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【イベントレポート】自分らしい教育を見つける会Vol.1
本日は、2/28に開催したイベント「自分らしい教育を見つける会Vol.1」についてレポートを書きたいと思います!
初めに、私たちがこのイベント開催に至った背景をお話しします。
私たちが、VISION(自分の選択が自分を幸せにする社会)を実現するために大事しにしている想いとして、進路選択の岐路に立つ高校生に多様な選択肢を与え、今見えている世界に揺らぎを作る、という考え方があります。
最終的に届けたい相手は高校生なのですが、その手段として私たちが今すぐにできることは、同じように揺らぎ、自分の人生を模索し続けている大学生のありのままの姿を伝えることだと感じています。
そのため、高校生に揺らぎを与えるため、大学生の協力が必要不可欠です。今回のイベントは、そんな大学生を対象にして、なにか揺らぎを作ることができないか、という想いで企画を進めてきました。
多様な立場から「教育」に関わる4名のゲストスピーカーと、10名以上のみなさんにご参加頂きました🌈
ありがとうございました!!!
では早速、レポートの方に入っていきたいと思います✨
ゲストスピーカー1人目:森本瑛さん(一般社団法人ハッシャダイソーシャルの一員としてキャリア支援を実施)
見えない、聞こえないは選べない、という想いから、キャリア選択インタビューを行ってnoteで発信している。
自分の見ている世界しか知らなかった。先輩から掛けられた「瑛が見ている景色と僕が見ている景色は意外と違うよね」という言葉。ここで多くの選択肢を自分から探すようになった。
自分から探したり、行動に移すことって難しいけれど、例えばSNSのフォローを変えてみるだけでもキャリアの選択肢の範囲が広がると感じている。
Q.4月からの新しいステップとして、様々な選択肢がある中で最終的に教員を選んだきっかけは?
A.就職活動が上手くいかなかった時、自分の言葉で話せていない自分に気が付いた。自己分析をしてみると、「人の可能性に対して自分自身がアプローチしたい」という想いがあり、いずれ通るだろうと考えられる教員をまず選んだ。
Q.瑛さんが目指している「教育」とは?
A.生き生きと自分らしさを発揮できる社会を作って、子供たちが勉強したいと思える動機づけをしたい。
教員はブラック、ということもよく耳にするけれど、そのせいか教員に興味があっても制度を変える側に回る人もいると感じている。自分は、中に入って体験してみたい。人生は経験するためにあるから。
ゲストスピーカー2人目:竹之内大暉さん("かぐやさん" Teacher Aide茨城支部の一員として教員の働き方支援を実施)
4月からは大学院へ進学するなど、チャレンジを続ける中で芯にある想いは、「今よりちょっとだけ豊かな日本を。自分なりの豊かさを感じられるような日本を作ること。」
そんな中でも、今楽しい、と思えることが、原動力となっている。
日本は衰退しているかもしれないけど、だからこそやったろう、という気持ちになる。
現在は、部活動の地域委託など、教員の負担を減らす活動を行っている。
Q.なぜTeacher Aideに参加した?
A.Teacher Aide代表のじんペーさんと夏に話す機会があって、価値観が合致した。自分が立ち上げた団体と、何かタイアップできないかと思って活動に参加した。
Q.なぜ教員の部活動支援をしようとしている?
A.外部の講師が有償で部活動を見る制度があるのに教師はボランティアで行っている現状や、子どもたちの部活動離れなど、課題が多いと感じていた。
Q.今最も感じている問題意識は?
