社会人はインタビューで何がどう変わったのか?
こんにちは。qbcです。無名人インタビューという「普通の人に普通の人がインタビューする」という企画を主催しています。
今日は! 企画にインタビュアーとして参加している社会人2名にインタビューを行いました。
テーマは、社会人がインタビュアーになって何がどう変わったのか? です。
2人がインタビュアーになったのは、おおむね「人と話すのが好き」というシンプルなモチベーション。学校や仕事で、なんとなーくインタビューにふれたことがあるくらい。トレーニングを受け、試行錯誤しながらインタビューを始めました。
2人は、どんな経験をしたんでしょうか。
って、結論から言っちゃいます。
・サードプレイス=ちょっとした非日常体験
・自分に自信がついた
・癒し効果
・自己分析の機会
・みんなでインタビューしてるから刺激になる
あはー。ウソみたいにたくさんのメリットを享受したんです。
それでは皆さま、その経緯をご覧あれ。
▼気になった記事
▼イワナ:一貫性がある生き方のインタビュー
qbc:今、イワナさんって何してるんでしたっけ?
イワナ:今はWebサイトとかを作るプログラマーとして働いてます。そこが今1年半ぐらいですかね。その前は、大学を出て大手のドラッグストアで販売を3年ぐらいしてました。
qbc:なるほど。
イワナ:気になった記事ですけど、ゆずさんの記事ですね。
イワナ:私、今までずっと、人って自分が目立つことを一番に考えてる生き物なんやろうなっていうのを思ってて。
でもゆずさんのインタビュー、現在過去をバーッて見たときに、彼はずっと何かを生み出すことを目標としてて一貫性がある生き方をしてるなっていうのを、まず思ったんです。
それで、未来パートで同じ何かを生み出すっていうことを実現させるために、自分が前に出て何かを生み出すんじゃなくって、何かを生み出してるグループの企業に入って、サポート役として他の人が何かを生み出すのを手伝っていけるっていうのも、自分の中ではすごく大事なことやと思ってるっていうふうに言ってはって。
その記事を読んで、あらゆる仕事、どんな仕事でも、需要と供給があるんやなって思ったり。自分が一番で、自分が作りたいものをずっと前に出し続けていくっていうことだけではないんやなって思いました。
あとは、インタビューの構成自体も、現在過去って聞いていって、未来で初めて「あっ!」ってわかる驚きとか、そういう楽しさもあって、このインタビューが好きやなって思いました。
qbc:読んでいて、どんな気持ちでした?
イワナ:すごく仲いい人と飲み会2人でしっぽり飲んでるときに、今めちゃめちゃ私達語ってるよね、みたいな空気になることがよくあって。そんな感じの気持ちになりました。
ゆずさん、もちろん全然知らん人なんですけど。
qbc:あ、ゆずさんと喋ってるみたいな感じ?
