【就活インタビュー】就活終わった4年生と就活始まった3年生に話してもらいました
11月の文学フリマ東京に出展して本出す予定だったけど、ムリだわムリムリってなって、あきらめた。
で、今回放出するのはですね、そのときに出す予定だった本の一部になるはずだった、就活についての対談です。終わった人と始まった人で。
お楽しみあれー。
【まえがき:qbc・栗林康弘(無名人インタビュー主催)】
今回参加いただいたのはこのお二人!
1,今、就活後? 就活中? 前? どんな生活ですか?
千夏:就活真っ最中、大学3年生
千夏:今は大学3年生で、就活真っ最中です。
qbc:就活は何ヶ月目ですか?
千夏:ちょっと説明会に行ってみようかなって始めたのが、大学2年生の冬の12月ぐらいで。本格的な就活は、大学3年生になって5月ぐらいから始めたっていう感じですね。
qbc:具体的にどんなことしてるんですか?
千夏:今はほぼ毎週グループディスカッションの練習をしたりですとか、エントリーシートを書いたり自己分析をしたり、週に1回以上は、何かしらの説明会に出たりしているっていう状況です。
qbc:グループディスカッションの練習って、どこでやるんですか?
千夏:オンラインです。
qbc:へえ、誰とでしょう?
千夏:私は女子大なんですけど、別の女子大の人たちとやったりします。
qbc:それは学校が用意してくれた場所ですか?
千夏:そうですね。
qbc:就活を初めて、約3ヶ月ぐらい。いかがですか?
千夏:もう既に迷走中というか、どこに着地するんだろうっていうのが正直な感想です。
自分がこれをやりたいって決まることと、決めた志望のところから内定をもらうっていうところに着地するのかっていうふうに思ってしまいます。
qbc:生活の中での割合としては、就活って何割ぐらいですか?
千夏:普通の大学生活と就活で、時間的には5分5分かなという印象でした。
qbc:なるほど。精神的な部分ではどうでしょう?
千夏:感情は、もう動きまくってて。常に落ちてるわけではないなくて。プラスもマイナスも、プラマイゼロの状態も、めまぐるしくずっと行き来してるっていう感じです。
toki:就活後、大学4年生
toki:就活の状況としては、つい最近、終わりましたっていうところですね。
就活自体は、大学3年の5月ぐらいに始めたんですけど、次の年の3月で1回就活を止めて、そこから半年ぐらい休学して。その翌年ぐらいから、また就活を始めたっていう形になります。
qbc:1回目の就活は大学3年の時に10ヶ月ぐらいやって、半年休んで再開したってことですか?
toki:就活をちゃんと再開したのは、今年の2月ぐらいだった気がします。
qbc:ってことは、2回目の就活を始めてから約半年で決まったって感じですかね。
toki:そうなりますね。
qbc:今の気持ちはどうです?
toki:スッキリしてますね。
qbc:気持ち良かったですか?
toki:そうですね、気持ちいいですね。やっと就活というものから解放されたんだっていう、感覚があります。
qbc:自分の希望通り、納得がいったかっていうのはどうですか?
toki:すごく納得いってます。
qbc:半年で決まると思ってました?
toki:まあ、2月ぐらいに始めても何とかなるだろうみたいな、ちょっと余裕こいてたところはあって。
余裕があったのも、休学したからっていうのは大きいと思いますね。一度就活をやって、こういう流れなんだなと知っていたっていうのと。あと休学してみて、自分はこういうことがやりたいんだみたいなものが、わりと固まっていたので。精神的な余裕はありましたね。
就活に対するイメージ
qbc:2人とも、お互いに気になることってあります?
toki:千夏さんの、就活に対する印象が気になって。私は始めたばっかりのときは、本当に嫌だっていう気持ちしかなかったんですけど。就活って、どういう印象ですか?
千夏:私も、就活を始めた当初は、嫌だなとは思っていたんですが。始めて1ヶ月ぐらいしたら、なんか、こういうことができるのも悪くないと思ってきて。でも1ヶ月経ったら、悪徳インターンみたいな、変なのに捕まってしまって。世間の悪いところを見てしまったので、また嫌だってなって。
でもやっぱり、楽しいって気持ちになったり。ずっと感情が動いているから、どれが自分なのかわからないっていう感じです。
toki:ちなみに、どういうときに嫌だなと感じたり、逆に楽しいって感じたりしていらっしゃるんですか?
