はそんなことないからな。すれ違ったら挨拶するし、どうもーみたいな、こんばんはーみたいな。割と好きです。

ゆいぴ:
磐梯町に対して抱いている思いってあります?

西山 求:
そうだな、難しいな。すごいコンパクトで住みやすい町なんで住みたいっすけど、住む家どうしよっかなって感じですね。みんなそれで困ってません?今の家の家賃も、そりゃできることなら住みたいけど家賃もそれなりに額するから。ちゃんと稼げるようにしておかないとね、ダメだから。どうしたもんかなーっていう。

ゆいぴ:
うんうんうん。

西山 求:
切実(笑)

ゆいぴ:
最後に言い残したいことっていうのをみんなに聞いてるんですけど。遺言みたいな感じになってもいいですし、読者へのメッセージでもいいですし、このインタビューの感想でもいいんですけど、何かありますか?

西山 求:
旅に行けるのはいいっすよ。冒険するのも悪くない。新しい自分を発見できると思うんで、たぶん人生楽しいっすよ。ていうのは言っておきます。僕、今まさに冒険してるんで。自分、意外と子供好きなんやってわかったし、面白いっすよ。それぐらいですね。

ゆいぴ:
はい、ありがとうございます。

あとがき

音楽が人生に与える影響って大きいですよね。何を隠そう私も音楽に生かされた人間ですから、とてもよくわかります。音楽に限らず、楽しむことへの悦びを感じられたり、それを自分以外の誰かに伝えられるのって才能だと思います。そういうアビリティに惹かれて、きっと人が集うんでしょうね。地域の子供とかね。
同じく、幼い頃の記憶が人生に与える影響ってのも大きいですよね。それによって子供に優しくありたいと思った人から、楽しむ心を教えてもらった子供たちはどんな大人になるのかな?

【インタビュー・編集・あとがき:ゆいぴ】


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