文章だから好きっていうよりはそれを書くことによって自分が癒されたりとか周りの人が喜んでくれるから好きなんだなっていうふうに思っているエッセイスト志望の就活生の人
今回の参加者はサイト「かがみよかがみ」に掲載されているって?
なるほど。なるほどですね。
私の記憶では3人だ。無名人インタビュー参加者の中でそのエッセイサイトに掲載暦があるのは。えー「まえがき」で他の掲載者の話しをしちゃうんですかqbcさーん!
ええい! する!
「セクシャルマイノリティインタビュアーの人」
「インタビューが好きな人」
「書くことで気持ちを整理するレゲエインタビューライターの人」
「かがみよかがみ」での掲載は、あっちで名前を検索してください!
ということでエッセイ。今回は就活もしながらエッセイストを目指している方です。なんかどこかのまえがきでも書きましたが、私もアマチュア小説家なので、書く人はめちゃくちゃ親近感湧くんですよ、ギタギタに噴きでてしまうというか。そもそもこの無名人インタビューは私の小説を読んでもらうための玄関企画ですから! 客寄せパンダなんですね。
ということで、小説マガジンもあるので読んでねフォローもしてね。
と、いうことで、何か物を自分から書き始める人というのは、何かしら必要性があって書き始めるんだなと思いました。思った次第です。「野火」を書いた大岡昇平が小説を書くものはみな不幸だって言ってるんですよね。でも良い小説が書けなくなってからが本当の不幸の始まりだって言ってるので、気をつけなければいけないなと思います。
今日の無名人インタビューも激しく楽しんでいってくださいね。愛してる。(主催:qbc)
今回ご参加いただいたのは 柴巳 さんです!
現在:今、エッセイストを目指していて
toki:今は何をしていらっしゃる方ですか?
柴巳:今、私は大学4年生で、就活をしてます。
toki:就活は、いつごろから始められたんですか?
柴巳:就活は、1年前ぐらいですね。
toki:結構、周りと比べると早い方になるんですかね?
柴巳:そうですね。周りの友達とかは、まだ全然やってなかったかなと思います。
私が2年生のときにコロナが流行って。1つ上の先輩たちが就活で苦労してるのをなんとなく知ってたので。自分が就活するときも、早めに動かないと後悔するかなっていうのはちょっと思ってて、動いたって感じでした。
toki:就活の他に、何か力を入れていることはありますか?
柴巳:私は今、エッセイストを目指していて。何かしら創作活動とか、自分のことを表現するみたいなことをやっていきたいなって思っていて。まだ、そんなに動き出せているわけじゃないんですけど。noteとかで、更新を結構するようにしてます。
toki:エッセイストになりたいなと思ったきっかけは何ですか?
柴巳:新卒でフリーランスになったっていう方にお話をお伺いしに行ったことがきっかけで。もともと私は、わりとちっちゃいときから文章書くのが好きで。
それを仕事にできたらなと思ってたんですけど、就活してると、どうしてもそっち方面じゃない方に考えてしまっていて。そのお話を伺った方が、今、エッセイとか書くことを仕事にされてるので、どんな感じなのかなっていうところを聞いて、自分がやりたいのはたぶんエッセイなのかなって思って。今、そっちを頑張ってます。
toki:なるほど。一口に「文章を書く」と言っても、色々なジャンルがあると思うのですが、その中でもエッセイに惹かれたのはなぜだったのでしょうか。
柴巳:私も、最初は文章書くのが好きっていうすごい抽象的な考えだったんですけど、エッセイって、自分の思いをそのまま表現できるというか。自分が経験したことを発信できるっていうところがいいなと思ってて。
例えば、ライターさんみたいな感じで仕事を依頼されて、何か商品を売るための文章を書くとかだったら、どちらかというと自分の文章を読んでもらうっていうより、商品を買ってもらうための手段でしかないなって思ってて。
それよりは、私の書く文章自体に価値を見出してほしいなっていうのが、ちょっとあったので。自分が経験したこととか思ったことを、思うままに書くみたいな、わがままに書きたいなっていうのがあって。そういう方法としては、ライターさんみたいな仕事よりは、エッセイを書くっていうことの方が向いてるんじゃないかなって思って、一応考えてます。
toki:エッセイを書いてみて、何か反響はありましたか?
