クラフト雑記 11/25

今日は、木材磨きからの蝋引き。
磨き候補から抜粋した木材を、ひたすら磨いて8000番まで。これでお休みが丸ごとなくなりました。でも、楽しいから良いのです。

今回は、流木をメインにしてワイン箱端材・リング・テスト品といくつかのジャンルに渡り加工していました。
形が違えば、磨き方も違う。力をどのくらいかけるか・ペーパーの持ち方をどうするか。また、細かく磨くかロングストロークで磨くか。角になる部分は、ペーパーで弾くように磨く。過去のクラフトの記憶と経験を頼りに、また、その時その時で素材の硬さも違うので(木材の含水率で磨き方も変えないと傷がつきやすい)、ひとつひとつ反応と手触りを確認しながら少しずつ。
240番までは磨いてあったので、その後は400→800→1000→2000→4000→8000…と磨き進めてゆきました。

そしてストラップホールをあけて、蝋引き。
ストラップホールを開けるときにも、また気を使わないといけないポイントが。
いきなり大きい径の穴を開けると、穴の周辺が壊れやすい。まずは1mmの穴を開けて、ドリル径を少しずつ上げながら、片側からだけではなく両側から。これもまた、穴の周辺を壊さないためのひと手間なのです。
穴があいたら、今度はルーターを持ち出して穴の内部と穴の角を磨きます。
蝋引きしたときに、穴の内部にささくれがあったりすると蝋が抜けにくい。それを防ぐためにルータービットを径に合わせて換えて、内部の磨き。そのあとは、ルータービットを換えて先端が大きめの球状のビットに。これで穴のの角の磨き。紐や丸カンが角に当たり擦れると、やはり壊れる原因になる。長く良い状態を保つには、壊れないようにしなくてはね。

ここでようやく、蝋引きに移る。
使う蝋は、ハードタイプのソイワックス。コストパフォーマンスに優れ、天然素材由来で、融点は低めだけれど伸びや浸透が良い。これがソフトタイプのソイワックスだと、下手したら体温ですら溶け出します。真夏には使えないアクセサリーになってしまう。それではね。つけたいときにつけられないのは問題でしょう。

蝋引きは、2回。以前は3回していたけれど、2回と3回での差はほぼないことが分かり、今回から2回蝋引きでの仕上げにすることにしました。
蝋引きというよりは、1回目は蝋で揚げる…に近い。130度ほどに熱した蝋のなかに木材を漬け込んで浸透させ、表面だけではない防水を付加する。最初は木材から泡が出てきますが、少しずつ泡が少なくなったタイミングで蝋から上げ、、適当な布(僕は着なくなったワイシャツを細断してこのためのウエスにしています)で拭き上げと磨き。この拭き上げ・磨きが甘いと蝋が表面で固まり凹凸ができるのはもちろん、作成後に何かが擦れた時に蝋が剥がれて白化し見た目を損なう。きちんと拭き上げて、蝋を均等にすること。これ、大事です。

2回目はもう少し低めの温度で、表面に蝋を乗せる感じの仕上げに。こうすることで艶が出て、深みのある仕上がりになります。
なお、この時に使う拭き上げ・磨きの布は不織布に限る。粗い感じのウエスで仕上げ磨きをすると、磨き傷になりやすいのです。これでいくつダメにしたことか…。あれこれ試して、不織布に落ち着きました。フェルト布で仕上げ磨きをすると、フェルトの細かな繊維っぽいのがくっつくことがあるのです。その後磨けばあらかた取れるけれど、そのために磨き工程をひとつ増やすのは余計な手間になるのですよね。

さて、仕上がりはこんな感じ。

流木ベース。蝋引きすると色が濃くなります?
ワイン箱端材ベース。カット面により
色の濃さは変わります。
今回の蝋引き作成一覧。
こんな感じに仕上がりました。


今日はここまでですが、このあと10000番で磨いて…ものによっては油引きと拭き取り磨き、再度10000番で最終磨きをして最後は不織布磨き。
まだ、磨き工程はもう少しあるのです。

そこまでやって、最終チェックのあと紐通しをして完成。
けっこう、いや、かなり手間かかります。でもやっぱりね、妥協したくない。可能な限り突き詰めて、ちゃんとしたものでないと自分が納得できない。中途半端な諦めなど、したくない!

このあと、蝋が入った木材はなおセンシティブになります。磨き傷をつけないよう、なお取扱注意。繊細に、丁寧に。

今回のコレ、仕上がりによっては販売予定です。
最終まで気を抜かず手を抜かず、きっちりと!
僕ができる、数少ないことですからね。できることは最大限に。

さて…おやすみなさい!
仕上がり、また報告しますね。

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