千夏:嫌だなって思うときは、自己分析などで振り返るときで。やっぱり自分の過去とか、今って変えられないので。いくらそれが「あなたの長所だよ」って他の人に言われたとしても、それを就活で戦うための駒として入って披露するというか、公開しないといけないのが、嫌だなって思ってしまうんです。
qbc:うんうん。
千夏:楽しいときは、やっぱり未来のことを考えるので。私は大学入るまで、未来があると思ってなかったので。未来のことを考えられるっていうのがすごくワクワクして。不安ではあるんですけど、未来をつくる作業をしてるみたいな感じが時々して、そういうときに心が躍ることがあります。
toki:未来をつくる作業って言葉、すごく前向きだと思います。
qbc:tokiさんは、未来をつくる感覚ってありました?
toki:最初は全然なかったです。なんでやってるんだろう、みたいな感じでした。なんで私のこと、5分とか10分とかそこらで判断されなきゃいけないんだとか、反骨精神じゃないですけど、結構批判的な目で、ずっとひねくれて見てましたね。
qbc:千夏さんは、なんで就活やってるんだろうとは思わなかったですか?
千夏:ええと、思うところがないと言えばうそになるんですけど。自分にとっての就活は、これから大学を卒業して選ぶ、選択肢の基本形だなと思ってるので。その基本形で失敗したり、違う形がいいなって思わない限りは、進む。すごろくで言えばマスみたいなもんなのかなって思っていて。それに対する違和感自体は、少ない方だなと思ってます。
qbc:何が違うんですかね、お2人。
千夏:そうですね、何が違うんでしょう。私もわかんないです。
達成感を感じた瞬間
千夏:tokiさんは就活してる時、心躍る瞬間というか、達成感みたいなものを感じる瞬間ってあったりしましたか? 内定をもらうよりも前の段階で。
toki:例えば社会人の人とかと、いろいろ進路相談みたいな感じで、お話を聞いてもらっているときだったり。あんまりそういうふうに、大人の人と話せる機会って、今まで意外となかったなと思って。それは楽しいなと思ったり。
あとは、面接の中での話で。休学を検討する前は、休学っていう決断が面接先の相手に受け入れられるのだろうかって不安があったんですけど。実際、休学を終えて就活してみたら、その選択に対して、結構前向きな反応をいただいたりすることもあって。休学前に就活をやってたときよりも、自分がやりたいこととか、こういうことをやってきましたって話が、相手に届いているっていう実感もある。それはすごい、達成感といいますか、結構嬉しい瞬間ではあったかなと思います。
千夏:休学の期間で、価値観が変わったってことですかね。
toki:かなり変わりましたね。
qbc:千夏さんは、達成感を感じた瞬間って今ありますか?
千夏:今はあんまりなくて。進んでいる感じが全然ないです。何やってもやらないよりはマシみたいな気持ちになることが多いです。
qbc:今、就活やってて良かったと思うことってあります?
千夏:いつも考えるのは、たらればなんですけど。もしも、今の段階で就活とかしていなかったとして、バイトとかで就活をしないで正社員になっていたりしたら、職業を選んだぞっていう感じがしないんじゃないかなって思ったりするんですよ。
だから、今は何か少しでもと思ってるんですけど、自己分析で全然まだ深掘りできてなくて、足りないなと思ってるんです。自分の中で新しい情報が見つかったときに、やってよかったなって。達成感というのかわかんないんですけど、新しく進んではいないけど、何もしないよりは何かをしたような気持ちにはなるんですよ。矛盾してるかもしれないですけど。
2,就活中の気分、メンタル維持方法
toki:目的を思い出す。無名人インタビューや休学中に出会った人のことを思い出す。
qbc:就活中の気分についてお聞きしたいんですけど。メンタルを崩しやすい場合もあると思いますが、どういう風にメンタルを維持してますか?
