仏像イラスト紀行5
奈良 東大寺法華堂(三月堂) 国宝 日光仏・月光仏立像
寺院名:東大寺
宗 派:華厳宗
開 基:良弁
創 建:天平17年(745)
住 所:奈良市雑司町406-1
道 順:近鉄「奈良」徒歩15分
URL:TOPページ - 東大寺 (todaiji.or.jp)
仏像名:日光仏・月光仏立像
指 定:国 宝
時 代:天 平
製 法:塑像
製作年:8世紀中頃
法 量:日光仏207.2cm 月光仏204.8cm
現在、東大寺ミュージアムで展示されている日光菩薩・月光菩薩立像です。
元は法華堂本尊の不空羂索観音の脇侍として奉られていました。
塑像の古例としては東大寺戒壇院の四天王像、新薬師寺の十二神将像
が有名ですが、個人的にはこの日光・月光が一番の出来だと思っています。
戒壇院の四天王像と新薬師寺の十二神将像は入江泰吉氏の写真の印象が
あまりにも強すぎて初めて拝観した際には少しがっかりしました。
塑像は造形が容易なので動きが大きくなりがちに感じますが、素材の特性
としてどうしても硬さが出てしまうようです。
この日光仏・月光仏の合掌する姿には静的な美しさがあります。
両像は本尊の不空羂索観音像と材質の違いや法量の違いから、また本来
日光・月光は薬師如来の脇侍であることから一具ではないと言われてきましたが、近年この両像が本来の脇侍で戒壇院の四天王と一具であった可能性が高くなってきました。
では両像の本来の尊名は何であったかと言うことになりますが、梵天と
帝釈天であろうとの説が有力です。
そうなると現在法華堂内に林立する脱活乾漆の巨像群が他所からの客仏
だったことになります。
まさに興味は尽きません。