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家も仕事もないけど満足な人

私の名前はqbc。
三軒茶屋に住み、代々木上原のベンチャー企業でフリーランスのコーポレートITエンジニアとして、1日3時間だけ働いている。あとは子育て、それから無名人インタビューというボランティアのようなエンターテイメントのような企画を主催している。チームは約20名。どちらかといえばこちらが自分の人生の主軸だ。
管理職の経験もあるし、政治の世界にもすこしだけ見聞を持った。
頭がもげるようなグローバル企業に企画を提案したこともあったし、山梨の布団工場で段ボールに布団を詰めていた時期もある。頭をぶたれながら営業をしていたころも、鬱になったこともあった。足は遅かったけど、なぜか水泳は得意だった。
で、いったい、それがなんなの?
なんでもないよ。
人間の幸せはね、目的を持って、それを達成しようとしてるときに訪れるんですね。
あるいは、そうだな、例えばホロライブの兎田ぺこら🐰の配信を見て夢中になっているときだって幸せなんだ。星街すいせいの新曲を聴いてるときとか。
つまり、幸せについて考えていないときだけ幸せで、あとは、もう、絶無にどうでもいい。
ということで無名人インタビュー今日もはっじまっるよー!!!

今回ご参加いただいたのは 小林綾音 さんです!

現在:家も仕事もないけれど、東京へ。自分が価値を見いだせると思った仕事をしていきたい。

toki:今、綾音さんは何をしていらっしゃる人ですか?

綾音:10月から家も仕事も無くして上京してきた人です!
自己表現しながらホームレスニート生活してます。

toki:最近は何をしましたか?

綾音:最近は11月1日から2泊3日で千葉の銚子に1人で旅に行ったりとか。あと普段やってることは、Instagramとnoteと、時たまYouTubeとか。自分を表現することを主体でやってます。

toki:1日の大体の過ごし方って、ルーティーンのように決まっていたりしますか?

綾音:10月1日から、この家も仕事もない生活を始めているのですが、毎日いろんな色があるなと感じて。
例えば、10月の半ば位からは日雇いのバイトを見つけてやってました。
仕事しない日だと、ノート片手に(たまに缶ビール(笑))行きたい街を散歩する、自分を知るための時間を過ごすんです。その日の気分で変えながらその日暮らしを楽しんでます!

toki:家も仕事もないというお話でしたが、今はどのように生活を送っていらっしゃるんでしょうか?

綾音:重要な寝床ですが…10月はゲストハウスを2、3回変えながら、1週間2週間とか長期滞在したり、たまに友達の家に泊めてもらったりという生活です。

toki:なるほど。東京に出てくる前はどちらにいらっしゃったんですか?

綾音:上京する前は神奈川の箱根にいました。私の地元が佐賀で、佐賀から箱根に飛び出て、8ヶ月間ゲストハウスの住み込みスタッフとして働いてました。

toki:地元から、箱根を経由して、東京に来られたわけですね。

綾音:そうです。

toki:東京に来られたのには何か理由があるのでしょうか?

綾音:箱根を出て次どこにいくかずっと迷っていたんです。最初は、日本飛び出てインドにバックパックしよう!と思ってたけど今じゃないな…と思い辞め、次は大阪に縁を感じていたので、大阪に行こうかなと思ってたんですけど、それもなんかしっくりこなくて…
そしたら運良く東京の美容師さんから11月15日にある大会のコンテストモデルのお誘いがあり、もういっそ東京でちゃおうかな…!と思い、上京を決意しました。
あと、東京には2年前から密かに行きたかったのもあって…でも当時は、なんかちょっと違ってやめたんです。今の私が東京を選んだ理由は、東京は日本の中で1番「何かをしたい」という気持ちの人が集まる場所っていうイメージがあって。何かしてる人も、したい人も、たくさんいる街なので、今の自分に合ってるなと思って、それで来ました。

toki:なるほど。

綾音:明日で25歳になるんですけど、

toki:おお! おめでとうございます!

綾音:ありがとうございます! 25歳の拠点を東京に置こうかなと今考えてます。

toki:そうなんですね。東京って、外の人からみると、そういう何かをやりたいっていうエネルギーが集まる街に見えているんですね、勉強になります。
ちなみに、最近やっていて1番楽しいことはなんですか?