イワナ:そういうことですね。直接話を聞いてるみたいになって。それはいろんなインタビューで感じることなんですけど。そういうのが結構、私がインタビュー好きな部分だなって思います。
qbc:ゆずさん、喋るの上手かったですよね。
イワナ:そうですね。情熱的なんやろうなと思いつつも、わかりやすく話されてたんかな。
qbc:密度ありますよ。質問に対して、回答の描写が細かい。
▼ナカザワ1:アカウント情報が全くない人のインタビュー
ナカザワ:大学を出て、最初に就職した会社で、今も働いてるので5年目になります。
行政というか何々市役所とか区役所とかそういったところの委託を受けて、いろんな事業をやってる会社で働いています。
私は、自治体の戦略を作る部分のお手伝いで、調査だったり、そもそも何をどのぐらいやるかみたいなことをこうやって決めましょうよ、っていうようなアドバイス、コンサルティング的な部分もさせていただいています。
qbc:なるほど。
ナカザワ:で、印象に残った記事。1個目の記事は、今の体制になる前にやったインタビューで、私がインタビュー、文字起こし、編集、まえがきあとがきと全部やってる記事で、現在過去未来の聞き方をしてなかったりとか、一応聞いてはいるんですけど、はっきりとわかる聞き方してなかったりとか。
ナカザワ:私が25歳の時にインタビューしていて、参加者の方も同い年だったんですね。
で、全然アカウント情報もないし、誰かもわかんない。性別もわかんないみたいな状態で始まったんですけど。なんか本当に無名人の先端を行ってる感じがして。
言葉が面白い人でしたね。ぽこぽこ面白い言葉が出てきて。絶妙に冷静で、でもちょっと自分ってこんなんなんだよねって自虐しちゃうみたいな、その感じ。
印象に残ってるのは、自分がどういう人が好きかみたいな話してるときに、曖昧さが好きみたいな話をしてて。白と黒の間って絶対グレーがあるから、そのグレーの部分をちゃんと見てる人とか、そういう部分を示してくれる人は、すっごい優しくて好きな人だなって思うって。
けど、でも自分は曖昧にしちゃうから、はっきりしろよってよく言われるんだよね、みたいな話をしてくれたりとか。
絶対に教科書とかには残ったりしないし、報道されたりもしないけど、こういう言葉って豊かだなっていうのをすごい思って。これは、好きなインタビューですね。
qbc:ユーモアのある人でしたよね。
ナカザワ:そうなんですよ。普通に面白くて。
qbc:2021年当時の、無名人インタビューって、私が無名人インタビューのやり方をざっくり教えて、「無名人インタビュー」の看板を貸すので、個々のアカウントで、参加者募集からやってくださいね! 方式だったんだよね。
今は、綺麗に整えたけど、でも結果、綺麗になりすぎかななって思ったりもするし。
ナカザワ:カオス時代の記事ですよね。
qbc:そうそう、カオス期。
ナカザワ:目次も、現在過去未来じゃなくて、1から5まであったりして。
qbc:現在過去未来で20分ずつ区切る、今の聞き方の方式って、編集の時の目次の作り方まで計算した時間配分だからね。
この時期にいなかったイワナさんから見て、印象はどうですか?
イワナ:今の無名人インタビューは現在過去未来で読みやすいんですが、この頃はサブカルというか。私は結構好きですね、これ。
ナカザワ:いやまさにサブカル感とかアングラ感。本当に無名人って感じ。
▼ナカザワ2:地域に関するインタビュー
ナカザワ:2個目はRural Labo代表の小菅さんのインタビューにしました。
これは企画インタビューで。Rural Laboの運営の方が、先に無名人インタビューに参加していて、それで興味をもっていただいて、じゃあ代表の小菅さんにインタビューしてみよう、となった企画ですね。
このインタビューをきっかけに、私自身の行動範囲や知り合いの輪も広がっていって、現在進行形で本当に地域作りって面白いなっていうのを感じるようになりました。
地域の活性化だったりとか地方創生みたいなのは個人でも興味があることだし、仕事でもそれに近い内容になってるしってことで、qbcさんにやってみる? って言ってもらって「やります」って感じで始まった企画です。
無名人インタビューとして聞きたいことと、地域活性に興味のある自分が聞きたいと思ったことが、自然とフィットしていくような不思議な感覚がありました。
質問では途中まで地域の活性化について話してくださいとか、あなたの活動内容について話してくださいとか、そういうことは聞かなかったんですけど、でもなんかちゃんと最後、地域の活性化だったり、若者がどういう街を作りたいみたいな話に収束されていって、本当に筋が通った思想で生きてらっしゃるんだな、っていうのを感じました。
qbc:これは2022年の春先かな。現体制に作り変えた初目の頃に、同時に企画インタビューもやりたくて、それで初めたんですよね。
いやーでもびっくりしたのが、Rural Laboさん自体が、この一年でどんどん大きくなっていったところですね。
ナカザワ:この間もRural Laboさんのリアルイベントに行ったんですけど、このインタビューを読んだ方も参加してて。私の「参加します」ツイートを小菅さんや広報の方がリアクションしてくれたのを見て、「あのインタビューやってた人が来るんだ」って参加してくれた子もいました。「この記事めっちゃ読んでてスクショとかしてるんですよ」って言ってて、ちょっと恥ずかしかったけど、嬉しかったですね。
▼ナカザワ3:他のメディアは書かないインタビュー
ナカザワ:すいません、長く喋っちゃった。
最後のは最近出たやつですね。これはネタバレみたいになっちゃうけど、自殺未遂をされた方です。
ナカザワ:これは本当に端的に、こんなこと他のメディアは絶対に書かないよなって思って選びました。これこそ無名人インタビューで残す意義みたいなのがすごいあるなと思って。
最後、死ななかったらなんとかなるよねって、自殺未遂された方が言ってることにすごい意味があるんだろうなって思いました。
qbc:説得力ありましたよねー。
▼インタビュアーになって変わったこと
▼サードプレイス
qbc:インタビューやって変わったこと、ありますか?
