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Full Circle~出会いと再会~

2021年3月12日(金)16:00。
私が好きな”アイドル”が解散を発表した。

この日は金曜日で、定時まであと30分というところ。夜は友達の家でたこぱをする予定がある。脳内BGMは宇多田ヒカルの「traveling」。♪しーごとーにもせいがでる きーんーんよーぉーのーごーご♪なーんて今週一番の浮かれ気分で、ニヤニヤする顔を一生懸命隠しながら仕事をしていた。こういう時はマスクの存在がありがたい。
そんな時に震えるスマホ。
Yahoo!の速報か。なんだなんだ。また政治のなんかか。
何の気なしに画面を見る。

「V6解散」


思わず「えっ」と声が漏れた。
その瞬間から手の震えが止まらず、気付いたら涙が溢れ出していた。い、いや、言うてもYahoo!の速報だからまだ公式からの発表があるまでは信じないぞ・・・!!!と思い急いでメールの受信フォルダを確認するとファンクラブからのメールも届いていた。V6から”何らかの”発表があるらしい。怖くて内容は見れなかった。でもなんか嫌な予感がする・・・。「まだ仕事中、まだ仕事中」と自分に言い聞かせ平静を装おうとするも、涙は止められなかった。
定時で仕事を終わらせひとまず家に帰り、速攻でファンクラブのページを見る。そこには彼らからの報告があった。文章だけでなく、動画で、彼らの口から、彼らの言葉で、はっきりと「解散」という事実を伝えられた。


私とV6の出会いに「これ」というものはない。彼らは気付いたらもうテレビで活躍していた。私より少しお兄さん世代ではあったものの、だからこそ憧れが強く、しかしどこか親近感の湧くような存在であった。
その頃はまだ「本格的に好き」というレベルではなかったように思う。
CDや雑誌は出れば買うし、V6というかアイドルが出演しているドラマやバラエティーや歌番組がたくさんあって、テレビを点ければいつでも見られるような世代。愛読書が「りぼん・なかよし・Myojo」だったミーハー女子たちは、とにかくアイドル全般が好きだった。近所の商店でMyojoを買い、雑貨屋でアイドルの写真を買い、おまつりの屋台でお気に入りのポスターが当たるまで金を出す。それでも「普通に好き」なのだ。

では私がV6を「本格的に好き」になったのはいつだったのか。

それは2015年の秋頃だった。
認知症を患っていた祖父が寝たきりになり、祖母と母によるつきっきりの介護が必要になった頃。
私は高校を卒業後、趣味の活動で、ある団体に所属していて、自分で言うのもなんだが結構精力的に活動していた。週3~5日は趣味の活動があるため夜は家に居付かず、それ以外の日は友達と遊ぶとか飲みに行くとか、とにかく自由な生活を送っていた。
しかし、祖父の介護が始まり、さすがに自分1人だけ好き勝手しているのも申し訳ないと思った私は、趣味の活動を辞めることにした。もちろん祖父の面倒もしっかり見てあげたかったし、祖母と母の手伝いもしたかったのだが、やっぱり好きで続けていて、もはや生活・人生の一部となっていた活動がなくなるのは、とてもさみしくつらい。活動がない分人と会う機会も減り、心にぽっかりと穴が開いた気分で、とにかく毎日楽しくなかった。

そんな時、WOWOWで図書館戦争を放送しているのを観た。
え、やば、岡田くんかっこよくね?え、え、何これ!アクションやば!堂上教官最高!岡田くん顔面つよ!私も堂上教官とカフェデートしたいよ~うぅ~~~!みたいな変なテンションになったのを鮮明に覚えている。
ちょうどデビュー20周年でベストアルバムが発売されているのを知った私は、岡田くんの声が聴きたいという一心で、とりあえず通常盤を買った。
ジャニーズやAKBグループのCDやDVDが、初回限定盤A、B、通常盤の3形態で発売されるのを「ヲタクたちから金をむしり取る悪徳商法」と考えていて、CDの中身ほとんど変わんないのにそんなに買う意味わからんし!とめちゃくちゃに叩いていた私。数ヶ月後にはまんまとベストアルバムを全形態揃えているので笑う。
今ならわかる。あれ、3形態ぜんっっっぜん違う。初回限定盤の特典映像の尊さったらない。大体は6人でわちゃわちゃしてるんだけど、あれが見れるなら「待ってろV6、金なら出す・・・」となる。
あと通常盤にしか入らない曲があり、アルバムに入るかと思って油断してたらその後全然音沙汰ないとかザラなので、音源として取っておきたいなら買うっきゃないのだ。そしてV6はカップリング曲とかアルバム曲が抜群に素晴らしい。この時点でどちらかを諦めるという選択肢がないというのがヲタクの鏡。

まあそんな感じで、あれよあれよという間にファンクラブに入会。私とV6の空白期間、そして私の心の穴を埋めるかのごとく、独身アラサーの財力総動員で過去のCDやDVDを買い漁り、そして「ラブセン」に課金した。

ラブセン、やってた人わかってくれると思うんだけど、あれはホントにずるいアプリでしたよね?V6と恋出来るってなに?!!
本編もさることながら、サブシナリオとかイベントとか、あんまぁぁぁいのホントに。これ、よくジャニーズ事務所がOKしたな!と思うほど。
ハッピーエンドのために、ボイスゲットのために、可愛い自分(アバター)でいるために、彼(V6)をお洒落させるために、貢ぎに貢いでいた。おかげさまで愛が深まりましたけどね。


これが私とV6の出会いと再会。心に空いた穴を埋めるどころかむしろ沼に引きずり込まれている。しかしそのおかげで私の世界は色付いたし輝いたし、大袈裟かもしれないけど明日を生きるための希望というか人生の活力みたいなものを得たように思う。

私の生きる希望になったV6の解散は心から悲しいし悔しいし寂しい。でも彼らが出した結論なら受け止めたいし、6人の男たちの門出を応援したい。今私に出来ることは、11/1まで一生懸命応援すること、そして与えてくれたものを楽しみ尽くすことだと思っている。最後だけど最後じゃない。これはきっと通過点。なぜならまだまだV6は進化し続けているから。
今はそんな気持ち。
こんなこと言ってるけど、きっと11/1以降は廃人になる予感がしている。でも大丈夫。私たちには「V-Land」という極楽浄土が待っている(笑)
きっとV6は、私たち以上にファンのことをわかってくれているんだな。そんなところが好きだな。

そんな素敵なV6が、11/1まで楽しく駆け抜けられますように。


あれ、ちょっと待って。

もしかしたら沼の原因、ラブセンかもしれない説あるな・・・(笑)



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