柴巳:学校の友達とかには、あまり「エッセイ書いてるよ」とかは言ってないんですけど。noteとかでは結構発信してて、Twitterもちょっとやってるんですけど、そこで知り合った人たちは、エッセイを見てくれたりとか。そのエッセイ自体は、書いたところに「いいね」を押したりとかはできないので、どれぐらい見てくれてるとか、反応してくれてるってのは正直わからないとこではあるんですけど、同じような活動をやってる方とかが「見てみるね」っていうふうに言ってくれたり、感想を送ってくれたりする人もいるので、それは一種の反響というか、書いてよかったかな、と思いました。
toki:今までの読者の方からの反応の中で、印象深いものはありますか?
柴巳:noteに書いた方のエッセイになるんですけど、最近になって、わりとコメントをもらうことが多くなって。その中には「心が温まりました」とか「この文章に出会えて良かったです」っていうふうに言ってくれる方もいて。
自分が今文章書いてる目的として、人を癒したいとか、何か学ぶものがあったらいいなと思ってやってるので。そこに直結するようなコメントをもらえるのは、すごいうれしいなと思います。
toki:就活とエッセイの執筆活動は、別のものとして捉えてらっしゃるんでしょうか?
柴巳:元々は、書くことと就活っていうところをできるだけ結びつけたいなって思ってたんですけど、なかなか新卒の就活ってなると、書く仕事自体が少なくて。中途で入る仕事とかが多かったりするので、そこで趣味っていうふうに分けた方がいいのかなって思ったりもしてたんですけど。実際どうなのかなっていうのは、これから見つけていくとこではあって。noteを見てると、エッセイを書くことと違うことを組み合わせて仕事にしてる人とかも、結構いらっしゃって、そういう働き方もあるんだっていうのを、日々発見してるところなので。今の時点ではできなくても、将来的にそういうことができたらいいなって思ってます。
toki:今、就活、エッセイの執筆活動とお話ししていただきましたが、他に趣味などはありますか?
柴巳:趣味で言うと、わりと私インドア派なんですけど。youtube見たりとか、歌手で結構推してる人たちが何人かいるので。そういう人たちの動画を見て、日々癒されるっていうのが趣味です。
toki:そうなんですね。自分が今持っている時間を10とすると、就活・エッセイの執筆・その他の活動は、それぞれどんな割合で時間を使われていますか?
柴巳:時間で言うとたぶん就活がほとんどなので、就活が6ぐらいで、エッセイとか書くのが2、その他が2っていう感じですかね。
toki:かなり就活に力を入れられているんですね。就活は、やっていていかがですか?
柴巳:結構自分の性格とかもあるかもしれないんですけど、自分の思ってるままに伝えるのが難しかったり、何か違和感を感じたりすることも正直あって。そこをそのままにしちゃいがちだったんですけど、note書き始めてからは、その違和感をそのまま発信するっていうことを今はわりと習慣にしている感じですね。
toki:インタビュー開始前の雑談では、自分の話をすることには苦手意識がある、というふうにおっしゃっていましたが、文章を書くことによってそこをカバーしていると言いますか、書いた方が自分の話はしやすかったりするのでしょうか。
柴巳:確かに。わりと私はびっくりするんですけど、周りの人とかは、書くことより話すことの方が断然好きだったりとか、できるっていう人がいるんですけど、私は逆で、ずっと。
自分の家庭環境とかも、もしかしたらあるかもしれないんですけど、自分の心の中に思ってることを、ずっととどめてしまうというか、話さずにいるっていうことが癖になってしまってて。
それを改善するための方法として書こうって思ったりとか、自分だけの世界を持とうっていう意味も込めて書きたいなって思って、ずっと続けてることだったので。今はそこの目的は若干変わってるんですけど、でも、話すためにも書いてるって感じですかね。話せるようになるために。
toki:なるほど。ありがとうございます。ちなみに、就活に対して違和感を感じることがあるというお話でしたが、特にどんな部分に違和感を感じてらっしゃいますか?