イワナ:今まで仕事とプライベートのどっちかしかなかったんですけど、私にとっては、無名人インタビューのこの団体に所属してることが結構サードプレイスになってるなって。
qbc:おお、サードプレイス。
イワナ:ありがたいです、こっちも。
結構仕事忙しいことが多くて、めっちゃ余裕がなくなるときが多いんですけど、逆にそういうときにインタビューをポンって入れといて、インタビューの時間はインタビューに集中するようにしたら、すごい和やかな雰囲気になって、何でか知らんけど懐かしい雰囲気にもなって、すごいそれに癒されることが最近多くて。慣れてきたからもあるからかもしれないんですけど。
で、すごいリフレッシュして頑張ろうって思えることが多いですね。
qbc:知らない人と話すと、不思議と癒やされるんだよね。
ナカザワ:私もサードプレイスはわかります。
私、言うほどあんまり人と関わって一緒に何かしようってことはなかったんですが、今は、仕事忙しくて時間ないときでも、電車の中で編集したりしてるし。しかもやってると楽しい。めっちゃ忙しいけど、この瞬間は楽しいじゃん、眠いけど、みたいに思ってますね。
qbc:時間って観点は、どうですかね? 60分間、ただ人の話を集中して聞くって、実は時間を管理されてるサラリーマンにとっては、かなり貴重なんじゃないかなって思って。
没頭感あるんじゃないかなって。
ナカザワ:うーん。
イワナ:それもあるかもしれないですね。確かに。
qbc:あら、感じない?
ナカザワ:いや、あの、納得はするのですが、自分でその発想持ってなかったなっていう感じで、今の「うーん」ですね。
qbc:なるほど。プラモデル作ってる間はプラモのことしか考えない足、スープ煮てる鍋を見てるときはスープのことしか考えないみたいな。そんな感じで、インタビューしている間はその人のことしか考えない、みたいな集中の快楽があるのでは、って思ってるのよね。
▼インタビューセラピー
qbc:インタビュアーとして人の話を聞くことって、なんで癒しになるんですかね?
イワナ:今までも、面白い人とか見つけたら、うわめっちゃ話聞きたいとか、インタビューしたいと思うことがすごい多かったんですけど、いきなり面と向かって質問攻めにしたら、絶対答えてくれないやろうなっていうのがあったし。それが怖くってインタビューとかしてなかったんですけど、でもこういう聞いてくださいって思ってくれる人がいて、私はいっぱい質問しますっていう体制が整ってる場所だと、お互い打ちとけて聞くし話すしみたいな関係性が成り立つんですよね。
全然知らない人やけど、この場所でだけはちょっと心を開いてみる、みたいな空気があるんかなと思います。それで、その空気が結構好きだから、癒されるというか嬉しくなるし、向こうのためにもなってる感じもあるので。
qbc:とはいえさ、自分との接点がぱっと見つからない人も来るわけじゃない。
そういう時、どうでしたか?