綾音:今、全体的に楽しいです!
一番楽しいことが何かって言われると…なんだろう。
でも、私はこうやって何かを考えたりとか、自分が見えたものとかをあげたいその時にあげるっていうのがすごい好きだなと思ってて。文章で書きたかったらnoteに書いたりとか、写真で伝えたいなと思ったらInstagramとか、動画作ってみようかなと思ったらYouTubeとか、それを何も気にしないでやれている時間が楽しいです。
消したくなったり、葛藤との戦いですが、いつか今やっていることが何かになるんじゃないかなと思いながら地道にやってます。

toki:「何も気にしないでやれている」っていうのは、普段は何かを気にしているとか、そういうことですか?

綾音:そうですね。私の今って1人なんです。生活の中で、一緒にいる人がいない状態。
それこそ気にする人も気にされる人もいない超フリーな環境なんです。
例えば今家族がいたら、多分「そろそろちゃんと働きなさいよ」って心配されると思うんです。
あとゲストハウスにいた時は、自分の全力の表現を仲間に見られるのが恥ずかしかったんです(笑)誰かの目を全く気にせずにやれていることがすごく大事だと思ったんです。
私は誰かと一緒に何かを始めてみるっていうのが苦手で…1人の空間(世界)だと自由に生み出せる…!と気づいたんです。

多分私は、1人の空間で生み出して、リスペクトする感性の仲間たちとの各々の融合で一緒に創ったら活きるんじゃないかな、と自己分析していて。
で、そのリスペクトする仲間を作るには、まずは自分が「これをやってる人です!」と旗を立てるものを創ることが始まりだと思っています。
なのでその旗を創るべく、今は人たちの目を断ち切って何も気にしない1人の状態をつくっています。

toki:なるほど。今はまさに人の目を気にしないでやれている状態なんですね。
そうしたら、今、一番時間を使いたいなと思うことはなんですか?

綾音:時間を使いたい…なんだろう…

toki:例えば、このインタビューが終わったあとは何をしたいですか?

綾音:今日は新しい街に来ているので、インタビュー終わった後は街ブラ散歩でもしようかな〜と思ってます!

toki:散歩お好きなんですね。

綾音:大好きです、散歩!

toki:今全体的に楽しいというお話でしたが、日常の中でストレスに感じることや、これはやりたくない、気が乗らないみたいなことって何かありますか?

綾音:私今Timeeというスキマ時間を使って出来るアルバイトのアプリでお金を稼いでたんですけど、もうそれを極力やめようと思いました。
というのも、これからの人生の決め事として「属して働かない」と決めていたんです。
この「属する」というのも、完全フリーランスとはまたちょっと違って、(いつかはそうなればいいなと思っているんですが)今は自分がここでだったら、このチームでだったらやってみたいって思うところにはもちろん入っていきたいんですけど。なんか、ただただそこに入って働くみたいなのが気持ち悪く感じちゃって。

toki:はい。

綾音:やっぱりお金がないと何も出来ないので働かないといけない状況だったんですけど、この間、10日間連続でタイミーで働いてたんです。髪色が派手なので基本飲食なんですけど、誰でもできる仕事とか、穴埋めのための仕事を10日間ずっとやってみて、そのときになんか、消耗品みたいだなって思っちゃったんですよ。
私は結局それで生活を賄っていて、この10日間はそれで良かったって思ったんですけど、これ以上東京にいて、ずっと誰でもできる仕事を適当に見つけてやって生活をするっていうのがルーティーン化してくると、自分もただ消費していることになるし、私もずっと消費され続ける人間になっちゃうなって。
本当は価値を見出したいのに、価値を見出す時間を捨ててる。その可能性を、もっと他に出す方法が必ずあると思ってるので、本当にやばいときはタイミーとかに頼って、これからはちょっとまだわかんないんですけど、自分が価値を見いだせると思った仕事をしていきたいなって思ってます。

過去:自由な子にすごく憧れてたんです。

toki:小さい頃は、どんなお子さんでしたか?

綾音:今もなんですけど、周りからずっと言われてたのは、変わってる子って。でも、今と違うところは、かなり人の顔色を気にして生きてたなって、小さい頃は逆にそれができた人間だった気がします。
小さい頃の方が、人の顔色を気にするっていうことが胸が痛いほどしていて、どんどん人に合わせるっていうことをして、でもなんかそれに気持ち悪さを感じて、ありのままの自分を出すにはどうしたらいいんだろうみたいなのを多分ずっと考えて、今も生きてるなと思います。
だから、小さい頃は生きにくかったです。

toki:人に合わせることに気持ち悪さを感じるようになったのはいつ頃からでしたか?