柴巳:いろいろあるんですけど。
1つは、「ありのままの姿を見せてください」っていうふうに、面接官から言われるんですけど、それに対して、本当の100パーセントの状態で就活生が行くと、うまくいかないことが多いのかなと思ってて。どうしてもそこは建前とか本音とかっていうところがあるんだなっていうのは違和感を感じたし、あ、そうなんだなっていうふうに思った部分ではあって。
あとは、暗黙のうちにきちっと決まってるところがあるなって思ってて。例えば、スーツ着ていくとか、髪の毛は黒にするとか、そういうところも「そうしなきゃダメですよ」って言われてるわけじゃないと思うんですけど、みんなやってるから同じようにやるみたいな空気感があるなと思って。そこに、もちろん反抗してやっていく人もいるとは思うんですけど、それがなかなか出来にくい空気があるのかなと思ってて、そこも違和感だなと思います。
toki:実際、就活の最初の方では、ありのままの自分を見せるスタンスでやられていたんですか?
柴巳:元々は、「ありのままがいいよ」っていうふうに周りから言われるので、それを出そうっていうふうに自分で意識はしていたんですけど。それによって、逆に苦しくなってしまった部分があって。ありのままっていうふうには言うけど、自分としては、ここは絶対言いたいなとか、言った方がいいなみたいなものは、確実に持つようにした方が、私はやりやすいなっていうふうに気づいたり。
人によるとは思うんですけど、必ずしも人の意見が正しいっていうわけじゃなくて、自分でちゃんと考えなきゃいけないなっていうのは、当たり前ではありながら、学びだったなという感じです。
toki:就活って、色々なスタンスで臨んでる人がいるなと思っていて。就活を楽しんでいる人もいれば、とにかく辛いという人もいますし、自分を偽り話を盛って切り抜けていくっていうような人もいたりする中で、柴巳さんは、就活をどのように捉えていらっしゃいますか?
柴巳:ありのままを出そうっていうふうに、すごく思いすぎる必要はなくて、自分がやりたいようにやったらいいっていうスタンスだったかなと思ってて。
例えば、就活のメンターの人とか社会人に話を聞くと、「20社ぐらい受けた方がいいよ」とか、「こういうことを言った方がいいよ」とか、アドバイスは結構もらうと思うんですけど、それを必ずしも聞かなきゃいけないっていうことではなくて。
自分は20社も受けられないなって思ったら、そこを諦めるのも全然大丈夫だし。自分のやり方でやっていくことが、最終的には自分のためになるんじゃないかなっていうふうに考えてやってますね。
toki:自分の頭で考えると言いますか、人に言われたことを鵜呑みにせず、自分に合ったものを自分で考えて選択していくことを大事にしていきたいんですね。
柴巳:そうだと思います。
過去:自分の世界を持つみたいなところは、結構あったなと思ってます
toki:小さいころは、どんなお子さんでしたか?
柴巳:小さいときは、結構おとなしい性格で。元々は、もしかしたら明るいところももちろんあったと思うんですけど。家の中では結構明るくして、外ではおとなしくしてみたいな、結構差がある子どもだったのかなと思ってて。
ただ、自分の世界を持つみたいなところは、意識はしてなくても、結構あったなと思ってます。絵本を作るとか、文章を書くとか、そういうことは小さいときからやってたなと。
toki:小さいときは、どういう内容の絵本や文章をかいていらっしゃったんですか?
柴巳:そのときは、結構ハッピーエンドというか、お姫様が出てくるような話とかが好きだったので、その話の二次創作っていうんですかね。元々ある話と、そのキャラクターを使って、その後の話を自分で作ったりとか。あとは全然関係なく、ファンタジーなど、人じゃないものが出てきて、食べ物が喋るとか、そういう話も作ってました。
toki:想像力が豊かなお子さんですね。そうやって何か考えて作ったりすることは、物心ついたときから好きだったのでしょうか?
柴巳:自分が覚えてる限りは、絵本とか作ってたのも3歳ぐらいだったと思います。
toki:3歳!すごいですね。小さいころの遊びは、そのように何か家で作ったりすることが多かったのでしょうか。
柴巳:結構田舎だったってこともあって、周りに同い年の友達とかがあんまりいなかったので、環境的にも、家の中にいることが多かったり。学校に行き始めても、わりと家の中にいた子どもでしたね。
toki:現在のパートで、自分の心の中に思ってることを、話さずにいるっていうことが癖になってしまったのは家庭環境の影響もあるのかもしれないとお話しされていましたが、どのような家庭で育ったのでしょうか?