イワナ:それはそれですごい面白いですね。その人から得れるもの、全部搾りとってやろうみたいな、ちょっと言い方あれですけど。
そういう体勢でこっちも話聞いてるので。あんまり興味ないっていうのはないかもしれないですね。
qbc:最初からそうだった?
イワナ:そうですね。一番初めにインタビューをした方、全然私と多分タイプ違う方やと思うんですけど、それはそれですごい面白かったし、この質問に対してこの目線で返ってくるんや、みたいなのも面白いなと思いました。
qbc:ナカザワさんは、癒しは感じますか?
ナカザワ:私、逆に悔しさみたいなのが出ちゃうんですよ。というのも、もっとちゃんとやりたいのに、準備もちゃんとしなきゃいけないし、なんでいつもこんなバタバタやってんだごめんなさいって、その分頑張らなきゃみたいに、1時間集中してて。
インタビューを平日21時からやるなら、その日残業は、19時までしかできないなって。で、家帰ってご飯はちょっと一旦置いといて、とりあえず何分前かにパソコン立ち上げて、Notta(文字起こしツール)を起動させてっていうのをやると、何時に家に着かなきゃいけない、準備もっとしなきゃいけなかったのに、って思いながらいつも開始してるので。
インタビュー中はもちろんめっちゃ集中してて、次何を質問しようかとか、現在過去未来のフォーマットももっと叩き込まなきゃいけないのに、でもフォーマットと違うこと聞いちゃったとか思いながらやってるので、やっぱり結構雑念だらけですね、そういう意味では。
qbc:他のインタビュアーで、顔を出さないのでお風呂上がりにできるからいいです、って人もいたね。
イワナ:インタビュー始まるまでのバタバタについては、私もすごいわかります。めっちゃわかります。
自分はやっとちょっと慣れてきたんで、インタビューにはこんだけの時間がかかって、このフォーマットを用意しておいて、インタビューの前にその人のインスタとかnoteとかを見る時間がどれだけ必要で、とか。
それがやっとわかるようになってきて。インタビュー前に30分だけ用意できるように仕事から帰ってきて、とかをやってる感じです。お風呂上がりにやろうとはあんまり思わないですけど、次の日も仕事やなっていうのが逆にありますかね。
qbc:私は、通算で200オーバーだけど、まあぎりぎりスタートかなあ。ばたばたはしてないけど。
でも面白いのは、毎回楽しみだってことだよね。
▼ボランティア
イワナ:インタビュー参加者の方と、インタビュー後にちょっとお話する時があって。
よく聞かれるのが、これってボランティアでやってるんですよね、しんどくないんですか? とか、何でやってるんですか? って言われるんですけど。むしろ、やってるから新しい風が自分に吹いてるみたいな感覚はあります。
ナカザワ:私もお金もらってないんですか? は結構聞かれます、いろんな人に。
ボランティアだけど、何かを与えるためにインタビューするというよりは、与えてもらうためにインタビューするから。
お金を貰おうみたいに思ったこと、私はあんまりないなと思って。
qbc:お金は稼ぎたいんだけど。でもお金っていうのも、無名人インタビューのひとつの大きなテーマなんですよね。
お金って、何にでもあてはめられる価値観じゃないですか。あなたの1時間はいくらですよとか、あなたの愛はいくらのディナーですか? とか。
人類最大の発明のひとつですよね。何にでも値段をつけちゃう。それがめちゃくちゃな破壊力を持ってて、ほとんど世界を滅ぼそうってくらいの勢いじゃないですか。オレの年収これだけか。オレの価値って低いなあ、て落ちこんだりね。
それで、その貨幣経済から抜け出たところで何かをやりたいって思ったんですよ。
イワナ:なんか変わりそうですね。
qbc:うん、変わってほしい。
お金をもらうために人の話を聞くのは、違うと思うのよね。よく、人の話を60分聞くのにお金がかかる社会はカッコ悪い、て言うけど。本気で話のする聞くが無料になって、社会の中でのコミュニケーションの総量が増えたら、他人という異物に対する寛容が生まれ、多様性という変化を受けいれる土壌が作られるんじゃないかな。
って、でもqbcは有料のインタビューしているじゃん、て言われるかもしれないけど、インタビューでお金を取ることを否定してるんじゃないんですよね。
お金を払わずに話す場所を、社会として用意しておきたい、て話なんてす。
▼自己分析
qbc:ナカザワさんは、インタビュアーをして変わったなっていうところ、どうですか?