綾音:多分、幼稚園ぐらいから思ってた気がする。
それを表すエピソードがあって、みんな人の真似をするじゃないですか。流行りのものを持つじゃないですか。例えば、ハム太郎だったら、みんなハム太郎かリボンちゃんとかにいくじゃないですか。あれ嫌だったんですよ。だから私は、多分タイショーくんみたいな、絶対みんな選ばないキャラクターのワッペンをエプロンにつけてたりとか。
あとは、リュックに魚の釣具屋さんとかに売ってるリアルな魚キーホルダー付けたりとか、ミニモニとか流行ってたんですけど、その中でも加護ちゃん辻ちゃんじゃなくて、アメリカの国旗の子がいて、その子をあえて選んでたりとか。
絶対かぶりたくなかったんですよ。だから、みんながそこに群がるのが(自然に)気持ち悪いって感じてました。

toki:なるほど。

綾音:あと、人間関係で気持ち悪いなって思い始めたのが、小学生の時仲間はずれにされた経験があって。
(どこの環境でもあると思うんですが)、いじめられないためにやっぱり皆んなボスに群がるじゃないですか。私もいじめられないように群がってたんですけど、でも、ボスに気に入られて中心軍団になるより、本当はもっと私が心から楽しいと思える友達と一緒にいた方が良くない?って思って。でも、その子と遊んでたら嫌なこと言われたりするじゃないですか。そこに結構矛盾を感じてて。

toki:はい。

綾音:人に合わせるっていうことは、今の私が思うと「自分を殺すこと」になるので、そっからは、ハブられないように生きるんじゃなくて、自分が楽しい方向に生きていこうって思った気がします。なので、小学校で結構形成されました。

toki:ちなみに、綾音さんの親御さんはどんな方でしたか?

綾音:厳しくもあり、でも、優しくもあり。
ちゃんと育ててくれた親でした。

toki:「ちゃんと」って、具体的にはどんな感じでしたか?

綾音:礼儀正しさというか。
お父さんは「やり遂げること」に厳しかったです。

例えば、習い事とか「やりたくないから行きたくない」は許されない。絶対行かなくちゃいけないみたいな。学校とかも休まないでいってたし、ラジオ体操とかも絶対に休めなかったし。
そんな、”スポ根”的な感じでした。忍耐がすごく鍛えられました。

toki:そういった教育に対して、当時はどんな思いを抱いていらっしゃったんでしょう?

綾音:当時は、逆にサボることに憧れてて。ちゃんとしろちゃんとしろって、色々なところで言われるから、歯向かってちゃんとしなかったりしてました。
当時はもう…ほんと嫌だったかも。嫌でした。

toki:もっというと、何が嫌だったんでしょう?

綾音:当時は習い事、たしか3,4個くらいやっていたんですけど、自分がやりたくてやってたことじゃなかったんです。「親から習わされる」みたいな感じでやってて。
でも私はその時間、友達と遊んだり、絵とか描いてたりしたくて。でも遊ぶ時間がない。そういうのが嫌でした。
自由な子にすごく憧れてたんです。毎日遊んでる子とか、自分がやりたいことやってる子とかすごく羨ましくて。だからすごく…悔しかったのかな?でもほんと「やりたくないんだよ!」みたいな感じで、キレたりとかしてた気がします。

toki:なるほど、ありがとうございます。
綾音さんは子どもの頃、性格で言うとどんな感じの子でしたか?例えば明るいとか、暗いとか。

綾音:明るめだったと思います。結構ふざけるタイプですね。クラスとかでも。

toki:友達付き合いはどんな感じでしたか?

綾音:孤立するタイプとかでは全然なくて。親友、いつメンで仲良くしてました。
だから、明るい子だったと思います。明るいおふざけ者、お調子者みたいな感じ。

toki:先ほど、小学生の頃のお話をお聞きしたんですけれども、中学時代はどんな感じで過ごされていましたか?

綾音:中学は部活(卓球部)頑張ってたりとか、あとすごい恋愛してました。
あと田舎者なので、ヤンキーとかに憧れる時期でメイクとかはしてなかったけど、派手なものとか、ゼブラばっかり集めてました。

toki:高校時代はいかがでしたか?