柴巳:家庭としては、母がシングルマザーで。お母さんとおばあちゃん、おじいちゃんと私っていう感じで、4人で住んでて。
一人っ子っていうこともあったので、かなり甘やかされてはいたんですけど、厳しいところはとことん厳しくっていう感じでした。
toki:厳しくされた思い出って何かありますか?
柴巳:おばあちゃんが結構厳しいというか、真面目な人だったので、小学生のときとかに漢字を書く宿題が出たりとかすると、その漢字を書いてるのをおばあちゃんが見て「もう1回書き直しなさい」とか。結構上手に書けてるって周りの人とかはたぶん思ってたんですけど、おばあちゃんはそこがすごい厳しくて、「自分が正しいって思ってるものは正しいんだ」みたいだったなって思いますね。
toki:なるほど。お母さんとのご関係はいかがでしたか?
柴巳:お母さんとの関係は、結構深いつながりというか。一番たぶん自分が影響受けてる人だと思うんですけど。元々、私が生まれたときから、もうシングルマザーだったっていうこともあって、仕事でいないことが多かったんですね。
なので、小さいときは、1人で何かやるのはもちろん好きだったんですけど、お母さんがいないっていうので寂しかったりとか、周りの友達はお母さんが家にいたりするのにっていう嫉妬があったりとかはあったんですけど、基本的には仲良くしていたって感じでしたね。
toki:その寂しさや嫉妬を、お母さんに伝えたことはありますか?
柴巳:たぶん、口で言葉にして伝えたことはあまりないんじゃないかなって思ってて。ただ、お母さんに後から聞くと、寂しそうにしてたよねっていうことは言われるので。それは行動とかに見えてたのかなとは思います。
toki:小さいころの自分と今の自分を比べてみて、ここが変わったなというところ、あるいはここは変わってないなって思うところはありますか?
柴巳:変わったなって思うのは、やっぱり人と接するようになったところかなって思ってて。結構小さいときもですけど、中学、高校とかも友達はいたんですけど、1人の世界に入り込むっていうとこがすごく好きで。
一種の思い込みではあったと思うんですけど、1人でいる方が自分は好きなんだっていうふうに思ってたので、他を排除するというか。そういう意味では、ちょっと友達に悪いこともしたかもしれないですし、そういう部分があったなと思うんですけど。
大学に入ってからバイト始めたりとか、大学の中にあるコミュニティに所属したりとかすることによって、自分の視野も広がったり、自分が勝手に思い込んでたことがあったっていうのにも気づけたので。もっと、躊躇せずに自分から何か行動していくっていうところは、マインドもそうですし、行動の仕方とかも変わったかなって思います。
toki:なるほど。
柴巳:逆に変わってないところで言うと、自分の芯の強さかなと思ってて。自分がこれやるんだって思ったら、それをずっとやり続けたりとか。あまり自分で意識してるわけではないんですけど、おそらくそういうふうに、文章を書くとかだったら、ずっとやり続けたりとかしてるので。それを周りの人たちからは「芯があるね」っていうふうに言ってもらえることが多くて。そこは強みでもあるのかなと思ってます。
toki:小学校、中学校、高校の中で、印象深い出来事や、自分に影響を与えた人やものは何かありますか?