ナカザワ:すごい難しいんですよね。私、2年ぐらい参加してて、インタビュアーをしたらこうなった、とかはわかんなくて。
でも、自分はこういうことに疑問を持つんだとか、qbcさんのフィードバックでこれ聞かなかったんだね、みたいに言われたりすると、私それ聞きたいと思わなかったのなんでだろう、とか。
人に対して私ってこう思ってるんだみたいな、なんか二重のフィードバックみたいなのが返ってくるなと思って。
編集しながら、このときどうしてこの質問しなかったんだろうとか、逆にこれを質問した私は偉いわって思ったりするときもあるんですけど。
自分自身がどう人と関わるのかとか、他人に対してどう思ってるのかとかが、結構わかるようになったなって思います。インタビュー中も感じてるんですが、編集だと特に。
qbc:編集すると、インタビュー全体をより深く眺められるからね。
ナカザワ:インタビューは自分を知れるツールかもしれない。人を通して、自己理解をやらせてもらってる感じ。
qbc:1年半ぐらい長くナカザワさんの方がインタビューをしているわけですが、今のを聞いて、イワナさんどうですか。
イワナ:ナカザワさん、すごい落ち着いて話す方やなって思って。自分を客観視するのがうまくて。
私はまだちょっとその域には達していなくて、無名人インタビューのやり方に慣れてきて、ちょっとずつ自分の聞きたいとことかも出してはいけてるんですけど、まだまだ自分を分析する余裕はちょっとない状態です。
qbc:イワナさんは、最近めちゃめちゃ余裕が出てきましたよ。
イワナ:インタビュー自体の進行では余裕が出てきてるんだけど、そこからさらに自分に何が得れてるかとか、インタビューを通して自分を見るっていう、そういう意味ではまだちょっと余裕がないですね。癒しという意味では得てますけど。
ナカザワ:でも私、イワナさんの質問はすごい鋭いって思ってます。鋭いって言い方が合ってるのかわからないですけど。冷静だし。
コミュニケーションの仕方が、私とイワナさんでタイプが違うんだろうなと思ってます。
イワナ:そういうのもまた面白いですね。
qbc:私は、イワナさんが自分を客観視せずに、今の落ち着いた試合運びまで至ったことにびっくりしてます。
自己分析の内容を、うまく言語化できてなくても、これはやらない方がいいなとかって、感覚的にわかってきてるんじゃないかな。
イワナ:確かに。
qbc:決めつけはよくないけど、ただまあ、見てると、インタビュアーにもタイプありますよ。
今のところ、4つくらいあって。
1つ目は、人の魅力を引きだして、それを周りに教えたいタイプ。
2つ目は、分析タイプ。私はこのタイプだと思うけど。人間観察したい人ですね。
3つ目は、好奇心タイプ。新しいこと、もの、人に出会うのが好き。海外にすぐ行っちゃうタイプだったりもしますね。
4つ目は、貢献、献身タイプ。人のために何かをしてあげたいって思う人ですね。
どれか一つしか要素を持ってないとかじゃなくて、どこかの要素が他の要素よりも高いんで、そういうタイプに見えるって感じかな。
ナカザワさんは分析タイプですね。イワナさんは、好奇心タイプだと思ってます。
インタビュアーのタイプまで見えてインタビュー記事を読んでいる人はいるかどうかわからないけど、すくなくとも文字起こしと編集チームは、インタビュアーの雰囲気はなんとなく感じとってるよね。そこまで読みとけると、記事もまた面白いですね。
