昔開発に携わった汎用コンピューターのパッケージソフト開発
皆さん、こんにちには。ユニゾンシステムズ システムサービス部所属のTYです。私がIT企業に入社した40年ほど前はパーソナルコンピューター(パソコン)が登場した頃で、まだ一般には認知されていませんでした。
当時のパソコンはCPUが8ビット(メモリは64KB)→16ビット→32ビットに進化していきますが、業務用の端末と言えばオフィスコンピューター(オフコン)が主流でした。
ちなみに、パソコンが登場した頃の外部記憶媒体はカセットテープで、その後フロッピーディスク(8インチ→5インチ→3.5インチに進化)が記憶媒体の主流(最大容量が1.44MB)となっていました。
今のようにUSBメモリやSSDで容量の単位がGBとは比較できないくらいの差がありました。このオフコンを束ねて業務システムを動かしていたのが、汎用コンピューター(メインフレーム)と言われるものになります。
今回は私が前職で開発に携わったメインフレームのパッケージソフト開発について紹介したいと思います。
開発したパッケージソフトとは
現在はインターネットを経由することで遠隔地にあるサーバーやパソコンにリモートログインして操作することが可能ですが、私が入社した当時はインターネットのようなグローバルネットワークは存在せず、メインフレームが親となって端末を束ねる閉じた世界でした。
そのため、複数のメインフレームを保有している会社は、各メインフレームに接続されている端末を使用して業務を行う必要があったため、使用するメインフレーム台数が増えると接続端末台数も増え、端末を設置するスペースを確保する必要がありました。
また、遠隔地の事務所にあるメインフレーム上で業務を行う必要がある場合は、業務で必要となる端末台数分の回線をNTT(当時は電電公社)から専用回線として契約する必要があり、顧客規模が大きくなると回線費用も高額になっていました。
そこで、主に使用するメインフレームと接続したいメインフレームの間に1本の専用回線を契約するだけで、主メインフレーム配下の複数端末から他所のメインフレームへ接続してリモート操作を可能とするパッケージソフトを開発することになりました。
これにより、端末台数と契約する専用回線数を大幅に節約できるメリットがありました。そのため、パッケージソフトの中では結構売れ筋になっており、国内外からの問い合わせも頻繁に受け付けていました。
大規模ユーザ向けの新パッケージ開発
当初は中規模ユーザ向けメインフレームに対して開発を行っていましたが、大規模ユーザ向けメインフレームを使用している重要顧客から開発要望が高まったことにより、大規模ユーザ向けのパッケージソフト開発が決まりました。
ネットワークに関する設計思想が中規模ユーザ向けとは全く異なっており、解説書や有識者が存在していない状態から開発が始まりました。また、社内に大規模ユーザ向けメインフレームがなかったため、実環境で動作を事前に確認することができませんでした。
そのため、手探り状態で設計~製造を行った結果、実機を使用したテストでログイン直後のメニュー画面を表示するまでに1か月もかかってしまう事態となりました。その後もネットワークへアクセスする都度、想定通りに動作せずテストを中断しては対策を講じていたため、開発スケジュールが大幅に遅延してしまい、リリースを年単位に延期せざるを得ませんでした。
しかし、難産の末にリリースしたパッケージソフトは、開発要望が来ていた大規模顧客の基幹業務の一つとして利用していただくことになり、苦労は報われたと感じています。
後日談
とある重要顧客にて、このパッケージで障害が発生して業務停止してしまった時には、発送手続きが滞ったことにより広大な製鉄工場(正門からコンピュータールームまで車で移動)の外周を搬出用トラックが囲んでしまいました。この時は、近隣住民からお客様に猛抗議があり相当ご迷惑をかけてしまいました。今であれば近隣住民への謝罪(お見舞金)やお客様への賠償問題に発展していたかと思います。
この障害が発生した後の対応として、メインフレームのOSやネットワークの開発責任者と共にこの工場へ謝罪訪問しましたが、開発部門から人が来たことが特別であったために顧客側の責任者には歓迎していただき、白衣・ヘルメット・安全靴を借用して工場見学をさせていただきました。
その見学の中で端末の入出力媒体として紙テープを使用しているものがあり、実業務で使用されていることに驚いたことを鮮明に覚えています。
まとめ
1件のバグで多方面に迷惑を掛けてしまうことになり、パッケージソフト開発における品質保証の難しさを感じると同時に、より高品質を目指すことを考えるきっかけになりました。
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