柴巳:一番印象的で、挫折経験っていうふうに言えるのは、高校受験の勉強してた中学のときかなと思います。
小学校卒業間際ぐらいから中学3年生の卒業するぐらいのときまで、ずっと塾に通ってたんですけど。最初入る前まで、小学生のときとかは、わりと成績も悪くなくて自分の中でプライドとかもあったんですけど、塾に入ってみると、みんな周りが自分より賢くて、すごくびっくりして、そこで1回ショックを受けたんです。
クラス分けがあって、2つしかクラスがなかったんですけど、最初は下のクラスだったので、そこからどうしても上のクラスに行きたくて。勉強して周りからも褒めてもらえることが多くなってきたので、上のクラスにも行けたり。中学でも成績が良くなってきたりしてたんですけど。
toki:ほうほう。
柴巳:中2の中間テストのときに、調子に乗りすぎたというか、周りから褒めてもらえるからっていうのがあって、あまりちゃんと勉強せずにテストを受けてしまって。そのときにはやっぱり成績が残せなかったので、自分としてもショックだし、周りも当然褒めてくれるわけではなくて。当時はわからなかったんですけど、振り返ってみると、自分が勉強することによって自分が叶えたい夢とか、志望校に行きたいから勉強するっていうよりは、周りからどう思われるかをすごく気にしていたなと思ってて。褒められるための勉強になってたんですよね。なので、褒められ切ってしまって勉強をやめたから、続かなくなってしまったっていうのはあって。
結局、その後も志望校には行けなくて。自分の志望してなかった学校に行くことにはなったんですけど。でも、そのときに死ぬほど勉強して全然ダメだったっていう経験をして、何かしら、自分の強さというか、精神的な部分はずっと、今もそんなに強いわけじゃないんですけど、何かしら身についたものがすごいあったのかなって思います。
toki:その死ぬほど勉強したけれど、志望校へ行けなかったという挫折は、どのようにして乗り越えたのでしょうか。
柴巳:何かすごく意識してたわけじゃないんですけど、でも行ってみると、高校も意外と楽しいなっていうところは気づけて。その中学のときは一般入試で受けてたんですけど、推薦を本当はもらいたくて勉強していて。結局、自分がもう無理かもしれないって思って、辞退してしまったっていうのが、ちょっと悔しかったので。
大学に入るときは、推薦入試を受けるのもいいなと思って。推薦をもらうためには成績を伸ばさなきゃいけないので、塾とかは行ってなかったんですけど、それなりにいい点数が取れるようにっていうところを意識して勉強は続けて。大学も推薦で受けることができたので、ここは高校の3年間を通じて乗り越えられたのかなとは思います。
toki:そこから大学に入られて、そこで結構ご自身の中で変化があったというお話しでしたが、アルバイトは何をやられていたんですか?
柴巳:アルバイトは今もやってるんですけど、テーマパークのレストランでアルバイトしてます。
toki:アルバイト先としてそこを選んだ理由はありますか?
柴巳:元々、私が住んでたのは遠方だったんですけど、かなりそのテーマパークが好きで、よく遊びに行ってたんですけど。そこで働いている人たちを見たときにすごく憧れて、もし大学に入って、その近辺に行くことがあったら、やってみてもいいなと思ってたので始めました。
toki:実際、始められてみていかがですか?
柴巳:思ってたほど悪い意味での大変さはないなと思ってて。
最初のころは、完璧に仕事ができなきゃいけないっていう、ちょっと完璧主義なところがあって、なかなか仕事覚えられなくて辛かったりとか。周りの従業員の人とうまくいかないこともあったんですけど、でも自分なりに、日記を書いてたっていうところとつながるんですけど、メモとかとって、読み返すようにしたりとか。人とちゃんとコミュニケーションを取るっていうところを、自分なりに磨いていったことで、経験してよかったなと思います。
toki:それまでは自分の世界に入ることが多かったという中で、人と接する仕事をやるとなると、一つハードルを超えることが必要になるのかなと思ったのですが、実際、そういった心理的な壁みたいなものはありましたか?
柴巳:最初のころはやっぱり、どういうふうに話せばいいかとか、お客さんに対してもだし、一緒に働いてる人にもどう話せばいいんだろうっていうのは悩んでたんですけど、周りの人が優しい人が多くて、こうやってやったらいいよっていうふうに助けてくれたり、自分がうまくいかなかったときに、家族が支えてくれたりとかしたので。それで乗り越えていったのかなっていう感じですね。ハードルはもちろんあったと思うんですけど。
toki:今、いかがですか。バイトは楽しいですか?
柴巳:楽しいっていう気持ちの方が、大きくなったなと思います。
toki:他に、大学生活で何か印象に残っていることはありますか?
柴巳:印象的なので言うと、社会人の方にコーチングをしてもらったことがあって。それがすごく印象的だなと思います。
toki:そのコーチングは、どういうきっかけで始められたんですか?
柴巳:たぶん1年ぐらい前だと思うんですけど、就活を始めたころで。就活支援をやってるような媒体に自分が登録してたんですけど。そこで、こういうイベントありますよっていうページがあって、そこで見つけて応募して、お話したっていう感じでした。
toki:コーチングのどういった部分が、特に印象に残ってらっしゃいますか?
