大学生インタビュー③山くん
今回は山凌汰さんのインタビュー記事です!動画を短縮版にしようと頑張った結果、かなりあっさりしてしまいましたが、山君は教育についてたくさんのことを学び、様々な活動をされています。そして、それらを楽しみながら、あるいは何かの使命感を持ちながらやっているように、事前のお話では伺えました。動画には出てこなかったお話も交えながら山君の熱い教育への想いをお伝えできれば、と思います。
教育学部で何をしているの?
教職の勉強と心理学の勉強をしている、と山君はさらっと言っていましたが、実はこれ、結構いばらの道なんです。九州大学教育学部は元々が教員養成のカリキュラムではないので、教職の勉強をするには、教職の勉強をしない教育学部の学生に比べて、かなりたくさんの単位を取らなければなりません。その上に公認心理士の勉強となるとさらに上乗せです。同じ大学学部の筆者としてはそんなことが、人間の限界値を超えずに可能なのか?と疑問でなりません(笑)教師とカウンセラー、どちらに行くか迷うから一応両方、というくらいの覚悟ではなかなかできることではないと思います。広く教育に関われる人材になりたい、という強い想いが根底にあってこそできる努力でしょう。でも、教育に広く関わる、という意味では他にもたくさんの選択肢があります。私も同じような想いを持っていますが、実際全く違う勉強をしています。山君が教師とスクールカウンセラーを選んだことへの想いをもう少し詳しくお伝えしたいと思います。
なぜ、スクールカウンセラーなのか
教育への関わり方の選択肢として、なぜスクールカウンセラーだったのか、それは山君自身の経験からでした。以下、動画よりも少し詳しい山君のお話です。
“今の大学は2回目の大学で、関東の大学の法学部を退学して教育学部にいるのですが、退学の前に不登校になっていた時期がありました。その経験から、心理学を学ぶなら、自分と同じように不登校に悩んでいる人にとって何かしらの支えになれたらと思い、スクールカウンセラーになることを考えてもいます。”
自身の経験から強い信念を持ち、努力をする、山君の芯の強さはお話の節々で感じられました。そして、自分の興味を探究することへの熱意も伝わってきました。動画の中では大学に入ってから心理学の中でも社会心理学や発達心理学など、様々な種類があることを知り、面白さを知ったとおっしゃっていましたが、その中で特に面白かった講義について語っていただきました!以下さらさらと、でも瞳の中に輝きを持ちながら語る山くんを想像しながらお楽しみください!
山君的教育学のおもしろポイントは??
“社会心理学の授業が特に面白かったです。何か特定の事件が起こった時、よくその事件の当事者だからこういうことをしたんだ(自分はしないだろう)と思いがちですが、それを覆していくのが社会心理学です。つまり、こういう状況になったら、自分も含めて人は誰でもそうしてしまうということが明らかになっていくのですが、そこに痛快さを感じますし、どこか恐ろしいところもあります。
例えば、暴漢に襲われて助けを求めたけれども、誰も助けに来てくれず、被害者が亡くなってしまったという痛ましい事件がありました。当時は周囲の助けなかった人が非難されたようですが、のちに実験室で非常事態を再現した際に、援助行動を取らないことは珍しいことではないことや、どういう状態(周りに何人いるかなど)で援助行動が現れやすいかなどが明らかになりました。
なんで面白いのかを説明するのは難しいですが、自分が常識だと疑わなかったものが揺らいでいく、わくわくするようでぞくぞくするような感覚が、社会心理学にはあります。”
ね、何となく、ワクワク感が伝わってくるでしょ?(笑)おそらくこの文字量で社会心理学を語れと言われても、とても語り切れないと思いますが、その伝わらないもどかしさも含めて、聞き手の興味を引き付けるようなお話だったので、そのまま使わせていただきました。私も分野が違うので、お話を聞いていてとても面白かったです。興味が湧いた方はぜひ、調べてみてください!!
山君のエネルギーを感じた実践
最初にも少し触れたように、山君は大学での講義以外でも自身で様々な活動をされています。その中で、昨年は山君主体で数名の有志の学生と共に、新型コロナウイルス感染防止のため、例年通りできなかったオープンキャンパスの代わりにと、九大の全学部学科の学生を集め、オンライン説明会を一日かけて行いました。学生集めも、高校への営業も、簡単ではなかったと思います。思い立ったら自分の手足を動かして実現させる、その山君のエネルギーに私は感動しました。このイベントについて山君はこのようにお話しています。
“自分が最初法学部に進学したのも、法律に興味があったというよりは、漠然と公務員になりたかったのと、偏差値が高いところに行きたかったからで、進学した先で教育とか心理に興味があることに気づいてしまいました。さまざまな学部学科を事前に比較しながら進路を考えられる機会があれば、自分のように不幸な進路選択をしてしまう人が減るのではないかという考えから、前述のイベントを実施しました。”
進路選択の基準は人それぞれかも知れない。でも、知らないままでは選択肢にすら入らない、自身の経験から、今の高校生の選択肢を少しでも広げるべくやったこのイベントは、大成功、各高校からもお礼のメッセージが届いたそうです。
最後に
“元々知らなかったことを「面白い」と思う機会が大学には色々眠っているのではないかと思っている”
何が面白いのか、その面白さに出会えるとどう自分が変わるのか、知っているからこそ知らない人には伝えたい。そうやって学び続け、動き続ける山君の今後には要注目です!!
いかがでしょう、動画では伝えきれなかった山君をお伝えすることはできたでしょうか?お話をしてみたいと思った方はぜひ、fabulousfabulaのTwitterか山君のTwitterにDMを送っていただければと思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
取材・文責:和田千夏
インタビュー動画リンク https://youtu.be/-bvmwlPjNQg