大学生インタビュー② ちなつ
今回は、九州大学教育学部の2年生のちなつさんのインタビューを掲載します。いろんな活動に飛び込んでいるちなつさんの考え方や想いについて、熱く語っていただきました、、!
“教員にならない” 教育学部
ー教育学部とのことですが、将来は先生になりたいと思っているのですか?
いや、そうではないです。九州大学教育学部は教員養成が目的ではないので、ここを卒業したからといって教員免許が取れるわけではないです。教員免許の取得には、卒業に必要な単位に上乗せで習得に必要な単位を取らなければなりません。
ー教員養成系ではない教育学部では、どんな勉強をしているのですか?
教育について幅広く学んでいるのですが、特に社会教育やまちづくり、公民館、地域と学校の連携について学んでいます。公民館へのフィールドワークに行ったり、社会教育の歴史について学んだりしています。
ーどうして九州大学の教育学部を選んだんですか?
もともと先生になろうと考えていたのですが、教育について調べているうちに、本当にやりたいことが教師なのかと迷うようになりました。そんななか九大のオープンキャンパスに参加し、教育の幅広さについて知った結果、ここだったら大学4年間のうちに自分にあった道が見つかるかもしれないと思ったのです。
ー教育のどのような問題に関心があるのですか?
「子どもの地域離れ」です。私が小学生の時はみんな地域の子ども会に入って、年上の子が年下の子の面倒を見るというのが当たり前で、地域の行事に参加し、通学路を歩いている人がだいたいみんな顔見知りだったのですが、私の妹が小学生になるころには、そういう状況が大きく変わっていました。新興住宅が増え、子ども会に入らない家庭も多くなり、地域の教育力が生かされないことにもったいなさを感じるようになりました。いわゆるブラック部活や総合的な学習の時間の問題なども、地域と学校の連携によって解決できるのではないかと考えています。
行動することで学んでいく
ー大学生活のなかでどういった活動をされているのですか?
いろんなことに踏み込んでいくのを心がけています。教育に関する組織でインターンをして、民間から教育に関わる人を見たり、学校の授業の一環で教育行政にインターンに行ったりしました。また、塾で働くことで、自分が教育をする立場になることもあります。いろんな場所に出向き、いろんな人と出会い、いろんな授業を受け、それぞれを結び付けながら、自分の進路について考えています。
ー行動することで学べるものがあるんですか?
実際にいろんなところに入ってみないと、自分にとって何が必要で何がそうでないかを知ることができないと思います。また、入った先でさらに別の場所へとつながることもあります。私自身も知り合いと知り合いをつなげながら何か面白いことをやってみたりすることもあります。
最初は学生なので、いろんな話を聞かせてもらってる立場だったのですが、最近は、自分がこういうことをやりたいと言っているうちに、「じゃあこういうプロジェクトを作ってくれない?」と言ってもらえるようになりました。学生ならではの発想や大胆さというものを大人も求めているんだと思います。学生だからこそ協力するよと言ってもらえる大人の人もいて、自分がそういう人たちの間に立つことで大人同士がつながることもあります。
ー踏み込む勇気はどうしたら湧いてくるのですか?
訓練だと思います。最初は、大人の人にアポ電をかけるなんて緊張しますし、メールの打ち方や名詞の渡し方、綺麗な言葉遣いも分からないと思います。もちろん、学生だからといってなんでも許されるわけではないですし、最低限の礼儀は必要ですが、一方で例えば秘書なりにやれというわけでもありません。現場に出て行ってやっていればだんだん上手くなりますし、やりながら身に付ければいいと思います。座学で学んでから、極めてから出て行こうと思っても、それには際限がありません。
あとは、今まで学校教育の中でいろいろ背中を押してくれた先生や、私が思っていることを口にすることを後押ししてくれた存在がいたことも大きいと思います。だからこそ、そうやって私が今まで受けてきたものを、教育という分野で、今度は自分の次の世代に与えたいと思っています。