柴巳:コーチングを受ける前は、結構自分が話すというよりも、人が話すのを聞くっていうことが多かったんですけど。
コーチングって、ひたすらに自分が話すのを待ってくれるなと思って、そこがすごく不思議だなと思ったんですけど。自分の話をするのを待ってくれることによって、自分から自然に出てきた言葉を拾って「これってどういうふうに考えて出てきた言葉なんだろうね」とか、自分で考えるように促してくださったり、逆に、ここはもうちょっと違う考えもありそうじゃないっていうふうに思ったら、それをさりげなく言ってくださったりして。それがあったからこそ、今noteも続けられてる部分ではあるので、その人にはすごく感謝してるって感じです。
toki:コーチングで言われたことで、特に印象深いものはありますか?
柴巳:就活相談みたいなことを最初はしてもらってたんですけど、今回、tokiさんとお話してるみたいにnoteで発信してますって話もしてて、そこを深掘っていったときに、自分のアカウントとかもお話しして。私は無意識だったんですけど、物書きになりたいみたいなことを(noteに)書いていて。それをコーチングやってくれた人には話してなかったんですけど、「物書きになりたいって書いてるじゃないですか」って言われて。その言葉がすごく印象的というか、自分ではそんなに意識せずに、なりたいなって思って書いた言葉だったんですけど、それを、こうなりたいんですっていうふうに、人に話すのがまだちょっと怖かったので言えてなくて。それをそういうふうに言ってもらって、それからどういう記事書いてるんですかっていうところも見て感想をもらったりとかして。
そういう経験が初めてだったので、前向きに捉えられたというか。趣味としてとどめておこうっていうふうに、すごくマイナスに考えてしまってたところが、人に見てもらって感想をもらえたことによって、前向きに変わっていったというか。これを趣味にとどめておくんじゃなくて、仕事にするにはどうしたらいいかなっていうふうに考えようかなと思ったのは、それがきっかけだったので、良かったなと思います。
toki:冒頭でも「エッセイストになりたい」と、はっきり言ってくださいましたもんね。
柴巳:そうですね。
未来:100パーセント自分らしい人生みたいなものを送れたら
toki:未来のことについてお伺いしていきたいなと思うのですが、5年後10年後、あるいは20年後30年後、もしくは死ぬとき、どうなっていたいとか、どういう人でありたいというものはありますか?
柴巳:何事も我慢するとかっていうのが今までは多かったので、そういう部分をできるだけ取り払って、100パーセント自分らしい人生みたいなものを送れたら一番いいなと思ってて。今は想像できてないというか、何が一番自分らしいかってわからないですし、手探りなんですけど。
この間、違う方とちょっとお話したときに、「これからどうなっていきたいですか」って聞かれて、「80パーセントぐらいは自分らしさを出せたらいいですね」っていう話をして。「すごくその答えは個性的というか、なかなかないね」って言われて、そうなんだって思ったんですけど。
今のところは、自分がこれ好きっていうのを100パーセント人に出すのは、ちょっと恥ずかしいなって思っちゃうんですよ。なので、そこを無理に改善するとかはいらないと思うんですけど。自分が一番好きな人生というか、自分に自信を持てる人生を歩めたら一番いいなって思います。
toki:理想としては100パーセントだけど、無理をしないっていう範囲で、今は80パーセントぐらいを目指していこう、というような感じですか?
柴巳:そうですね。
toki:ちなみに、今は何パーセントぐらい、自分らしく生きられているなという実感がありますか?
柴巳:何パーセントかな。その時々によって違うなとは思うんですけど、40パーセントから60パーセントぐらいの間を行き来してる感じです。
toki:目指している80パーセントとの差分って、どうしたら埋められそうですか?
