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ドライアイスから炭酸水を作ってみたよ!!

はじめに

こんにちは、無名博士の墓です。

今回からうpした動画のレジュメ的なやつをこっちで製作するという試みをしていきたいと思います。

↓動画
https://www.nicovideo.jp/watch/sm42074131

まあレジュメといっても動画の内容や製作ウラ話的なのをダラダラ書き連ねるだけの予定なので、あまり肩ひじ張らずにお付き合いいただけると幸いです。あと好評だったら今後も続けたいですね(そうでなくとも自分の動画製作関連の備忘録目的で書き続けるかもしれませんが)。

さて、今回の動画はいかがだったでしょうか?

前回前々回に続き、またもやただ何かを混ぜるだけの動画で、そしてまたもや料理動画を標榜していますねw
次こそもうちょっと何というかこう、より料理っぽさのある何かを作りたいところです。

でもまあ、気体を混ぜて溶かす工程があるレシピなんてそうそう無いじゃないですか。だからまあなんというか、これで良いんじゃないかと、私はそう思っています(ホイップクリームみたく空気を混ぜ込む料理はありますが・・・・・・)。


動画の概要

さて、今回の動画ではドライアイスが二酸化炭素の固体であり、常温常圧下では昇華することを活かして、炭酸飲料用のペットボトルで炭酸水を作ってみました(下図)。

図:グラフィカルアブストラクト的なやつ

ドライアイスは固体の二酸化炭素です。
常温常圧下では昇華し、約750倍の体積の二酸化炭素(気体)になります。
炭酸水は二酸化炭素の水溶液です。そして二酸化炭素のような溶媒(水)に対する溶解度の小さい気体は、圧力の高い条件下であればあるほど溶媒に対してたくさん溶けるようになります(ヘンリーの法則)。実際市販の炭酸水は圧力をかけた条件下で二酸化炭素を混ぜることでつくられます。
ということは、水とドライアイスを密閉容器の中で混ぜれば、昇華した二酸化炭素ガスで圧力の高い状態を維持しながら水に二酸化炭素を溶かし込めるので、市販品のような炭酸水ができるのでは?ということで試してみたのが本動画の内容になります。文章でまとめると至って単純ですね。

補足としてヘンリーの法則についてざっくり触れておきます(下図)。

図:炭酸水を例にしたヘンリーの法則のざっくりとした概要図

高校で習った方もいるかと思いますが、ヘンリーの法則とは一定温度・一定量の溶媒において、溶ける気体の体積は決まっている一方で、溶ける気体の物質量は圧力に比例するという法則です。
つまりどれだけ圧縮された気体であろうとそうでなかろうと、溶媒に溶かすことのできる気体の体積は同じなので、圧縮した気体を溶かした方がより濃い気体の溶液ができるよねという話なのです(但し溶媒に対する溶解度の小さい気体に限りますが・・・・・・)。

ドライアイスからの炭酸水の作り方(マテメソ)

材料

水道水(冷蔵庫で冷やしておくと尚良)、炭酸飲料用のペットボトル(500 ml)、ゴム栓(24×20×28 mm)、ドライアイス(今回は大豆くらいの大きさのペレット状のものを3粒使用)

操作

1. 水道水をペットボトルに200~250 ml程度入れた

図:ペットボトルに水を入れる様子

2. ドライアイスを全量入れた

図:ドライアイスを入れる様子


3. 数十秒静置しボトル内に二酸化炭素を充満させた

図:二酸化炭素を充満させたボトルとゴム栓

4. ゴム栓で密閉し、ドライアイスが昇華しきるまで振った

図:ゴム栓を押さえながら振る様子

5. ゴム栓を外してコップに注いだ

図:完成した炭酸水

備考

状況に応じて水やドライアイスの量を変えたり、味見したりすると良いかと思います。
あと事故にはくれぐれも気を付けてください!!特に今回は、安全面の観点から密閉にゴム栓を使用しています。勿論ペットボトルのキャップでも同じ事ができるわけですが、過去にペットボトルにドライアイスを密閉して爆発し、負傷するという事故が報告されていることから、キャップを使うのは正直お勧めしません(「ペットボトル ドライアイス 事故」でググると色々出てきます。中には閲覧注意な文献もあるので要注意)。ゴム栓なら破裂する前にゴム栓が飛び出す(と思われる)ので、多少は危険性が下がったやり方になっているのかなと思います。とはいえ、念のため自分を含めて人のいる方向にゴム栓を向けないようにしましょう。あと低温やけどにも気を付けてください。

まとめ

今回はアイスクリームや冷凍食品のおまけでもらえるドライアイスを使って炭酸水を作ってみました。市販の強炭酸にはさすがに一歩及ばない出来でしたが、炭酸飲料として十分楽しめる程度のものにはなったかなと思います。

今後も何か思いついたら動画と一緒にこちらも投稿していきたいと思います。

図:フローズンヨーグルトと保冷用に貰ったドライアイスで作った炭酸水


ここまでお読みいただきありがとうございます!!

参考文献

伊福 龍哉, 山口 明徳, ペットボトルとドライアイスを用いた炭酸飲料づくり(化学実験虎の巻), 化学と教育, 46, 720-721, (1998)

山田 和樹, ヘンリーの法則まとめ(公式・体積・問題), 東大塾長の理系ラボ
https://rikeilabo.com/henrys-law (2023/04/03閲覧)

日本小児科学会こどもの生活環境改善委員会, No. 84 ドライアイスを充填密封したことにより破裂したペットボトルによる手裂創, 日本小児科学会誌, 123, 1729-1732 (2019)


おまけ編その1:ウラ話的なやつ

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