あれ?コレいいレンズ!MINOLTA AF ZOOM 100-200mm f4.5
MINOLTA AF ZOOM 100-200mm f4.5とは
ミノルタは1985年αショックのα-7000登場後、プロ仕様モデルとしてα-9000を登場させ、その翌年3月α-7000をシンプル化したビギナー向けモデル「α-5000クオーツ」を登場させました
そしてα-5000と同時に登場したのが本レンズです
α-5000はプログラム操作(カメラおまかせモード)がメインで、単なる普及機というより、一眼レフ未経験者をターゲットにした超ビギナー機になります
そして同時に登場した本レンズはいわゆる撒き餌レンズとしての性格が垣間見えます
7群8枚 69.5×94.5mm 375g
最小絞り値f22
最短撮影距離1.9m
フィルター径49mm
当時価格40,000円(ケース2,500円含む)
優秀な先輩レンズの存在
本レンズには上位互換レンズ、通称『茶筒』(MINOLTA AF ZOOM 70-210mm f4)が存在します
レンズの基本性能の目安となる焦点距離、明るさ、倍率ともに本レンズをひと回り上回り、その描写も高評価で界隈では有名な1本です
しかし、視点を変えると本レンズは茶筒より秀逸な点があります
それはコストパフォーマンスと軽量コンパクトさです
茶筒のサイズ
72.5×152mm 695g 62,000円
※本レンズは前述参照
圧倒的に小型なのがわかります
そして画質についての評価は海外レビューサイトを参考にすると、茶筒とほぼ同等の性能と評価されています
本レンズは
・望遠端で歪みが顕著
・100mm付近は少し柔らかい描写
・F/5.6 ~ F8が最も鮮明
海外レビューサイトの結論は、茶筒と比較して「お金、重量、バッグ内のスペースを節約できるレンズ」と評価されています
当時の国内雑誌の評価では
・描写性能は見劣りしない優れた性能
・画面全体にわたり鮮鋭な画像が得られる
・カラー再現も忠実
と解説され、結局のところ何に「見劣りしない」のかと言えば茶筒となります
茶筒を超えるのか?
それなら、茶筒ではなく本レンズを購入!という話にはなりません
このレンズの最大の弱点は最短撮影距離1.9mという点
そして、上位互換レンズがあればそちらを購入するのが人情
実はこのレンズが登場した1986年頃(昭和61年)からバブル景気が始まります
日本企業の経常収益はこの後3年間で倍近くに増え、景気に好循環が生まれ、国民の収入も増加した時期に重なります
参考までに、いわゆる使い捨てカメラと称された「写ルンです」も1986年登場です
好景気と上位互換レンズの存在により、いつしか本レンズはカタログから消えました
ジャンクレンズは一期一会
界隈ではα-7000と同時に登場したMINOLTAレンズは優秀であるという通説があります
本レンズは先述のとおり登場時期がズレていたため、私の収集ラインナップから漏れていました
ジャンク箱を漁っていた際に程度の良い本レンズにめぐり逢い1,100円で救出しました
この頃の一般的なレンズは不人気でジャンク箱や棚の常連となっています
メルカリなどでも安価で数多く出回っています
ゴムローレット形状は初代ミノルタAFレンズ群と同様なので、淡い期待を胸に使用してみたところ、ファインダーを覗いた瞬間、本レンズの素性の良さを感じました
光源が強い被写体でフリンジがでるものの、それ以外は先述の評価どおり、スッキリとして、なかなか気持ち良い描写をします
ジャンク箱の中でも1本1本真摯に向き合うと、本レンズの様に埋もれるジャンクの中から、愛用できる1本と出会えるのです