toki:私は、メンタルは下がってましたね。基本的にネガティブな感じで。でもたまに、出会った社会人の方の言葉に勇気づけられたり、自分って今、こういうことのために就活してるんだって思い直すたびに、ちょっと上がって、頑張ろうっていう気持ちにはなるんですけど。
とにかく自分と向き合って、自分はこれができてないとか、ここがわからないとか、そういうものに向き合うのが、ひたすら苦痛で。最初の1年は本当に、メンタルはガタガタでしたね。
qbc:うんうん。
toki:2回目の就活も結構微妙なんですけど。通るESを書くためのスキルとか、グループディスカッションでの立ち振る舞い方とか、そういう「就活で選考を通過するためにやらなきゃいけないこと」に対して、それって身につけて社会の役に立つのかなとか。そういうことを考えると、自分がやってることにすごい意味を感じなくなる瞬間とかがあって。でも私は1人で起業したりとかする勇気までは持ち合わせていないから、結局この慣習に従うしかないんだっていうところに、ちょっと悲しみを感じつつ。
でもその中でも、あんまり取り繕わない自分だったり、自分の経験とかを肯定的に捉えてくださる企業とかに出会えると、ちょっと頑張ってよかったかも、みたいな感じで上がっていく部分はあったかなって思いますね。
qbc:tokiさんが実践していたメンタルの維持方法とかあります?
toki:いくつかあるんですけど、目的を思い出す。何のために自分は就活をしてるのか、みたいなことを思い出すことによって、自分が今やってることはちゃんと未来に繋がっているんだよっていうことを自分にわからせる。
あともう1つが、なんかすごい無名人インタビューの宣伝みたいになってしまうんですが、無名人インタビューで出会った人とか、あと休学中に出会った人とかのことを思い出す。例えば就職してない人とか、就職失敗した人でも、今生きてるし幸せそうだったなって思い出して。いま私が就職できなかったとしても、そこで人生終わりではないから大丈夫だ、って思うようにしてました。
qbc:なるほどね。宣伝はしていいんですよ。
toki:ちょっとやらせっぽいかなと思って(笑)。でも本当のことです。
千夏:日記を書く。自分の無名人インタビューを読み返す。
qbc:千夏さんは、就活中の気分とかメンタル維持ってどうでしょう?
千夏:メンタルとかモチベーションって、もともと維持できるものだと思っていないので。下がりすぎなければいいなというふうにとらえていて。インターシップをこれからやるぞっていう、一番のときに一気に落ちて、無気力になってしまったので。その辺は、何とかして持ちこたえる方法をこれから考えねばならないと思ってるんですけど。
基本的には、誰と何を話してても今、そのおかげでメンタルを維持できてるとは思わないので。毎日日記書いてるんですけど、良いことでも悪いことでも全部感情を書き出して、とりあえず自分の気持ちをコントロールというか、制御っていうんですか、それでどうにかならないようにしてるっていう感じです。
qbc:日記は、どういった感じで書いてるんですか?
千夏:毎日を振り返るようにしていて。以前、就活が進まないって思っていたときに、大学のキャリア支援の方から、「イベントに参加する度に目標と振り返りをした方がいいよ」って言われて。そしたら進んでるっていう感じがするんじゃないかなって、そういうアドバイスを受けたので。
それもあって、イベントを行く前に目標を立てて、行って振り返ってっていうのを、していこうかなと思って。そうすれば、何もしないよりマシっていう気持ちから抜け出せるんじゃないかって。今は楽しいとか、達成感があるって思わないんですけど、いつかそうなるんじゃないかって期待してるみたいな。そういう感じですね。
インタビューの役割
qbc:千夏さんは、無名人インタビュー役立ってます?
千夏:就活に役立ててます。自己分析に行き詰まったとき、いつも電車の中で読み返してます。自己分析で言われたけどピンときてないこととかを、無名人インタビューを読み返して、あっここに一部書いてあった、みたいな感じで。
無名人インタビューで私が言ったことって、あんまりブレてなくて。インタビューを受けた当時から動き出したりはしてるけど、思想自体はもう元々私のものだから、そんなに数ヶ月で変わらないんですよね。
qbc:あ、自分のインタビューを読んでるってこと?
千夏:他の方のも、読むには読むんですけど。立ち返るときに一番、ひたすら読み返してるのは、自分のです。
toki:嬉しいです。
qbc:そっか、tokiさんは千夏さんのインタビュアーでしたね。
toki:はい。
qbc:ちなみに、tokiさんは自分のインタビューって読み返しました?
toki:読み返した覚えがあんまりないですね。多分、数回しか読み直してないです。
qbc:千夏さんがインタビューを受けた時は、就活するぞっていう気持ちもあったんですかね?
千夏:そうですね。そのときは既に、ちょっとは就活関連の情報を集めていたので、今から動き出さなきゃなと思っていたんですけど。動き出したいけど怖いなみたいな、そういう段階で受けていて。なので、今インタビューを受けたら気持ちを切り替えられるんじゃないか、っていう感じで受けました。
qbc:インタビューを読み返すと、どうして自己分析に役立つんですかね?
