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買い物に行く豊かな時間とは
予定がない休日。
のんびり過ごして朝昼兼ねた食事をした後の昼下がり。
冷蔵庫も空っぽで夕食の買い出しには、温かい日中に行っておきたい。
なんとなく午後3時前後には行っておきたいところだ。
昼寝中の夫の横には、昼前に起きてからずっとスマホでYouTube・Twitter漬けのJKがいる。
「買い物一緒に行かない?」
平日はほぼ家から出ない不登校JK、散歩代わりに買い出しに誘った。行かないかなぁ、そのときは潔く諦めよう。
「行くぅ」さらっと返事が返ってきた。
駅前のスーパーまで、二人で買い物に行くことに決まった。
「今夜具沢山の豚汁どうかなぁって思っているんだけど」
「あ〜、うん、豚汁がいい」
意外とあっさり決まった。後は肉を焼いて、レタス。
スーパーでは里芋入れるかとか、キノコ嫌いJKにスライスした椎茸を入れる交渉してみたりと、他愛のない会話をする。たくさん買ったので袋が三つになり、重いやつをJKが持ち、残りはわたし。
パン屋さんに塩パンを探して買い、スタバで新メニューをチェックして帰る。
帰り道は夕陽が差す遊歩道を二人で歩く。ネギとゴボウが長くはみ出した袋を手に下げて。
「髪の毛短くしたいな」
「美容院の予約そろそろ入れたらいいかもね」
「マミーの方も予約入れたほうがいいんじゃない?」
ごもっともで。
こんなのどかに子供と買い物に行く、平日は仕事の帰りに一人で買い物するのがせいぜいだから、休日のスペシャルといえばスペシャル。
しかも子供が食材で重い袋を持って、力を貸してくれている。実に嬉しい成長だ。
昔話、わたしが中学生の時、スーパーのパートをしていた母は上がる時間になると、買い物を取りに来てとよく電話をかけてきた。
食べ盛り三人の子供のために、たくさんの食料が入った袋。一番年上のわたしが取りに行き、両手がちぎれそうに重い量の袋を持って、二人で歩いて帰ってきていた。
日常と思っていた、親の買い物を手伝って帰る時間。
今自分の子供と過ごすそれは、なんだか貴重な豊かな時間。こんな接点をの積み重ねも、そのうち懐かしい思い出になる。
健康で笑顔で、こうした一緒の時間を過ごせることに、感謝だ。
明日は節分、その翌日は立春。
春はそこまできている。
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