綾音:メイクを始めたり、恋したり…でも高校生のときは、いっぱい遊んだ!
でも、自我がずっと強かったので、中高はすごい反抗期でもありましたね。強めの反抗期。

toki:どれぐらい強めでしたか。

綾音:私めちゃくちゃ性格が激しくて、もうキレたら部屋の中をぐちゃぐちゃにするとか、暴言暴力とか。(コイツキレたらやばい…)みたいな、そう感じ。
当時はきっと、とてつもなく戦ってたんだと思います。

toki:そのときは、何と戦ってたんですかね。

綾音:親に、何々するなとか怒られるじゃないですか。小学校のときは、一応聞きながら何とかやってたんですけど、多分まずいって思ったんでしょうね。このままずっと「はいはい」って言ってるのが。だから、もうここから飛び出さなきゃいけないって思って。
本当に、彼氏とかにも口出ししてくるような感じになったので。「〇〇ちゃんのお母さんから聞いたわよ」「こういう悪い事してたらしいじゃないの」みたいなこととか言われると、そこでキレたりとか反抗したりとか。私の、わかってもらいたいって思うところをわかってもらえなかったんですよ。それが悔しかった気がします。
今思ったら、もう全然キレていいよって思うことをキレてましたね。私に歯向かうなぐらいの感じで。

toki:今の穏やかな語り口からは、全く想像がつかない感じですね。

綾音:ですよね。でも全然、今でも怒るときは怒るんですよ。だから、ギャップですね。

toki:高校卒業後は、どのような人生を歩まれたのでしょうか?

綾音:簡単に言うと、高校卒業してから、歯科衛生士の専門学校に3年間通って、一応資格も取って卒業しました。でも、ずっとアパレル販売員になりたくて、みんなからの反対を押し切って、歯科衛生士にはならないですぐにアパレルの販売員になって、初めて自分の願望を叶えられました。
そこで2年間働いて、すごい楽しかったんですけど、ずっとこの世界しか知らないで死んでいくのはやだなと思って。それで、仕事を辞めて、1回地元に戻って、ほぼニート。でも、家が自営業なので、その手伝いしたりとか、ちょっとバイトしたりとかしたんですけど。
そこから自己形成っていうのは本格的に始まっていて。結構1人で旅したりとかし始めるようになって。でも何か、今いる必要がない地元の九州に拠点を置いて何かしてることが無駄に思えてきて、箱根に行ったっていう感じです。短いスパンで色々してました。

toki:そうだったんですね。アパレルへの就職は、初めてご自身の思うがままに人生を歩めた瞬間だったと思うんですけれども、どんなお気持ちだったんでしたか、当時は。

綾音:私、専門1年生ぐらいのときから、もう辞めよう、辞めてアパレル販売員になろうって思ってたぐらいで。1回親にも言ったんですけど、猛反対されて2年3年って過ごして。でも、本当にお洋服屋さんに行くだけで涙が出てたんで、それぐらいしたかったことだったんです。

アパレルも、結構いいところに入社できたんですよ。ユナイテッドアローズってあるじゃないですか。そこに入れたんですけど。やっぱ、自分の力でそれが達成できたとき、本当に嬉しかったです。
あと、今思ったんですけど、親とか世間とかにがんじがらめにされてる時の私は、怒るっていうことへはすごい敏感だったと思うんですよ。ネガティブなことへのキャッチがすごい速くて。でも逆に、自分がやりたいことをやり始めてからは、感受性がプラスな方向で豊かになった。キレるとか、そういう方向じゃなくて、例えば嬉しい時に涙が出てきたりとか、自分がやってみたいと思ったことを達成できた時に感じる喜びとか、こんな感情になるの?って、すごくびっくりしました。

toki:怒りとか苛立ちとか、そういうネガティブな感情じゃなくて、喜びとか嬉しさとか、ポジティブな感情の方を、より強くキャッチできるようになったんですね。

綾音:あと、自分は元から、好きなアイドルとか芸能人とか、映画とか、そういうのに対して、もう好きになったらとことんっていうタイプではあったんですけど、自分のやりたいことを仕事にしたときに、休みの日とかもずっと他のアパレルショップ見て勉強しに行ってたんですよね。それで、自分が好きなことに対してはストイックに打ち込めるんだって思ったし、暇がなくなったっていうか。前までは、1日寝てたり、友達と遊ぶっていうことがなかったら、もう何もすることがなくて、暇、つまらないみたいな感じだったんですけど、必ず何かしらやってるというか。勉強が楽しいって思い始めたのも、多分そのときからで。
なので、かなり花開いた気がしますね。いろんなことに。

toki:自分のやりたいことを実現できたことで、すごく大きな変化が生まれたんですね。そこから新しい自分が始まったと言いますか。

綾音:そうですね。どこで人生が変わったかって言われたら、いろんなとこでだと思うんですけど、特にここだと思うんですよね。マイナスからプラスに変わった瞬間っていうのが、アパレルに入ったときからだったと思うんです。