千夏:最初は自己分析のために読み返した訳じゃなくて。自分で言うの恥ずかしいんですけど、私はもともと自分が書いたnote記事とか日記とか、何でも自分が書いたもの、痕跡が残ってるものは見返すことが多いので。その習慣があるので、好きではないんですけど、自分てどういう人だろうって就活関係なく探ったりするので。そんな感じでやってたら、気づいたら就活の時期に入って、自己分析でも使えたっていう。その延長で使ってる感じです。
就活の中で一番つらかったのは?
qbc:tokiさんが就活中で、一番つらかったことって何ですか?
toki:つらかったこと、一番を決めるのは難しいですけど。一番最初にぱっと思い浮かんだのは、自分を直視せざるを得ないこと。
千夏:ふうん。
toki:自己分析する過程で、やっぱ自分の過去は変えられないっていうお話を、千夏さんがされていたと思うんですけど。やっぱり過去って変えられなくて、自分の過去を振り返ったときに、もっとこうしとけばよかったとか。あとは、よく強みとか弱みとか聞かれるんで、答えるために考えるんですけど。結局、弱みばっかり見つかってしまうし。強みを見つけたとしても、あるあるだと思うんですけど、結局自分よりできる人がいるんです。じゃあ私って何ができるんだろう? っていうことに向き合わなきゃいけないのが、きついなって思いましたね。
qbc:千夏さんは、今のところ一番つらかったのって何ですか?
千夏:今は割と自分、楽観的で、ちょっと就活を舐めてて。これからきっと山っていうか、
そういうのに登るっていうふうに思っているんで。今ここでこれがつらくてとか言っても、のちのちの自分が、いやもっとつらいところあんのに、みたいに言ってくるんじゃないかなって思うので。今ここでこれがつらくて、って言うのはなんか変だなっていうふうに思います。
qbc:なるほど。
千夏:もちろん就活がつらくなるとは思うんですけど。私は特殊かもしれないですけど、やっぱりこれまで未来について考えることがなかったので、未来のことを考えられるだけで、今までよりも自分の人生は良い方向に進んでいるかな、って思ったりするんですよ。
もちろん、悲観的になることも私は多いですけど。今ものすごくつらくて、とは思わないです。
3,どうして就活するんですか?
toki:誰かと一緒に何かをして、一つのものを作り上げるっていう経験がしたい。
qbc:就活をする理由って、何ですかね?
toki:私は、起業をする目的とか勇気を持ち合わせていないけど、誰かと一緒に何かをして、一つのものを作り上げるっていう経験がしたいからですかね。
qbc:なぜ、その経験をしたいと思うんですか?
toki:自分の過去とかにつながってくるんですけど。私ずっと吹奏楽やってて、あと演劇の裏方とかもやっていたんです。自分1人じゃ絶対作れないものを、みんなで作ることの楽しさだったり感動が忘れられなくて。そういうところから来てるんじゃないかなと思います。
qbc:みんなで作るってのは、趣味でもできますよね。なぜ仕事でやるんでしょう?
toki:趣味でも確かにできると思うんですけど、やっぱり働く時間って長いなって考えたときに、自分がよりモチベーションを上げて取り組めることをした方が幸せなんじゃないかと私は思っていて。そう考えたときに、フリーランスとかでやっていくよりは、1回会社っていう組織に入って、みんなで何かやるっていう経験をした方が、私にとっては幸せかなと思ったので、仕事もそうしたいなって考えてます。
千夏:社会に出るっていうのが自己実現なのかなって思う。
qbc:千夏さんはいかがですか?
千夏:さっき言ったことと被っちゃうんですけど、大学出てとか、あるいは高校出てとかやることの基本形が、就職だと思っていて。もちろんフリーターっていう道もありますし、夢を追うとか留学するとか、大学院進学とかもあるにはあるんですけど、それって基本形ではなくて、特定の目的であって、就活っていう道を外れてやることだと思ってるので。私はその、基本形の道に進みたかったのかなって思うんですよね。
qbc:うんうん。
千夏:仕事に就くっていうのも、社会に出るっていうのが自己実現なのかなって思うので。前にそうインタビューに答えてる人がいて、それに影響されてると思うんですけど、私はそれで、就活をしているんだなって思います。
qbc:仕事は自己実現って、誰がそう言ったんでしたっけ?
