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大学授業一歩前(第58講)
はじめに
今回は沖縄県那覇市でリベラ進学塾の講師の方に記事を書いて頂きました。お忙しい中作成して頂きありがとうございました。第58講開講です!
プロフィール
Q:ご自身のプロフィールを教えてください。
A:沖縄県那覇市でリベラ進学塾という中学受験専門塾を経営している塾講師です。
今年の3月に開校したばかりで、生徒数も少なく、合格実績などありません。いまは弱小塾ですが、いずれ私たちの教育理念に賛同していただける保護者の方々が数多くなることを期待しながら、運営しています。
必須の能力
Q:大学生にとって必須の能力をどのようなものだとお考えになりますか。
A:「知」に対して図々しくあることです。大学に入り本格的に学問の扉を開けると人類が積み上げてきた膨大な「知」の前に立たされて、身動きが取れなくなることもあるでしょう。それでも、少しでも多く触れようと果敢に挑戦していくことです。「多くの凡人には所詮その程度のことしかできない」と割り切りながらも、図々しくあることが大事です。その図々しさは、逆説的ではありますが、必ず人々の「知」に貢献します。学部や学科を問いません。全ては、「知」に対する欲求とその態度です。勇気を持つことです。
オススメの過ごし方
Q:オススメの過ごし方を教えてください。
A:多読はもちろん大事です。多読しながらも、一冊の本を精読、熟読しましょう。もしその本の原典が外国語であれば、時間をかけてじっくりと外国語で読むことをオススメします。私も大学生の頃は原書講読に多くの時間を費やしました。丁寧に読み、時間をかけて考えることを徹底させられました。このコロナ禍で巣ごもり生活を強いられる中、これはいいチャンスだと思い、二十数年ぶりに学生時代に読んだカントの『神の存在の唯一可能な証明根拠』を日本語訳で読んでみました。さすがにもうドイツ語では読めませんので、そこはご容赦いただきたいのですが。驚くことに、すんなり入ってきたのです。大学生のときに、じっくりと時間をかけて読んだ書物は必ず自身の血肉となって、その先何十年も自分自身の中に蓄積しています。
学ぶ意義
Q:先生にとっての学ぶ意義を教えてください。
A:「学ぶ意義とは?」と問われると答えに窮するものがあります。その問いに対する戸惑いと密接に関わっているだろう問いが「生きる意味とは?」という問いです。「学ぶ」ことも「生きる」ことも原初的な活動の繰り返しで、どこまでも拡張できることだからかもしれません。ただ、その両方において最終的な目的は「自由」と関係していると思っています。つまり、ざっくりと綿密さを欠けた言い方をすると、学ぶことと生きることはほとんど同義であり、それらは自由を要求しているということです。
オススメの一冊
Q:オススメの一冊を教えてください。
A:永井均『〈子ども〉のための哲学』講談社現代新書
A:一冊ではないですが、『現代思想2020年9月臨時増刊号 総特集=コロナ時代を生きるための60冊』をオススメします。玉城ティナさんの寄稿文を是非読んでいただきたいです。
メッセージ
Q:メッセージをお願いします。
A:実益ばかりに目を向けてはいけません。費用対効果ばかり考えてはいけません。
それはつまらない大人になるスタートですよ。思い切ってコスパ脳を捨てましょう。
おわりに
今回は沖縄県那覇市でリベラ進学塾の講師の方に記事を書いて頂きました。お忙しい中作成して頂きありがとうございました。
実益ばかりに目を向けてはいけません。費用対効果ばかり考えてはいけません。
今は無駄に見えることや、つまらないことが将来的に役に立つこともあります。現在の快楽だけを考える短絡的な思考に陥らないように私も気を付けたいと思います。次回も楽しみに!!