どんなプレゼンでもステートが大事
他人のフリ見て我がフリ直せ、というわけでもないが、とある説明会に聴衆として参加。
100席ほどの広い会議室に集められたわれわれ聴衆。
説明ビデオの視聴と、配布された冊子を使ってのメインテーマ終了後、プレゼンターが変わり、注意事項が伝えられる。これで終わりかと思いきや、また人が変わり、入場時に渡された封筒についてお役所からの通達が始まった。
この最後に出てきた方、50代後半かそれ以上にも見える男性。説明アジェンダの投影もなく、いきなりマイクを持って始まった。
まず、手元のメモをず~っと見て話すのみ。正確に記載を読み上げることのみに専念しているようで、その間一切聴衆をみない。
封筒から取り出した資料をわれわれへ示す時のみ、紙を掲げながら聴衆をみるがそれも一瞬。どの紙のことか聴衆にはさっぱりわからなそうだが、聴衆もほぼ下を向いたまま、人によってはスマホをみながらなのである意味問題ないのかもしれない。
3つか4つほど伝えたいことがあったようだが、完全に一方通行劇場。
こちらには一切話の内容が耳に入ってこない。余りにも話がから滑りする空気が漂う会議室。
この内容を話すなら代わりに自分があの場に立って、聴衆の関心を惹きつけつつ一体感を持ってプレゼンできるんじゃないか、などと妄想。
今前に立って話をしているあの人は、普段デスクワークだけやっているけど、こういう説明会は順番で行って話してくるというルールでまわってきた当番を作業としてやっているのかも。それならば、伝わるように話すということよりも、決まったことは全部話してくる、という目的(ゴール)でいるのかもしれないなぁ、とか。
前に立つあの人は自分を透明人間か何かにして、話をしているのかもしれない。毎回同じ内容であれば、あらかじめ視覚的にも聴覚的にも整えられた動画を作って、聴衆へ視聴させるほうが大事なことが何倍も伝わりそうだ。
動画作成の予算や時間といったお役所の課題があるのであれば、個人の資質に委ねられた丸投げ状態は聞き手・話し手ともの貴重な時間がもったいない。せめて、課題認識化されれば、プレゼンターの方にはプレゼンの心構えも含めた伝え方・話し方を外部講師や内部の知見者がトレーニングするとかのムーブメントは生まれるのだろうか。
こうして日本の貴重な労働力が使われていくのだな、としみじみ会場をあとにした雇用保険説明会だった。