▼チームとコミュニティ
qbc:サードプレイスって話が出たけど、無名人インタビュー制作チームというものが、今約20名体制であるわけですが。
制作チームは、チームではあるけど、コミュニティではないなと思うんですよね。
チームは目的のために集まってる人たちで、コミュニティには目的がない。
ナカザワ:繋がりのためですね。
qbc:そうそう、繋がりのための繋がりなの。
ナカザワ:確かに私も、今の制作チームはコミュニティっていうと、ちょっと違うかなって気がしてて。
なんかでもサードプレイスって必ずしもそのサードプレイスにいる人同士が関わってなくても、サードプレイスじゃないですかね。
qbc:あ、そっか。
ナカザワ:だからコワーキングスペースみたいな意味でのサードプレイス感は、確かにあるかと思ってます。
qbc:居心地いいんだ。
ナカザワ:悪くは全然ないです。個人の感想ですが。
イワナ:そうですね。私もこの無名人インタビューの団体っていうところに所属してるっていうよりは、自分が仕事以外で頑張れる場所というか、自分の場所だなと思っていて。仕事とプライベートとは、また違ったことをできる環境が用意されてる場所っていう意味です。
本職で、ずっと何年経っても満足できない気がしているんですけど、その本職をもっと満足いくようにするために、別のことを頑張れる場所として、無名人インタビューがある感じです、私は。
qbc:趣味?
イワナ:仕事寄りの趣味みたいな感じです、個人的には。
ライターとかそういう系で、いきなり仕事にはできないけど、それのための下積みの場所としてインタビュアーやらせてもらえるっていう感じの場所であり、ちょうどいい感じなんですよね。趣味でもなく、プライベートでもなく、仕事でもなく、みたいな。
qbc:お金をもらわないでも、インタビューするという活動は、はやり続ける?
イワナ:全然やりますね。偉そうな言い方ですが、無名人インタビューで得られるものがあるって思い続ける限りはやりたいなと思ってます。
qbc:自分がインタビュー好きって、いつ気づいたんですか?
イワナ:ほんまに普段から、プライベートでもインタビューしたいインタビューしたいインタビューしたいって思うことが結構多くて。なんか、センスがある人への憧れがすごい人一倍強いみたいで。それを解き明かしたくてインタビューをしたいっていうのが、ずっとあるんですけど。
なんかちょっと自分自身には満足できないっていう生活を送ってるんで、それを満たすためにずっとインタビューをしていくみたいな。今がその状態なんですよね。
qbc:ナカザワさんは、いつ自分がインタビュー好きだと思った?
ナカザワ:私は大学の授業のときに社会調査実習があって、インタビューというよりはヒアリング調査をしたんです。
そのときに、人って喋ってるだけで面白いなと思って。自分と違う感性の人がこうやって生きてるんだって思ったんです。
それから、意外と人間っていろんな生き方あるんだなっていうのを思って。自分が経験した幅だけだとこれしか知れないけど、人の話を聞いてこういう見方もあるんだ、この人にはこう世界が見えてるんだ、って。
それが純粋に面白くて、人の視界を借りて自分の世界が広がっていく感じがして、好きですね。
▼社会人はインタビューをするべきか?
qbc:ちなみに、社会人の人に、インタビュアーになることをおすすめしますか?