千夏:一休誰絵さんだったと思います。元々noteをフォローしていたので。
変わったこと
千夏:就活はこういうものだっていう考え方がガラッて変わったり、逆に始めに思っていたことのままだって思えるタイミングってあったりしましたか?
toki:そうですね。変わったタイミングは、2回あったなと思って。
1回目は、就活を始めて2・3ヶ月ぐらい。なんでこんなことしなきゃいけないんだろう、みたいな感じで就活してて。その時に、たまたま出会った社会人の先輩から、「何のために就活しているのか」みたいな問いを投げかけられて。そんなこと考えたことなかったな、と思ったときに初めて、自分の就活の目的を考えました。そこで、就活をするということに対して納得感を得られて、その出来事がとても印象に残ってます。
qbc:なるほど。
toki:2回目は、休学してからの話で。私は休学して田舎の方に行ってたんですけど、私が行ったところは、いわゆるサラリーマンみたいな、会社勤めをしている人が本当にいなくて。1つの仕事をずっとやるんじゃなくて、1年の間に、季節に合わせて色々な仕事を経験するのが当たり前のような状況だったんです。
それでもみんなすごく楽しそうに生きてるし、意外とお金も何とかなってたんですよ。そういう人たちとの出会いを経て、世の中にはこんなに色々な生き方があったのか…!って、すごく衝撃を受けて。
それで結構、就活への考え方が変わりましたかね。就活しなきゃいけない、っていう意識じゃなくて、私は就活をするという道を、いろんな選択肢の中から選びとったにすぎないんだっていう意識に変わりました。
千夏:tokiさんが就活という道を選び取ってるって思ってから、でもやっぱり就活やりたくないとか、それよりもさらに下がって就活なんかいらないっていうか、そういう気持ちになることはなかったんですか?
toki:なりますね。なりました。例えばグループディスカッションだと、雰囲気づくりがうまかったり、いっぱい喋れて立ち振る舞いが上手な人が評価されて。結局そういう第一印象とかで決まっちゃうんだっていう場面に遭遇したりとか。
ESについても、人事の仕事をしてる知り合いと話したときに、大体どれくらいの時間でESをさばいてるんですか?って聞いたら、「1分ぐらい」って言ってたんです。私が2,3時間かけて書いたこの文章が、1分やそこらで判断されちゃうんだって、なんか虚しくなって。
自分の人生を良くするためにというより、就活の選考を通るためにしなきゃいけないことっていうのは、就活をするためにはどうしても避けられない。その現実に悩まされたことがありました。
千夏:その、ESのお話を聞いたのはいつぐらいだったんですか?
toki:今年の5月ぐらいでしたね。
千夏:人事側だとほとんど数秒で決まるとか、数分で決まるって話は、私もすごくよく聞きます。
toki:うんうん。ただ、そういう現実をいちいち真に受けていると、潰れてしまうなって、ちょっと思って。それがいいことが悪いことがは置いておいて、そういうことも仕方がないって割り切って、少し感覚を"麻痺"させないと、就活ってち乗り切れないなって思っちゃいました。
千夏:そうなんですね。私はその辺に対して、元々期待をしていないと言いますか。ひどい言い方ですけど、私みたいにこんな駄目な学生を、1分でも見てくれたら多いし、1秒でも見てくれたらすごいって思っちゃいます。
toki:良いとらえ方ですね。
千夏:それが私、もともとポジティブだと思ってなくて。誰か人に期待するっていうことを、大学入るまでにしてこなかったから。その辺の感覚がちょっと、他の人と違うかもしんないです。だからESが1分で判断されるってことも、あんまり残念だっていう気持ちがないんですよ。
toki:なるほど。私は期待しすぎだったのかぁって、今思いました。
千夏:どっちがいいかわかんないですけど。
qbc:千夏さんは、どれぐらいエントリーシートを書きましたか?