未来:「生き様アーティスト」として、自分を表現しながら生きていきたい。

toki:5年後や10年後、何年後でも、もしくは死ぬときまでにでもいいんですが、何かやりたいことや、こうなりたいなっていう理想とかってありますか?

綾音:めちゃめちゃありますね。今特に、それを仕事辞めた2年前ぐらいからずっと考えて生きてきてるんですけど。
まず、25歳の目標があって。それが自分の家を借りるっていうこと。何でかと言うと、自分の空間を作りたくて。将来的に、それはすぐにとかじゃなくて、いくつになってもいいんですけど、例えば喫茶店とか、バーとか、この人しかできない世界だな、この空間すごいなって思うところってあるじゃないですか。雑貨とかも個性豊かだったりとか。こんなん絶対真似できんって思うけど、すっごい落ち着く時間あるじゃないですか。ああいうところを自分で作れるようになりたいんですよ。自分の世界作りっていうのをやっていきたくて。なので、25歳の目標はまず家を借りるっていうことと。

toki:はい。

綾音:あと、自分が今すごいやりたいことがあって。私が気になった人間たちを、雑誌にするっていう。名前も決まってるんですけど、「人間味」っていうマガジンを、自分で作ってみたくて。
私自身、人とずっと付き合っていくっていうのが、そんなに得意なタイプじゃないんですよね。そこに居心地の良さを感じないというか。人とずっと付き合っていくっていうのは、美しい姿な気がするんですけど、その美しい姿っていうのと、自分の心地よさが全然かけ離れたものになってしまってて。でもだからといって、人が嫌いなわけじゃなくて。そうなったときに、もっと自分と人とを繋げられる方法ってないのかなって思って。
自分の雑誌を作って、私が出会った人たちを書き留めれば、自分の宝にもなる。見た人がそれを面白いねって言ってくれたり、何かしてくれたらもっと最高なんですけど。
それを、私は25歳で少しずつでも体現していきたいっていう目標があって。

toki:自分に合った人との繋がり方を探った結果、雑誌に行き着いたんですね。

綾音:私、明確に絶対何っていう目標がないんですよ。例えば、人に話せば私の生き方って、フリーランスとかアーティストとかになると思うんですよね。

toki:たしかに、そうですね。

綾音:でも正直、自分はアーティストですって言うのはすごいむずがゆくて。それを言えるだけのメンタルがないというか、まだちょっとそこに照れてしまっていて。いつかは、私はアーティストですって堂々と言えるようになりたいなっていう目標もあるし。
あとは、なんか変な博物館とかあるじゃないですか。地方とかにある。死ぬまでに、そういうのを絶対作りたいです。それも目標ですね。

toki:目標がたくさんありますね。ありがとうございます。
そうしたら、例えば今、名刺を作るとします。名刺って名前の横に「代表取締役」とか「〇〇課」とか、その人の肩書きが書いてあったりするじゃないですか。自分の名刺のその部分には、なんと書きますか?

綾音:「生き様アーティスト」って書きます。

toki:生き様アーティスト。それは、自分の生き様をアートするのか、人の生き様をアートするのかで言うと?

綾音:どちらかといえば自分ですね。
自分の表現で、「ナチュラルをつくる」って言ってるんですけど、ナチュラルって、絶対自分からでた自然素材じゃないと成立はしない。でも多分、作ろうと思わないと、意外と止まっていると思うんですよ。「ナチュラルをつくる」っていうのは、自分から出てきた自然的なものを変化させて、ナチュラルを作っていくという意味で。
だから例えば、25歳だからこその、自分特有の悩みとか、アーティストの卵特有の悩みとか、色々あると思うんですけど、その悩みを、私は形にして生きていきたいんですよね、常に。
それが絵だったら絵で表現したいし、写真だったら写真とか、文章だったら、それがたとえ拙い文章だとしても、後からは消さない。あった方が絶対面白いと思うんですよ。めっちゃ変でも、完璧じゃなくて、絶対面白いと思っていて。
だから、そこを自分で考えながら、見つけていきながら、表現しながら生きていくっていう意味をこめての生き様アーティストです。

toki:なるほど。自分の等身大、ありのままを形にして残し続けていく、という意味で、「ナチュラルをつくる」なんですね、ありがとうございます。素敵な肩書きだと思いました、生き様アーティスト。