イワナ:難しいですね。合う合わないはすごいあると思います。
ナカザワ:自分以外の人の正解を正解と思えない人っているじゃないですか。
そういう人は、参入しちゃうと相手を傷つけてしまうような気がするから、そういう意味では合う合わないってあるかなと。
でも逆に、ちょっとでも興味があるとか、やってみたいって思うのであれば、それは全然あり。ためらわなくていいんじゃない? って言えます。
qbc:私の中では、その自分以外の正解を認められない人こそ、認められるきっかけを作るために参加してほしい。
ナカザワ:でも、そのために他の人を犠牲にするのは違うから、変わりたいという意志がある方は、やった方が良いと思いますね。
qbc:カフェチェーンでさ、人種差別発言があったときに、全社で研修をやったんだよね。
VRで、自分の嫌いなタイプの人に接客させどうなるっていうのをVR体験させていくと薄れるんだって。ヘイトが。
ナカザワ:そうなんだ。
qbc:要するに経験がないから人を憎むってことだよね。
ナカザワ:見たことがないから。
qbc:知らないから。遠ざけたままにしてるから。
ナカザワ:それはあるかも知れない。確かに。
qbc:一緒に長くいる人ほど恋愛に陥りやすいのと同じで。一緒に近くにいれば平気になっちゃうんだよね。
ナカザワ:うん。慣れる。
qbc:だから、自分と違う価値観の人たちがいること自体が当たり前になっていけば、良いか悪いかは別の話として、その状態に「慣れる」だろうって思うんだよね。
ナカザワ:インタビューじゃなくても、どんな人でも、いろんな人と会う機会はあった方がいいと思うんですよ。それはインタビューを通してでもいいし、もし他の手段があるのなら、それでもいいと思うんですけど。
例えば、この考え方は、もっと前に知りたかったなとか、あるじゃないですか、人生で。
こういう生き方の人にもっと早く出会ってたら人生が違ったかなとか、良いことも悪いことも含めて。
そういう機会としてインタビューを使うっていうのは全然アリだと思いますね。
qbc:イワナさんはいかがですか?
イワナ:Instagramのストーリーで、「みんなこのことについてどう思いますか?」みたいな投稿あるじゃないですか。そういうのをやるってことは、やっぱり他人の話とか他人のアイディアを聞きたい人も多いんかなって。
そういう意味では、インタビューというか、一個の共通した同じ質問を、いろんな人にやってみるとか、そういう経験は気軽にできたら面白いかもなって思いましたね。
qbc:そう、いろんな人の意見を大量にどどーんと一度に聞くって、かなり面白い経験だと思うんすよね。ガラっと自分の価値観を変えたりする。
イワナ:普通に生活してたら、そういう機会はなかなかないかも知れないですね。。
▼イワナさんの最後に言い残したこと
qbc:イワナさんは、最後に言い残したこと、ありますか?
イワナ:私、自分のインタビューしてもらったときの題名が「全部持ってるのに自信だけない人」だったんです・
イワナ:インタビューをする前は、人の話聞くときに、自分のことのようにいつも聞いちゃってたんです。それで、何もできてない自分と比べちゃって、うらやましいな、と思ったり。
でも、無名人インタビューの聞き方に「感情移入せずに聞く」っていうのがあるじゃないですか。あれを練習していくうちに、なんか楽になったなっていうのはあって。
客観的に話を聞けているかはわからないんですけど、いろんな人の話を聞いていくうちに、自分を認める第一歩が踏みだせましたね。
qbc:おお、すごい。そんな自己啓発効果が。
イワナ:あとはもう、いろんな人がいすぎて、自分と比べるのも難しいような人たちがいるんだなと思って。
なんかそういうのを繰り返していくうちに、プライベートでも他人の話を聞くときに、あんまりうらやましいなって思うようにならなくなってきました。
ちょっと気が楽になったし、話の聞き方も変わってきたなって思います。
qbc:どんなふうに変わった?
イワナ:今までは他人からレスポンスがあったら、感情で反射的に答えたりしてたんですけど、一旦ちょっと頭の中に置いて、飲み込めるようになりましたね。
あとは、自分の中に落としこむのがちょっと上手になったかも知れないですね。
誰かがやってることをうらやましい、いいなと思っても、自分のレベルに落としこんでいいところだけをもらって、「人は人、自分は自分」っていうのもできるようになったかなって思います。
個人的にはいい影響ばっかり受けてますよね。
qbc:ありがとう。感動しました。
イワナ:あとは、今の職場が結構年配の方も多かったりするんですけど、今まで年上の人と喋るのって、何を喋ったらいいんやろうとか、ちょっと怖いなとか思うこととかあったんですけど。
インタビュアーとして活動するようになってから、全然知らん人のわからない話とかを聞くこともあるし、聞き手としての体勢ができるようになってきて。
職場の人間関係くらいやったらどんと来い、みたいな感じになってきました。
qbc:すごいなー。もう、インタビューは20回くらいしています?
