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【九州大学合格】高専生が編入対策してみた(ZENPENの補足記事)

はじめまして、巨頭です。
この度、令和7年度九州大学工学部編入学試験に合格いたしました。
高専から大学編入を目指す皆さんに向けて、私の受験体験を共有したいと思います。
全てをこのページに詰め込んだため、かなりの文量となってしまいました。ゆっくりでも何日書けてもいいので、読んでいただけると幸いです。


なお、このページはZENPENに投稿した体験談の補足記事です。試験当日の様子(面接の内容等)に関してはそちらをご覧ください。こちらに九州大学の受験に関する内容はあまり記載されていません。


私について

簡単な自己紹介です。

  • 名前 巨頭

  • 出身 豊田高専 電気・電子システム工学科

  • 合格校 九州大学工学部電気情報工学科

  • TOEIC 800点(L:400, R:400 4年次12月取得)

  • 成績 1~4年次:クラス1位(同率) 4年間のGPA:4.0(最大)

    • 私の学科は、GPAが同じ人は、テストの結果によらずすべて同率の順位として扱うため、好成績を得ることができました。

  • 1~3年次:NHK高専ロボコンに参加(3年次はチームリーダー)

  • 4年次~:RoboCup SSLチーム「KIKS」に参加

    • 2023,2024の日本大会は準優勝、2023の世界大会は第4位でした。

2023年の世界大会(フランス)の様子 ちなみにこの試合はボコボコにされた

他の受験校について

九大に落ちた場合は次のような大学を受験することにし、それに向かって勉強することにしました。
↓志望順

  • 名古屋大学 工学部電気電子情報工学科 (8/1)

  • 東北大学 工学部電気情報物理工学科 (8/20)

  • 横浜国立大学 数物・電子情報系学科電子情報システムEP (7/6)

明らかに難しい大学しかありませんが、これは私の所属する学科内のルールにより、九大の合格発表日(7/1)まで他大学の受験ができなかったためです。つまり、上の大学はすべて未受験です。
もちろん、そんなルールのない皆さんは、こんな受験校選びは真似してはいけません。せめて抑えとして専攻科や技科大は受けておきましょう。

編入勉強について

4年生の後期まではZENPENに書いてあるとおりです。本当にそれ以上のことは何もしていません。今振り返れば冬休みくらいから本腰入れて勉強するべきでした。
春休みは一週間で40時間勉強することを目標にしていました。一日6時間程度であるため、私のように勉強習慣のない人はこれくらいの勉強量から初めて見るといいと思います。
5年生に進級してからは、一週間で30時間勉強することを目標にしていましたが、ロボカップなどの誘惑やそもそも学校の疲れなどもあり、達成できない週も多かったです。ここはもう少し気合を入れるべきでした。
勉強時間はStudyplusで計測・管理していました。友人とFFになり、お互いの勉強内容を見合うのはいい刺激になりました。


春休み~合格までの勉強時間

具体的な勉強内容については、春休みからGWくらいまでは参考書を中心とした基礎知識固めを行い、GW以降は過去問を中心とした実践練習を行いました。横国の受験まで2ヶ月を切った段階で専門が全然解けないことに気づいてかなり焦ったのを覚えています。皆さんは春休み明けくらいに過去問に一度取り組み、自分の立ち位置を確認することをおすすめします。

ここからは、各教科ごとに勉強内容や使った参考書を紹介していきます。当然、私が受験する予定の大学に合わせたものなので、皆さんは過去問を見て、適宜勉強内容を追加してください。
紹介したもので私は、横国の過去問で8~9割、他の大学のものでも数学と物理に関してはだいたい解ける(勉強した範囲に限る)ようになりました。

数学

『編入数学徹底研究』はご存知の方も多いと思いますが、編入試頻出の数学の問題を幅広く取り扱っているためおすすめです。
しかしながら、基礎知識がこれ一冊で身につくわけではありません。基礎知識が不足している状では、問題が難しく見えて苦痛で仕方がありません。

徹底研究をやり尽くした人、更にレベルの高い問題を解きたい人は、定番ですが、『編入数学過去問特訓』がおすすめです。
私は多変数の微積、線形代数、微分方程式の章についてはC問題まで、その他の章についてもB問題までは解けるようにしました。

上の二冊は、こういった参考書にしては解説が丁寧です。過去問でわからない問題に当たったときの辞書代わりにもなります。

線形代数

『ベクトル・行列・行列式 徹底演習』は、線形代数の基本的な部分の参考書です。おそらく、高専の授業でやるレベル以上のことは取り扱っていませんが、私のように全てすっぽ抜けてる人は、一回読むとかなり思い出すと思います。

高専の授業で扱わなかった、ベクトル空間の概念が全くよくわからなかったため、マセマの線形代数も読みました。この本は授業のような形で進んでいくためとても理解しやすかったです。

微分方程式

基本的に徹底研究と過去問特訓で十分だと思いますが、気分転換に『弱点克服大学生の微分方程式』を解きました。
徹底研究と過去問特訓にはないような種類の微分方程式が多く掲載されていましたが、その分過去問でも見たことないような種類であるため、途中まで解いてやめてしまいました。

確率

確率(≠統計)が出題される大学は、高校範囲からの出題であることが多いため、『合格る確率+場合の数』を解きました。
私は確率の授業をほとんど寝てたり他事をして話を聞いていなかったため、事前知識がほぼありませんでしたが、解説が死ぬほど丁寧なため、一周するだけで確率の問題への対応力がかなり身につきました。

