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大学授業一歩前(第7講)
はじめに
今回はアカデミズムの入り口に立つ先生として、予備校の英語・小論文講師である山添玉基先生に記事を作成していただきました。お忙し中のご協力ありがとうございました。この場を借りてお礼申し上げます。それでは第7講の開講です。今回はどんな内容になるのか?!いってみましょう!!
プロフィール
Q:ご自身のプロフィールを教えてください。
A:大学受験予備校講師(英語・小論文)・著述業・社会学修士・役者の卵。
オススメの過ごし方
Q:現状時間が多くある大学生へのオススメの過ごし方を教えてください。
A:物理学者のニュートンは,ケンブリッジ大学在学中,ペストの流行で大学が休校となったため実家に戻って1年半を過ごし,そこで後の様々な業績につながる発想を得ます。この休暇は「創造的休暇」と呼ばれることになりました。私たちも,この時間を自分の教養を深める「創造的休暇」ととらえ,何か一つだけでも,普段できないことやこれまでしてこなかったことに挑戦してみましょう。本を読む,映画を観る,音楽を聴く,外国語を学ぶ,料理を学ぶ,楽器を始める,など何でも構いません。
必須の能力
Q:大学生に必須の能力をどのように考えますか。
A:(a) 知的好奇心:どんなことにでも興味を持ち,面白がり,調べてみること。 (b) 社会学的想像力(社会学者ミルズのことば):ある現象や行為の背後にある仕組みや経緯に想像を巡らせること。 (c) 「わかりやすさ」に抵抗する力:「わかった」というのは,そこで思考を止めてしまうことです。「わからない」ということは,考え続けている証です。表面的な「わかりやすさ」に惑わされず,「わからない」ことを恐れずに考え続けましょう。
学ぶ意義
Q:学ぶ意義を先生はどのようにお考えますか。
A:「学び」とは「遊び」です。社会学者のマックス・ウェーバーが区分した人間の行為の類型の一つに「価値合理的行為」(他の目的のために行うのではなく,その行為を行うこと自体に価値がある行為)ということばがあります。「遊び」は価値合理的行為であり,「学び」も「遊び」と同様に,価値合理的行為なのです。
オススメの一冊
Q:この時期にこそ読んでほしい一冊を教えてください。
A:ノンフィクションなら,沢木耕太郎『深夜特急』。画像は沢木耕太郎著『深夜特急1』(新潮文庫)です。
A:フィクションなら,遠藤周作『おバカさん』。 画像は遠藤周作著『P+D BOOKS おバカさん』(小学館)です。
メッセージ
Q:学生へのメッセージをお願いします。
A:「こんなことを学んで何の役に立つの?」などと考えず,自分の興味のおもむくまま,どんなことでも貪欲に吸収してください。役に立つかどうかなんて,実際,その時が来てみないとわかりませんし,「役に立たないだろう」と思っていたことが後から役に立つこともあります。講義の選択も「単位がとりやすい/とりにくい」という周囲の評判に関係なく,自分が面白いと思った講義を受講してください。
おわりに
お忙しい中、山添先生記事の作成ありがとうございました。
今の暇な時間を活かすも、殺すも自分次第です。(私自身へちゃんとした生活をしなくては......。)今だからこそできることを積み重ねることで思わぬ時に、役に立つことがあるかもしれませんね!!それでは次回の講義も楽しみにしていてください。次回は5月22日の投稿予定です!!