イワナ:今まだ、13、14とかやと思います。
qbc:十何時間でそんな感覚になってくるのかー、すこいね。
イワナ:そういえば、元々、人と話すのが好きやったな、とか。そういうことを思いだすきっかけにもなったりして。
私にすごい合ってますね、インタビューは。
qbc:なるほどね。年上の人と話すっていうのだと、私は逆で、若い人と話すのにすごい慣れてきたね。40代になると、10代の人と話す機会なんてほどんとなくなるから。
ナカザワ:今の無名人インタビューって、みんなで、同じフォーマットでやってるじゃないですか。
だから、私も最低限同じレベル感でクオリティが出せるようにやろうみたいな、ちょうどいいメリハリ感があるんですよね。だから、だらけずにやれる感じあるなって思ってます。
一人でやっていたときにだらけていたわけじゃないんですけど、メリハリは今の方がありますね。
qbc:チームでやる良さは、やっぱり、人の記事が読めることだよね。ものすごくわかりやすいのは、質問で。こういう質問もあるんだとかさ。
私は「人生を三章に分けたらどうわけますか?」とか、影響されてすぐ自分も使ったもの。
▼ナカザワさんの最後に言い残したこと
qbc:ナカザワさんは、最後に言い残したことあります?
ナカザワ:私、何やってますみたいなことを自己紹介する機会が増えたんですね。いろんなイベント顔出したりとか、ライティングにも興味があるので、そういうところであった人たちに「無名人インタビューやってます」って話してるんですけど、「え、何ですか?」「無料でやってるんですか?」みたいに色々聞かれたりするんですよ。
そういうときに名刺欲しいなと思って。
qbc:分かった。作ろう。
あとがき
いかがでしたでしょうか?
今回のインタビューの姉妹編として、学生バージョンもあります。
こちらをご覧くださいませ!
#インタビュー #インタビュアー #社会人 #コミュニケーション
この記事は無名人企画インタビューです
無名人インタビューのコンテンツのひとつです。記事は、「無名人ツーリズム」マガジンに格納されます。ぜひご登録ください。
考えていること:偏った考えの存在に気づくために
分からないから不安になり、知らないから思いつくこともできない。
だから、考えられもしない。
でも、生きることは行動で、生きるために動かなければならなくて、動いた結果の先に、知らないものに突然出会ったりする。
そして、その知らないものに対して、分からないから不安になり、恐怖し、攻撃しようとしたりする。
そういう未知との遭遇の時に、どうするのか。
インターネットの時代になって、SNSを誰もが使い、情報を発信し、情報を受信するようになった。
フィルタリングされてない情報がむき出しの生の肌にぶちあたって、ひどい痛い目に遭うことも少なくない。
誰もが冒険者になったのだ。とでも言えば、かっこいいんだが、実際はLv1のキャラが操作説明もろくろく知らず冒険の目的も分からないまま、ボスキャラ級のイベントに参加させられているようなものだ。実際は。
知らないことは怖いです。
知識は転ばぬ先の杖です。
経験が一番かもしれないが、何もかもを「知る」には神様になるしかない。神様に、あなたなれますか?
無理ですよね? じゃあどうしますか。どうするんですか。
インタビューという道具が残す軌跡は、誰かのための本になるのかもしれないなと思った。
知識の詰まった本。そしてそれは人生の地図みたいなもので。
最初、ここの見出しは「考えていること:偏った考えを打ち砕くために」だった。でも、「偏った考えの存在に気づくために」と変えた。壊すんではなくて、まずは「知る」ことが先決だろうと思う。
知った後、どうするか。それはそんなの私の知ったこっちゃない。
勝手にしやがれ。
ただ、知ったその先にどうするかというのも知る機会があるように、デザインはできたのかもしれない。
この人工の庭で誰もが幸福を謳歌できますようにと思う。幸あれ。