基本的な部分や確率の解き方自体はPASSLABOの全パターン解説をやりました。難問が出るわけでなく、全て基本的な問題なため、これをマスターしてから参考書等に取り組んでもいいと思います。

物理

力学

まずは、『弱点克服大学生の初等力学』がおすすめです。過去問を見ると、この本で扱っていない内容の問題はかなり少ない(つまりだいたい解ける)ため、受験生必携の一冊です。
合格発表直前まで何周も解きました。7周くらいしたんじゃないかな。最後の方は解法と答えを覚えてしまっていました。
必ず改訂版を買いましょう。初版は誤植がひどいらしいです。

初等力学では回転運動のあたりの問題が少々手薄に感じたため、『基礎物理学演習 Ⅰ』をその後に解きました。
解説はカスですが、扱っている問題が基本的なものが多く、基礎知識の不足を埋めるのにはかなり役立ちました。

『演習力学』も解きましたが、問題は難しいわ解説はカスいわ、試験によく出る問題も多くはないわで、あんまりおすすめできません。過去問を見て、クセのある大学を受ける人は解いてもいいかもしれませんね。

電磁気

私の高専は電磁気の授業がかなりしっかりしているため、基礎力はもともとありました。
問題演習は基本過去問で行いましたが、解説が欲しい場合や、類題を解きたい場合は『電磁気学演習』を使っていました。問題数、レベルの面から演習書はこれ一択になってくると思います。

マクスウェル方程式やベクトル解析の理解が乏しかったため、『マクスウェル方程式から始める電磁気学』を読みました。読み物としては面白かったですが、理解が深まったかというと微妙です。他の本などと組み合わせるといいと思います。

電気回路分野については、『基礎電気回路ノート』シリーズ一択です。
電気回路の問題は基本的に計算ゴリ押しで解くものが多いため、難しい内容を勉強する必要はありません。この本で基礎的な内容を完璧にするほうがいいと思います。
解答解説もそれなりに詳しいため安心です。

TOEIC

ZENPENに書き忘れましたが、私が800点(L:400, R:400)を取得したのは12月の試験です。
試験前日までやる気が出ず、金フレと公式問題集を流し見(流し解き?)し、でる1000を数十問解くだけで試験に望みました。問題との相性がとても良かったのか、Rについては試験終了10分前までにすべての問題を解き終わることができました(自信があるとは言っていない)。もうすこしちゃんと勉強すればもう少し高いスコアが出たのではと後悔が残ります。

単語

単語は金フレをとりあえず730点レベルまで覚えれば、長文を読むのに苦戦するということはだいぶ少なくなると思います。それ以上のレベルの単語については、正直覚えてなくても文章はなんとなく読めます。目を通すくらいはしておいたほうがいいかもしれませんね。

文法

PART5,6の文法問題については、でる1000を何周もやればかなり解けるようになります。最終的には1つのブロック(30問)を8分で解けるレベルにしました。文法問題の解説が丁寧かつTOEICでスコアを取るために書かれているため非常におすすめです。

問題集

問題集は1年生の時に購入した電子辞書の中にあるものを使いました。公式問題集だけでなく出版社オリジナルのものも入っていました。かなり古いものですが、問題なく使えたと思います。
リスニングの対策もすべて電子辞書内の問題集で行いました。
↓使った電子辞書はこんないいやつじゃないです

多読(?)

豊田高専生(特に電気科)の人ならわかると思いますが、英語多読も行っていました(半強制)。これは、簡単な英文(初心者は絵本から)を頭で訳さず英語のまま読むというわけのわからないものですが、私はとにかく速く英語を読むことを心がけたことで、英文を読むスピード自体が上がりました。
LR(CDで朗読を聞きながら英文を読む)をCDプレイヤーの倍速を最大にして行うのもおすすめです。たしか、1分間で180単語くらいは読めるようになったと思います。
多読の授業は死ぬほど嫌いでしたけどねー。こんなことしなくてもTOEICの対策をまともにやれば点は取れると思います。しかも、多読をしたからといって英語が喋れるようになるわけでもありません。

過去問

大学編入試験は、多くの大学では出る問題の傾向が決まっているため、ある程度勉強範囲の絞り込みが行える試験です(当然例外有り)。そのため、過去問をできるだけ多く入手できるかどうかが、編入試を突破する重要なカギとなるでしょう。
私は先輩からもらったものや、自分で各大学のHPに行ってかき集めてきたものをデータベース化していました。
HPで公開されている過去問は多くの場合は問題のみで回答が存在しないため、友人や先生を頼りながら進めていくといいと思います。自力で作った過去問の回答を公開されている方もいらっしゃるため、そういった人を頼るのも手です。
横浜国立大学の専門の試験は他大学では見ないような独特な試験のため、過去問が必須です。電子工学は、過去問から同じような問題が出題されることも多いです。

その他

本でもわからないところはヨビノリの動画をよく見ていました。本当にわかりやすいです。ただ、欲しい部分の授業があるというわけではないのが難点です。

名大のために化学の対策をしたりしていましたが、最初から諦めてるも同然でろくに対策しなかったため、今回は取り扱いません。

終わりに

かなり長くなりましたが、ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
皆さんの編入勉強の少しでも糧となれば幸いです。
質問等ありましたら、TwitterのDMで気軽に話しかけてください。

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