柴巳:差分を埋めるためには、まず、今やってる就活が1個の節目かなと思ってるので。
例えば、自分がそんなに行きたくないなって思ってるけど、そこに行こうって、楽をして決めてしまうんじゃなくて、そこでもういったん考えてみたりとか。例え、その就職先が1個決まったっていうふうになったとしても、その後も、本当にそれが正しいのかなとか、自分がやりたいことできるかなっていうところは、考えを押し込まずに考え続けて。周りにも発信することによって、だんだんと80パーセントの方に近づいていけるかなと思います。
toki:今から人生がなんでも自分の思い通りになるとしたら、どんな人生にしたいと思いますか。
柴巳:なんでもできるなら、好きなときに好きなように生きたいなって思うので。例えば、文章書くことはすごく好きなので、それを完全に人のために書くっていうよりは、自分も絶対楽しみたいなっていう気持ちがあるので。これから「何やってもいいよ」って言われたとしても、文章を書くっていうところは、変わらず続けるかなと思いますね。
toki:常に文章っていうものが、自分の軸にあるんですね。
柴巳:自分で何か意識してやってたというよりは、無意識の方が近いんですけど。それでも、noteとかでも書いてるんですけど、ちっちゃいときからずっと何かしら文章に関わってたりとか、影響を受けたりとかしてきてるので、そこはおそらく、これからも変わらないと思いますし。人に癒しを与えたいっていうことを目標にしてるので、そこを軸として。文章もそうなんですけど、それ以外のところにも関わっていけたらいいなと思ってます。
toki:人に癒しを与えたいっていう気持ちって、どのようにして生まれたのでしょうか。
柴巳:文章を書くことが好きとか、仕事をしていきたいっていうふうに考えてたときに、なんでなんだろうなって自分で考えたんですけど。文章だから好きっていうよりは、それを書くことによって自分が癒されたりとか、周りの人が喜んでくれるから好きなんだなっていうふうに思って。
なので、今のアルバイトとかは、書くこととは離れてるんですけど、自分が何かこれやったらいいんじゃないかなと思ってやってみて、周りの人が喜んでくれると、それがすごくやりがいになったりするっていうのがあって。自分も癒されたいし、人に癒しを与えたりとか、笑顔になってもらうことがすごく重要なんだなと思ったので、それが理由です。
toki:これから、何か挑戦してみたいこととかってありますか?
柴巳:挑戦してみたいことで言うと、まだ具体的なところまではできてないんですけど、何かしらの書くっていうところをビジネスにしたいなと思ってて。どうしても、何かしら就職先が見つかったとしても、それ1本でずっとやっていくっていうのは、不安というか。文章を書く方でも、何かしらコミュニティがあって、自分がやっていきたいこととか、食べていけるようなことがある方が、この先いいんだろうなっていうふうには思っていて。
今までは、書くことを趣味にしかできないと思ってたんですけど、それを発信することによって、周りの人が元気になってくれたりするんだっていうことに気づけたので。
今はわがままに書きたいっていうふうに思ってるんですけど、人に合わせすぎずできる方法で。電子書籍を出すとかでもいいですし、自分のアイデアを形にして、何かやってみたいなっていうふうに思ってます。
toki:人に合わせすぎないとか、自分でしっかり考えるというところから、自分っていうものをすごく大切にされているんだなという印象を私は受けたのですが、ご自身ではどう感じられていますか?
柴巳:確かに、自分っていうワードを結構言ってるなっていうのは、最近思ってて。今までの過去を振り返ってみると、当時はそんなに意識してなくても、他人軸というか、自分よりは他人の意見とかばかり気にしてたんですけど。それを、先ほどのコーチングの方とかとお話してて、それは違うというか。自分を大切にした方がいいよみたいなことを言ってもらって、それで気づけたというか。自分のことを、今まで大切にしてなかったなっていうふうに思ったので。
toki:ほうほう。
柴巳:それを今までは、あ、そういう人って、わがままだなとかずっと思ってたんですけど。そういうふうに生きていて、キラキラしてる人たちも最近すごく見るようになりましたし、自分も他人に合わせるっていうよりは、絶対自分だっていうふうに考えた方が、その自分自身の人生にも責任が持てるなっていうふうに思うので。今は自分らしくであったりとか、自分のありのままで生きられたらいいなっていうところをキーワードにして、生きてるなと思います。
toki:今まで、我慢したり、自分を押しとどめたりして、ちょっと後悔したなと思うことって、何かありましたか?
柴巳:小さいときとかは、かなりあったなと思ってて。
例えば、何か選ぶってなったときに、2つの物があって、どっちの方が好きって聞かれて。そのときに、自分はこっちの方が好きっていうのは決まってるんだけど、相手はたぶん別の方が好きなんじゃないかなって思ったら、そっちを選んでしまったりとか。「こっちの方がかわいいよね」って周りが言ってたら、そっちに合わせたりとか。
批判が怖いっていうんですかね。自分の意見を言うことによって、何か言われちゃうんじゃないかなって。
私は、それはその人のことを考えてるからだって思ってたんですけど。そういうお話をすると、それは自分を守りすぎてるというか「結局、自分のこと考えてる。自己中だよ」みたいなことを言われてショックだったんですけど。
でも、今となっては、それはそうだなと思ってて。なので、意識的に改善していくというか、自分で選ぶっていうふうにした方が、自分もストレスがなくていいなと、今は思ってます。
toki:なるほど。ありがとうございます。
毎度もしもの質問っていうのをしているんですが、もしも、柴巳さんが文章を書くことに出会っていなかったら、その後の人生はどんなものになっていたと思いますか?