綾音:ありがとうございます。もっと自分でも言っていけるように、25歳を頑張ります。

toki:気になったんですけど、アパレルをやり始めたら「暇がなくなった」と、過去のセクションでお話されていたじゃないですか。
今の綾音さんの状況って、人によっては、何の制約もなくてものすごく暇な時間になる可能性もあると思うのですが、いかがですか?今、暇を感じるか、忙しいか、どんな感覚でしょうか。

綾音:暇でも忙しくもないです。なんか不思議ですね。忙しいの嫌なんです。人間の本来の姿として生きてんじゃないかなぐらいの感じですかね。本当にその、ニュートラルで、心地いいって感じで生きてる気がします。

toki:なるほど。東京にきてからの日々の満足度を数字で表すとしたら、どれくらいになりますか?

綾音:満足度、全然100ですね。なんで100かって言ったら、自然と出てきたんですけど。
お金はないけど、その日やりたいことって、ほぼ全部やるんですよ。つながるって想像してなかったような人と繋がれたりとか、自分が発信してることで、面白い化学反応も結構たくさんあって。すごく葛藤とかもあるんですけど、この先はこの先の100点があると思ってて。ただ、私はただこなすだけに生活してるわけじゃなくて、今日1日、常に私と話しながら生きてるので、今はすごい100点だなって思います。
ずっと仕事してた時は、多分70とか60って多分言うだろうなって、さっきパッと思ったんですけど。それが何でなんだろうって思ったら、その時間って、今の自分からすると、自分のやりたくないことをやってる時間が1日の中にあったっていうことで、60、70とかって言ってると思うんです。逆に今の状態って、そのやりたくないことをやってる時間がないので、100って言ったんだと思います。

toki:家も仕事もない生活を送る中で、将来への不安を感じることはありませんか?

綾音:不安って、不安定ってことじゃないですか。だから、この不安定な日常に対して、例えば今後自分がちゃんと価値を見出せる仕事ができるかとか、生活を築いていけるのかって不安はもちろん、そこを考えたらもう不安のループになってしまうんですけど。
でも、基本は意外とそんなに不安はなくて。金銭面とか、仕事の面は、今周りから見ても不安定だと思うんですよね。私もそう思ってるんですけど。でも、今私がしてることって、自分が生きていくための基礎固めみたいな感じなんですよ。重心がしっかりしてる人って、なかなかぶれないじゃないですか。だから、自分として生きるって言うことに対しては、どちらかといえば、安心感というか、そういうのはすごくありますね。今はそういう基礎固めの時期でいいと思ってるので。
だから、25、6歳ぐらいで、自分で価値を生み出していけるものを仕事にするっていうのを視野に入れながら、一つ一つまだお金にならなくても鉄くずでやっていってみたいなっていう時期ではあるんですよ。それを今、25、6歳ぐらいで全力でお金にならなくてもやって、27ぐらいで何かしら、2年間もやってたら絶対何かしら芽生えてると思うので、そのときにかけて、今はもうただ基礎を固めて、唯一無二の人間になっていく。トレーニングだと思ってますね、この生活を。

toki:なるほど。周りからすると不安定だけど、自分の中では、今の在り方に納得していて、自分として生きられているからこそ安定感を感じているっていうのが面白いですね。

綾音:そうなんですよ。

toki:それから過去セクションでは、厳しい親御さんのもと育ってきたというお話もありました。そういった、子どもの頃の家庭環境について、今振り返ってみて何か思うことはありますか?