千夏:自己分析ができなすぎて、私はまだ全然書けてないです。1枚だけで。あとは怖くて、選考なしばっかり受けちゃっていて。今、インターン先を探してるとこなんで、全然できてなくて。だからさっき就活は進んでないって言ったんですけど、そういう感じです。
qbc:tokiさんはエントリーシートどれぐらい書きました?
toki:私は少ないですね、10枚ぐらいですかね。ESを書かなきゃいけないところはあんまり受けてなかったので。
qbc:ES書かなくてもいいところがあるの?
toki:結構ありますよ。ESっておそらく、大企業とか、メガベンチャーとか、人気があって、半端ない数の学生が応募してくる会社、つまり、一気にたくさんの学生を切らなきゃいけないような会社が課すものなので。SPIとかも多分そうです。だから、大人気!ってほどではない企業は、ES無かったりしますね。
qbc:ってことは、履歴書だけ送るみたいなやつですか?
toki:というより、そもそも1次選考は書類じゃないとか。
千夏:書類じゃないっていうのは、PCで動画を撮るとかですか?
toki:いや、1次がいきなり面接とか。私はそれが多かったですね。
qbc:へえ。動画選考のところも多いんですか?
toki:あるとは思うんですが、私は動画先行は一度も経験しませんでした。
千夏:私もまだ、選考もあまりできてないんで。動画選考が結構あるっていう話は聞くんですけど。実際には、全然自己分析で止まってしまっているせいもあるし。今すごく行きたいところが見つかっていないせいもあって、なかなか進んでないです。
qbc:私、転職4回ぐらいしてるから、どんどん慣れてきたな、そういう書類書くのは。
動画も、普通にYouTubeに出てるぐらいだから全然大丈夫だし。慣れちゃえばもう、何も考えずにやっちゃうかな。
千夏:YouTubeと動画選考ってだいぶ違いますよね。qbcさんはそれでも緊張とかしないんですか?
qbc:動画選考は自己紹介と、前職で頑張っていた成果みたいなこと。あとは自己アピールはもちろん無名人インタビューの話して、みたいな。それを1分ぐらいの動画で喋ってアップロードしてってやつですね。もう40代ぐらいになると、何も考えずに、準備せずに行ける。
千夏:えっ? 準備しないんですか。
qbc:準備しないで行ったよ。行ける行ける。
千夏:私は高校の指定校の面接ですら、40回近く練習したんで、信じられなくて。
qbc:受ける会社のことは、インターネットで30分とか1時間とか調べるけど。もうそれは社会人経験があれば、この会社だねって知ってたりとか、大体わかる。大変なのは、サラリーマン社会を知らないから。
千夏:そういうことですか。
4,未来は、どんな生活をしたいですか?
toki:好きなことに埋め尽くされた生活をしていたい。
qbc:未来は、どういう働き方をしていたいですか?
toki:私は、好きなことに埋め尽くされた生活をしていたいですね。なので仕事も、生きるための手段、お金稼ぐための手段として割り切らずに、自分が楽しい、好きだって思えることをやり続けたい。それも、仕事も1つだけじゃなくて、あの人結局何やってる人なんだろう、ってくらい、色んなことをやったり、それらを掛け合わせたりして、とにかく毎日楽しい、好きなものに囲まれて幸せ、って思いながら生きられたらいいなって思ってます。
千夏:誰かのために何かをやるっていうのが、これから就職して、初めてできると思う。
qbc:未来の働き方、千夏さんはどうですか?
千夏:私は今まで生きてきて、誰かのために何かをするっていうのができてこなかったと思うので。もちろん誰かのために何かをやるのは自分のためにもなるので、偽善とかとは違うんですけど。
誰かのために何かをやるっていうのが、これから就職して、初めてできると思うので。人のために何かをするっていう生活を送れるのかなって期待してるというか、そういうことをしたいなって思うんですよ。
健康な体を捧げたいっていうとちょっと変ですけど、そういう感じではあります。
qbc:なるほど。どうですか2人とも、それぞれのお話を聞いて。
toki:私はさっき言ったように、「自分が楽しみたい!」って思ってしまっていて、自分のことしか考えてなかったんですね。でも言われてみると、そもそも仕事とか働くのって、誰かのためにすることじゃないですか。
千夏:それを、初めてできるものだと思うんですよ。
toki:それを千夏さんはちゃんと理解していて。こうやって、未来の生活について考えた時に、誰かっていう言葉が出てくるのが、自分のことしか考えていない私とは全然違うと思いました。すごく素敵ですね。
千夏:私もだからといって、自分より相手って思ってるわけじゃなくて。tokiさんと対照的な、反対なことを言ってるとは思ってないんですよ。私は好きなものに囲まれてるっていうのは、もう既にある程度実現できてるので、わざわざ仕事には求めないかなっていうのがあるんですよね。だから私とtokiさんは対照的なことを言ってるっていうふうには、私としてはとらえてなくて。違う部分を仕事に求めてるんだな、って思うんですよ。
toki:なるほど。
千夏:私も、好きなものに囲まれたいなっていう欲求自体はあります。でも、それは仕事じゃなくてもいいと思ってますし、なんかもう既に満たされてるというか、わざわざもういいかなって。今まであまりにも、好きなものに囲まれすぎたので。
5,このインタビューで感じたことは、どんなことですか?
qbc:最後の質問ですね。このインタビューでどんなことを感じましたか?
