当たり前のようで稀な自然の色、緑
皆様こんにちは
日本ユニバーサルカラー協会代表理事・色彩専門家の 南 涼子です
今回のテーマは自然界における「緑」についてです。
以前「ユニバーサルカラーセミナー」というセミナーが、A・F・Tの主催で開催され参加したところ、講師をされていた、神奈川大学人間科学部人間科学科教授の三星宗雄先生にご挨拶させていただく機会がありました
三星先生は長年色覚の研究をされており、色彩心理はもちろん、最近ではアマゾンの色彩など環境、景観の色彩についての著書(環境色彩学の基礎 )や、論文を多く発表されています。
かなり前のことになりますが、研究室にお邪魔したところ、大変ためになるお話を伺い、論文など貴重な資料を頂戴しました。
その中で私がひときわ関心を持ったのが、閉じ込められた色:緑-自然の色彩の測色データおよび色名による分析- という論文です
論文によれば、私たちが普段目にしている木々や葉の色は「緑」という色として認識されているが、実際に測色してみるとその分布はほぼ「黄緑」のカテゴリに属しており、実際の純粋な緑は実は非常に限られた時間と場所に存在することが確認されています。
つまり緑は自然界の中であたりまえのように存在すると考えられながらも、極めて稀な色であるということです。
とても興味深く、色の根底について考えさせられる内容でした。
写真はバリのライステラスで撮影したものです。
引用参考資料:「閉じ込められた色:緑~自然の色彩の測色データおよび色名による分析~」(人文研究 第124集 1995.9 三星宗雄著)より
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