綾音:私の今の生活、めちゃめちゃ自分の本能、自分の意思でしか動いていないんです。
昔貧乏だった人って、大きくなったときにすごく頑張ってお金を稼いでいたりするじゃないですか。そういう感じで、私の場合は子供の頃に好きなことができなかったからこそ、今やりたいことに対する熱量が半端ない。これは、その時のおかげだと思います。

あと、子どもの頃、親から「安易にやめるな」みたいなことをよく言われていて。
やめるならちゃんと理由を考えてから言えって言われてて。「やりたくないからやだ」とか、そういうただの子どもの理由だと、通してくれなかったんです。もっと具体的に言わないとダメだって。
そんな育ち方をしたので、今「なんでこの仕事をやらないのか」って時、安易に「やらない」って決めるんじゃなくて、自分にとってどうだからやめるっていうふうに、信念、意志を持って答えを出すんです。そういうところは、親の教育のおかげだと思います。

toki:なるほど。育った環境がそんなふうに今に繋がっているんですね。

綾音:あと私、何不自由なく育ててもらったんですよ。不自由だなと思うこと、何一つなく育ててもらって。
大人になってから、何不自由ないことの意味を社会に出て知らないと、何事にも感謝できないなと思ったんです。だから、家も仕事もない今の生活を選んだっていうのもあります。
何不自由なく育ててもらっていた環境があったからこそ、今があるっていうのを、伝えたいですね。

toki:ありがとうございます。
毎回、もしもの未来について質問しているんですけれども。
もしも専門学校卒業後、アパレル販売員にはならず、そのまま歯科衛生士として就職していたとしたら、その後の人生ってどんなものになっていたと思いますか。

綾音:いや、恐ろしいですね。怖い。もう、自分のことをめっためたに傷つけながら生きていったと思いますね。
なんかもう、すっごい卑屈で、もう腸が腐ってるから息も臭くなって、全然可愛くもなくて、でもお金は持っててファッションとかも好きだから、ブランド品とかでめちゃめちゃ自分のことを固めてるような人間になってた気がします。
怖いですね、もう人工的な人間になってたかなって。で、嫌な結婚の仕方とかして、私が嫌だなって思ったことをまたやってたと思います。怖い。

toki:最後に何か言い残したことや、もっと話したかったことがあればお願いします。

綾音:そうですね。自分への戒めでもあるんですけど、「異質にパンクに生きるぞ」って入れてほしいです。

toki:わかりました。最後に素敵なお言葉をありがとうございます。

綾音:ありがとうございました。

あとがき

カメラオフ、音声のみでお話を伺う無名人インタビューですが、今回はインタビュー前に綾音さんからYouTubeやInstagramのリンクをいただいていたので、ご本人のお顔や雰囲気、作風などを、事前に把握した上でのインタビューとなりました。

インタビューさせていただく前の第一印象は「アバンギャルドな人」。
サイケデリックな雰囲気で、街ですれ違ったら、思わず目で追ってしまいそうな感じの方だなと思ったのが最初です。

ですが、いざインタビューでお話させていただくと、そのギャップに驚かされました。
ものすごく穏やかな語り口。私が言うのも生意気ですが、どこか少女のような可憐な雰囲気も感じられる方で、インタビュー翌日が誕生日と知り、私が「おめでとうございます」とお伝えすると、「ありがとうございます!」と、とっても無邪気に喜んでいらっしゃいました。
インタビューから感じるお人柄と、生み出された作品の前衛さ具合とが、容易には頭の中で結びつかなかった、というのが率直な感想です。
(ただ、インタビュー時の綾音さんのzoomのアカウント名が「ぬらりひょんの館」だったことは、今でもとても気になっています。その理由はいまだに謎に包まれたままです)

今回のインタビューの私的おもしろポイントは、
「他の人から見たら不安定な人生でも、自分的には安心感がある」というところ。

「家も仕事もない」という言葉を聞いて、まず最初に明るいイメージが思い浮かぶ人はあまりいらっしゃらないはずです。不安や心配といった、どちらかというとネガティブな感情を浮かべる方が多いかと思います。

ですが、綾音さんにしてみれば、他の人がどう感じていようと、自分のやりたいことをやって、自分の中で、1番自分らしく生きていること、それこそが「安心」だと言うのです。
自分で在ることができているという安心感。
自分で道を開いていくことは、それなりの恐怖を伴うものではあるけれど、その怖さという壁を乗り越えた人だからこそ感じられる安心感なのだなと思いました。

「我が道を突き進む」という言葉がぴったりの綾音さんのこれからの生き様が、どのようにアートされていくのか。楽しみな気持ちでいっぱいです。
綾音さん、ありがとうございました!

というわけで、次回の無名人インタビューもどうぞお楽しみに。

インタビュー担当:toki

編集協力:生きにくい釘

#無名人インタビュー #インタビュー #自己紹介 #20代 #無職

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