千夏:やっぱりこのインタビューで感じたのは、ワクワクですかね。違う人の意見を聞きたいって思うことはたくさんあるし。私、大学には1個上の先輩も、同い年の友達もたくさんいるんですけど。それってもう、顔を見知ってる人だから、こう考えるかな、ああ考えるかなってのが、わかってるんですよ。だから、そういうのをわかってない人から聞くっていうのができて、すごく新鮮だなって思いました。
qbc:うんうん。
千夏:もちろんtokiさんのnoteを見ていますし、インタビューとかも読んではいるんですけど。
例えば、大きい1個の球体があったとして、一番上と側面の3cmぐらいしか見えてない人を、もう1回違う部分から見てるみたいな。本当にちょっとしか知らない人を見てるっていう感じがするので。この人はこういうふうに感じるんだっていうのは、就活の話してるけど、就活以外のこともいろいろ感じたりするなって思いました。
qbc:なるほど。tokiさんはいかがです?
toki:私が感じたこととしては、いかに自分が置かれてる状況に感謝できるか、みたいな。その考え方って、意外にも就活を進める上で、心を保つために大事なのことかもしれないっていう学びを、千夏さんから得た気がします。
千夏:そうですか?
toki:はい。私は、日常的に期待しがちな人間なんですけど、そもそも仕事を好きなように選べるとか、休学をさせてもらえるっていう状況自体、とても恵まれているんですよね。でも、それらがどれだけ幸せなことか、あまり意識しないでここまで来てしまいました。
そんな私からは、千夏さんがおっしゃっていたような、未来を考えられることが嬉しいとか、就活は未来を作る作業だっていうような言葉は、絶対に出てこないと思うんですよ。っていうのをすごく今日、感じて。
未来のことを考えられるというだけで、幸せなんだなっていうことを、念頭に置いていれば、就活へもまた違った態度で臨めたかもしれないと、勉強になりました。
千夏:私もtokiさんのお話を聞いて、いろんな考え方に出会えたので。私だったら、何で就活してるんだろうって思ったとき、立ち止まって休学とかできるのかなって。ズルズル引き伸ばされちゃうんじゃないかって、何となくで進めちゃうんじゃないかなって思ったので。休学してっていうお話を聞けて、良かったなって思いました。
toki:それは良かったです。
qbc:まだ、聞きたいことってありますか? どうしたら内定取れるんですか、とか(笑)
千夏:そうですね。tokiさんは、内定の決め手は何だったと思いますか?
toki:内定先の決め手は、会社や人の雰囲気。あとは、自分が将来やりたいことに、どれくらい繋がることができるかっていうところですかね。
千夏:自分のこういうところが評価されたなっていう手ごたえはあったりするんですか?
toki:何となく、思い当たるところはあって。その会社が目指していることと、私が休学中にやっていたこと、今後やりたいと思っていたこととの重なりがとても大きかったんです。そこが評価された、というより、マッチしたって言い方がいいんですかね。お互い、やってほしいことと、やりたいことがハマったっていう感じかなと思います。
千夏:すごいと思います。そんなに価値観がマッチするっていう、そんな瞬間が、私もあったらいいなと思っちゃいました。
toki:私、就活の最後の方は、いかに企業に選ばれるかっていうより、良くも悪くも、結構上から目線な就活生だったっていうか。自分が企業に選ばれるとか、評価されるっていうより、自分が選んでやるんだ、くらいの気持ちでいて。私のこと選ばないんだったらそれでもいいです、どれだけ私のこと見てくれますか?みたいな、ちょっと生意気なスタンスでいたので。でも、それぐらい力が抜けていたからこそ、うまくいったのかなっていう気もしたりはします。
千夏:そういうこと、結構聞きますね。やっぱりそうなんだ。
qbc:ありがとうございました。
toki・千夏:ありがとうございました。