【用語解説】#1.HL7(Health Level 7)
HL7(Health Level 7)は、医療情報の交換と統合に関する標準規格を開発・維持する組織です。HL7は長い歴史を持ち、そのデータ交換フォーマットも進化しました。以下にHL7のデータ交換フォーマットの歴史について説明します。
HL7 v1
HL7の最初のバージョン。1987年に発表されました。
テキストベースのフォーマットで、基本的な健康情報の交換をサポートしました。
標準化されたデータ要素を定義し、異なるシステム間のデータ共有を容易にする役割を果たしました。
HL7 v2
HL7 v1の後継バージョンで、1989年に導入されました。
メッセージベースのフォーマットで、セグメント、フィールド、およびコードセットを使用してデータを構造化しました。
HL7 v2は広く採用され、多くの健康情報システムで使用されています。異なるバージョンが存在し、バージョン2.3や2.5などがあります。
HL7 v3:
HL7 v3は、より厳密なデータモデリングとセマンティックインタープリタビリティを提供するために開発されました。
オブジェクト指向モデルを採用し、UML(Unified Modeling Language)を基に設計されました。
しかし、導入が複雑で時間がかかるため、普及度は限定的でした。
FHIR(Fast Healthcare Interoperability Resources)
FHIRは、HL7 v2およびv3に代わる新しいアプローチとして開発されました。
ウェブ指向のアーキテクチャを採用し、RESTful APIを使用してデータ交換を行います。
リソースベースのデータモデルを提供し、シンプルで拡張可能な構造を備えています。
FHIRは近年、医療情報の分野で注目を集め、広く受け入れられています。
HL7のデータ交換フォーマットは、医療情報の共有と統合において重要な役割を果たしており、その歴史を通じて進化し続けています。FHIRは特に、現代の医療情報システムにおいて柔軟性と相互運用性を向上させるために導入され、多くの支持を受けています。私たちが求めてやまない統一電子カルテもデータ共有・相互運用性を担保することが理想と考えられています。今後は、富士通だけでなく、各ベンダーの開発および競争参入を期待しています。(with ChatGPT)