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大学授業一歩前(第42講)
はじめに
今回はなんとYoutuberの方に記事を書いて頂きました!!
https://www.youtube.com/channel/UCs-IgJ65uvVGOBX07CWz_Mg
哲学youtuberのネオ高等遊民様に記事を書いて頂きました!!お忙しい中の作成誠にありがとうございました。
プロフィール
Q:プロフィールを教えてください。
A:2018年から哲学 YouTuber をやっています。それ以前は大学院に進学して、哲学の修士号を持っています。当時の専攻はギリシア哲学です。
YouTube の活動と並行してTwitterやnoteのサークル機能を利用した読書会サークルを開催しています。100人程度のメンバーが参加しており、ほぼ毎日何かしら Zoom にてオンラインの読書会や勉強会を開催しています。
オススメの過ごし方
Q:大学生にオススメの過ごし方を教えてください。
A:授業の空き時間などには図書館に足を運んでください。どこにどんな本があるのか、覚えましょう。文学はどこに、哲学はどこに、文庫や新書はどこに、辞典はどこに、といった具合です。大学生の特権のひとつは、学術書が充実した図書館が自分がふだん時間を過ごす場所にあることです。
そんなことを半年~1年も続ければ、そのうち背表紙に書かれている3桁+小数点の番号に目がいくようになり、共通点を発見するでしょう。文学の棚には900番台がふってあり、しかもほぼ数字順に並んでいる、などと。それが「日本十進分類法」という、これはおおざっぱにいえば、図書館で本を並べるルールです。このルールをほんの少し覚えておくと、自分の読んでみたい本が大体どのあたりにありそうなのか、勘が働くようになります。そうすれば、あるテーマについて知りたい時に、ただパソコンで検索するだけではなく、パソコンでは検索できない本も見つけられるでしょう。(単純な例で考えると、検索したキーワードが本のタイトルになければ、検索結果には出てきませんからね。)目当ての本が見つかる喜び、良さげな本が見つかる喜びを体験してください。
必須の能力
Q:大学生に必須の能力をどのようなものだとお考えになりますか?
A:一人で調べ物ができる能力が必須かと思います。これは大学生活のみに限らず、これから社会に出てもう一度勉強し直したいと思った時にも必要な能力です。一人で調べものができないならば、勉強をし直すことさえできません。私のつたない経験から言って、大学1~2年生にある程度自由な調べものをさせると、参考文献が今一つよろしくないことが多いです。たとえば時間について自由に調べてもらうと、参考文献に時間の有効な使い方といったビジネス書を挙げたりします。あるいは、ニーチェについて調べましたというと、学者が書いた本ではなく、図解ニーチェのような本を主要な参考文献に使ってしまったりします。これはどういうことかというと、参考文献としての価値判断ができていない状態です。例えるなら、知らない貨幣を見て、それがいくらの値段なのかよくわからない、という状態です。500円のものを5000円と間違えたり、10000円を100円と間違えたり。こうした調べものをする能力=適切な参考文献を発見・参照する能力を養うことが大切です。ではその能力をいかに養うのか。じつは大学生ならば自然と身につく能力です。授業を受け、課題に取り組み、教員から指導を受ける。このプロセスが、調べものをする能力に直結します。なので、特別なことをするのではなく、大学生がやるべきことをまじめにやるだけでOKです。その過程で、図書館の活用なども必然的に必要となります。どう活用するかは、さきほどの段落で述べたとおりです。
学ぶ意義
Q:学ぶ意義は何でしょうか。
A:学ぶ意義はご自身で発見するものです。
オススメの一冊
Q:オススメの一冊を教えてください。
A:特に外部で必要な本はありません。必要なものは、すべて大学生をとりまく環境のうちにそろっています。授業を聞き、質問をしましょう。
もし哲学科ではないけど哲学に関心のある方は、私の動画を見てくだされば幸いです。現時点では「高卒で就職。でも哲学を学びたい。働きながら独学するには?」という動画が、初学者が最初にどんな本を読むべきかを説明しているので、いいかもしれません。
メッセージ
Q:学生へのメッセージをお願いします。
A:大学生の皆様は、金もなければ時間もない。しかもたいへん忙しい。やりたいことも特にないまま、やるべき事に日々追われる。正直、労働者と全く変わらない環境にあると思います。学生と労働者で違うことがあるとすれば、びっくりするほど高いお金を払っているか、貧しく生きられる程度のわずかなお金をもらっているかです。これを読んでいる学生の方にも、どうせそんな運命が待っています。わたしは小学生のころ、早く大人になりたいと思っていました。大人になれば、好きなことを自由にできると思っていたのです。しかし、同じことの繰り返しです。子供は家族や学校に強制され、大人は周囲の人間や会社に強制されます。そんな面白いことなど何一つなさそうな私たちの平凡な人生の中で、少しでも楽しみや豊かさを発掘しうるとすれば、そのひとつは「良さげな本を見つける能力」です。本でなくてもいいのですが、自分が何を考えているのか、どんなことを問題にしたいのか、どんなふうに生きたいのか、を生涯をかけて見つけていってほしいです。そのための最初の基礎訓練が、大学生活であると思います。
むろん、これまで大学生活をいい加減に過ごしてしまった方でも、希望の根が絶たれたわけではありません。図書館や指導などの環境はすぐ近くにはありませんが、ある程度は自分で用意することが可能です。
もし哲学に関心があれば、私の読書会サークルなどもその一つになりうるかもしれません。
これまで読んだ哲学書は、プラトン『国家』アリストテレス『ニコマコス倫理学』セネカ『人生の短さについて』といった古代哲学を始めとして、ほかにも各参加者が有志で、スピノザ『エチカ』やライプニッツ『モナドロジー』などの読書会を主催していただいてます。また、ギリシア悲劇の購読やダンテや太宰治、聖書などといった、哲学に限らない、文学も含めた幅広い読書会を開いています。もし関心があれば、下記の案内ページをのぞいてみてください。noteというサイトに移ります。学生の方も、一般の方も参加可能です。
https://note.com/kotoyumin/circle
おわりに
今回は哲学Youtuberのネオ高等遊民様に記事を書いて頂きました。お忙しい中の作成ありがとうございました。
https://twitter.com/MNeeton?s=20
👆はネオ高等遊民様のTwitterアカウントになります。
以前から友人と一緒に哲学のYoutuberがいるらしいから見てみよう!!と動画を拝見していました。まさかそのご本人に記事を書いて頂けると本当にありがとうございました。
学ぶ意義はご自身で発見するものです。
この言葉は私にも響きました。この答えを探す過程そのものが学ぶ意義なのかしれませんし、そもそも意義などというかしこまったものは無く、楽しいから学ぶのかもしれません。私もまた答えを探す旅に行きます笑 次回もお楽しみに!!