A.「最も」というのは難しいけれど、今掲げているテーマは多様性、選択肢、繋がり。不登校や障害児教育等へのアプローチにも可能性を見出し、地域との繋がりある学校づくりにも大きな関心がある。
ゲストスピーカー3人目:遠藤忍さん("えんしのさん" 中学校教師。認定NPO法人Teach For Japan第7期フェロー)
元々教員になるつもりも一定あったけどならなかったタイプ。大学でも教職課程を履修し、現場に入り込んだり、社会貢献ばかりやっていた。
いざ卒業後を考えた時、自分は社会でお金を稼ぐことなど一切考えたことがなく、子どもたちに教えられるのか、という不安があった。
一度民間就職した後、どうやって教員になろうかと考えた。TFJで派遣されることで、「TFJの人は何かやってくれる」という期待値が与えられた状態があった。
英語の教員として派遣されたが、任せられたのはプログラミング教育だった。その際のプログラミング能力や、外部人材を巻き込んでいく力、ロジカルシンキングなど、社会人の経験を活用できる場面も多かった。
Q.社会人を経験していない教員は、世間知らずに映るのか?
A.いやいや。大学を卒業し、たった数日で生徒に対峙。4月1日からいきなり約30人のマネージャーとしてパフォーマンスを発揮しないといけない。自分でもある程度上手く立ち回れると思っていたが、なかなか上手くいかない現状もあった。みんなが安心できる授業のルールづくり、生徒に「できる」という感覚を与えられる授業づくりなど、今でも難しいと感じることがある。
Q.学校と塾の違いは?
A.完全に切り分けることは難しいかもしれないけれど、学校に行く1つの意味は、自分とは違う人と何かをすること。コミュニティやチームを作る、社会的経験が学校には求められている。
Q.教師は社会を経験してからなるべきか?
A.どっちでも良い。ただ、少なくとも、教師は教科をきちんと教える、子どもの様相を読み取ること、子どもに寄り添うことの専門性は教員養成課程で磨かれる必要がある。そこに加えて、社会とうまく繋がって、学校の外側にあるものを教育に繋げる力、プロジェクトマネジメントの力は今後必要になってくると思う。1人の教員が全てのプロフェッショナルになるのではなく、後半2点をTFJのような外部の人材を入れることで補うなど、分担できる学校組織にしていくことも1つの方法として考えられるのではないだろうか。
ゲストスピーカー4人目:木村拓也さん(九州大学教育学部准教授。評価として用いられるテストについて研究)
大学生だった頃、臨床心理学がブームで、教育学部に入る学生も多かった。
元々教師という職業はしたかったので、免許も取得したし、大学院に行って専修免許も取得した。
大学院卒業後を考えた時、教職課程の先生になろうかと思っていた。
そんな時、自分の修士論文が、高校教員である母親に全く響かない。
当時、数字で何かを測る、ということが言われ始めていた時だったこともあり、専門を統計に変えた。
アルバイトでは、大学入試センター研究開発部に関わっていた。その現場を見た時、自分の視野の狭さを知った。自分の見ていた「教育」はどの範囲を指しているのだろうか。
テストという領域との出会いーーー日本はテスト大国であるが、専門家は少ない。
仙台で「地域を元気にする大学入試」というコンセプトに触れ、地域における教育の意味を感じた。
初職は長崎大学のアドミッションセンター。多くの高校現場を回ったり、離島教育にも携わっていた。
入試後の学校説明会や入学前教育など、先駆的な企画立案を多く行った後、九州大学へ。
教育学部では高校生に対する研究体験、国際入試の実施、学生を海外のフィールドワークに繋げる活動など、ここでも多様な取り組みに携わる。
この多様な活動の根底には、いくつかのポリシーがある。
高等教育の研究者は、自分の実践に対して自分の知識を元に効果測定を行うなど、自ら理論と実践の両者を行うことができる。教育者でもあり、実践者でもあり、会社の立ち上げもできるし、様々な立ち位置になれることが一番の魅力。
そんな研究者として様々なシステムを作ってきたが、仕組みを作ることで人がその中で成長してくれる。つまり仕組みを作ることで人の成長に携わることが、教育者という立場で「教育」に関わるスタンスと考えている。
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改めまして、ゲストスピーカーのみなさん、参加してくださったみなさん、貴重なお時間を頂き本当にありがとうございました!!!
今こうしてまとめていても、新しい視点や気付きの多い、学びに溢れた2時間だったと感じています。
このイベントを通して、またこのnoteを通して、みなさんが自分の見ている「教育」について少しでも深めるきっかけとなっていたら、とっても嬉しいです😊✨