目標は肯定文で具体的がオススメ
「ぶれない自分になりたいんです」
「対立しないように伝えたいんです」
それ、強く願えば願うほど、ぶれるし、対立します。
ここに3人います。
Aさん、Bさん、Cさんとします。
Aさんからの依頼でBさん作る人、Cさん運ぶ人です。
Aさん発注元。AさんBさん間、AさんCさん間には契約関係はありますが、BさんとCさんの間には契約関係ありません。
Aさんを介した並列関係ですが、仕事はBさん先行、Cさんはそれを受ける存在です。
Bさんは緊急出荷の時に何度か誤った情報を伝えてきます。その度ほぼCさんが「これおかしくないですか」とチェックして誤出荷を水際で止めました。
勿論それはCさんの本来の役割・機能ではありません。Bさんが製造者からの情報を確認していないからなのか、製造者がそもそも勘違いして情報発信しているのか、原因はそのときどきですがこれが起きるとCさんの作業は増え、遅れます。
チェックの結果、Bさんへの事実確認とその回答を待ち、再準備、Cさんのメンバーは、Bさんが正しい情報を提供していればやらないで済んだ手間と時間を消費します。
誤出荷してAさんのお客様に迷惑をかけるよりかはマシですが、Aさんへの報告には誤出荷防止対応も含まれた時間となりコスト増です。
このように生産性や品質を最適に仕事をすることにも影響がでます。
Bさんの情報精度を改善して欲しいとCさんは今までも何度か三者ミーティングの場で依頼してきましたし、AさんもCさんへ注意喚起してます。
今日またBさんから緊急出荷情報が入り、Bさんが確認したところ、対象を取り違えた情報だったことがわかりました。
Cさんに話を聞くと、幸い我々で検知できたのでBさんに修正確認ができたが、今後のために次回三者ミーティングで申し入れしようと思う、とのこと。
なにを話すつもりなのかと問うと、口ごもってしまいました。
「あんまり強くいうと、反発されて、そっちもいろいろできていないと言われて対立になるのがいやなんだけど、なんといっていいか」「軸がぶれてて定まらない」と泳ぐ目。
別に事実としてCさんは必要以上に手間かかったし、今後も毎回あれこれチェックして時間を使わないといけないような情報の提供は勘弁してくださいとか、Bさんで正しい情報であることを確認してから提供してくださいとか、事実に基づいたお願いをすればいいだけなのでは?と尋ねてみます。
「いやー言い方間違ったら対立になると思うと、どう言っていいかわからない。いいかた~ですよね」と一人問答。
これはテクニックという正解があると思っている様子。
伝えるの本質はテクニックにあらず。です。
なにを伝えたいのか。
誰に伝えたいのか。
どのような結果や行動を得たいのか。
この最低3つのことがないと、伝え方だけ考えたって永久に伝わりません。
伝えるテクニックやメソッドやフォーマットなんて履いて捨てるほどある情報過多社会。
目的や状況に応じて選択するしかないし、単一の絶対正解みたいなものはないのが人間世界。
そこを伝えたいこともターゲットもゴールもはっきりしないまま、正解を求めてさまようとは、難破船状態。
少し、伝える自分のありたい姿をきいてみました。
「ぶれない自分」・・・思いっきり否定形。
脳には「ない」は届かない。ぶれないぶれない・・・呪文のように願えば願うほど、ぶれていくのです。
「それってどういうこと?」
どんなときも落ち着いて自分の考えを持ち続けること?
誰かに何を言われても、自信がある状態であるってこと?
「芯があるっていうか・・・」
芯がある自分になりたいんだね。それって例えば?具体的には?
「自分の考えを説明できて、周りからも聞いてもらえて・・・」
もう少し深掘りできそうだけど、新しい考えの枠組みに慣れるには時間が必要そうな雰囲気なので、残りはまた考えてもらうことにしました。
「対立しない」・・・これも対立が前提。
話をすること=対立を生む、の式がプレインストールされている思考。
「それってどういうこと?」
「今、割と協力的な関係に来ているので、壊したくないんです。」
「協力関係を構築して維持したいってこと?」
「まぁ、そうです」
「今までBさんと話して、対立したことはあったの?」
「ないです。一度も。。。。だから・・・」
「協力してください、って依頼するための話なんだよね。何を遠慮することがあるの?」
「んーーー、言いかたを間違えると対立するんじゃないかと思って」
言いかたは二の次。
A・B・Cの共通ゴールを共有し、事実に基づき、依頼するだけ、それだけの事なのです。
大事なのは骨子・趣旨。
Bさんの誤った情報発信があると、こちらも混乱するし、困っているのだということを説明して、相手の理解・共感を引き出して、正しい情報の提供を依頼するということ。
協力関係の再構築も可能にします。
肯定文で具体的な目標の枠組みがなんとなくわかった雰囲気になりました。
続きは来週の三者ミーティングの実践(実験)で検証していくことになりそうです。