柴巳:文章を書くことに出会ってなかったら、たぶん、自分の意見をどこかに書くとか発信するっていうことには、つながらなかったと思うので、今よりプラスな人生にはなりにくかったのかなっていうのは、ちょっと思ってて。
文章に出会ってなかったら、たぶん、自分の好きなことってなんだろうなって、今も考えてただろうし。それを、どういうふうに周りに言えばいいんだろうとか、悩み続けてたのかなって思います。なので、出会えてよかったなと思います。
toki:柴巳さんにとって、文章を書くってどういうことですか?
柴巳:私にとって文章を書くことは、癒しであり、学びでもあり、友達でもあるのかなと思います。
toki:友達。
柴巳:友達っていうところで言うと。今、初めて人に言うんですけど、小学生ぐらいのときから日記を書いてて、日記が友達みたいになってたんですよね。なので、日記に書いてるんだけど、友達に話すみたいに書いてたりとか。日記に名前をつけて呼んでみたりとかっていうのをやってて。自分は楽しんでやってたんですけど、それを周りに言うと、たぶん変な子に思われるなと思って、ずっと隠してたんですけど。
最近、日記とはまた違うんですけど、「周りに友達があんまりいないんですよね」っていう人に対して、私の好きなアーティストが、「自分自身が自分の友達でもいいんだよ」っていうふうに言ってて、それにすごく心を打たれたというか。
toki:おお、なるほど。
柴巳:決して、友達が多いとか少ないとかが、いい悪いっていうわけではなくて。結局、自分が一番自分のことを知ってたりとか、ずっとそばにいるわけなので、自分が友達であることが大事というか、それも1つの考えだなっていうふうに思って。
自分がっていうわけではないんですけど、日記も自分のそばにずっとあって、自分の思ってることを正直に話してるので、一種自分だなっていうふうに思ってて。なので、日記は友達だなと思ってます。
toki:自分自身が友達でもいいっていう言葉は、私も今ぐっと来てしまいました。ありがとうございます。
最後に何か言い残したことや、もっと話したかったことなどありますか?
柴巳:一通り、過去から現在、未来っていうふうにお話してみて、自分の中でも、あ、やっぱりこれがやりたかったんだなとか、ここは違和感に感じたんだなっていうところは、整理できましたし。これから何をやっていこうとか、考えていくきっかけになればいいなと思ってて。
自分でずっと影響されやすいなとか、そういうふうにマイナスに捉えがちだったんですけど、「自分が発信することで救われる人とか、逆に影響を与えることもできるよね」っていうふうに言われたことがあって、そこも1個の気づきなので。今、こういうふうにインタビューを受けたりとか、自分の話をすることによって、これからも癒される人とか、何か学んでくれたりする人がいたらいいなと思いました。
toki:素敵な言葉をいただき、ありがとうございます。
今後の執筆活動が、良き方向へ行くことを願っております。
柴巳:ありがとうございます。
あとがき
いつからでしょう、「大人になったら何になりたい?」と聞かれなくなったのは。
仮に今、「将来何になりたい?」と聞かれたとしても、心の底から正直に「自分はこれになりたい」と、堂々と人に伝えられる自信は、私にはまだないです。
なりたいもの、やりたいことを表明することには、エネルギーが必要だと私は思っています。
これを聞いたら人はどう思うかという不安や恥ずかしさ、恐れや葛藤を乗り越えて、はじめて表明することができるものだからです。
そんな中、「エッセイストを目指している」と明言された柴巳さん。
その一言が出てくるまで、決して短い道のりではなかったはずです。
夢をもっている人、それに向かって一歩踏み出している人ってやっぱりかっこいいですね。
自分という最高の友達と、「書く」という随一の武器と共に、夢を叶えていく柴巳さんの未来に幸多からんことを。
インタビュー担当:toki
編集協力:有島 緋ナ
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