【UniTreat-DX-journey】#.1 UniTreat結成
はじめまして。
我々は、大分医療DX 推進会議 -UniTreat-(以下:UniTreat)です。
そして私は、UniTreat代表の津村佳希と申します。
この記事はUniTreatを紹介する記事です。
さて、みなさん、医療DXしてますか?
UniTreatは、ユニトリートと読みます。この名前には「みんなで団結(Unite)して治療(Treat)する世の中を目指す」という意味をこめています。
最近流行りのDX(デジタルトランスフォーメーション)が、やっと医療業界でも注目されるようになってきました。
UniTreatは「今の医療構造そのものを、医療DXを通じて改革していきたい」という共通した思いを持つ、医師、医学生たちで構成された非営利団体です。私たちの理念と目的は、下記の通りです。
UniTreatの理念:医療情報共有により、全ての医療受給者ならびに医療提供者の情報ミスマッチのない世界を作る
UniTreatの目的:医療を中心としたDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進
①日本の医療現場、アナログすぎませんか?
まずUnitreatの団体説明に入る前に、そもそもなぜUnitreatを結成したのか、その背景を一緒に見ていきましょう。
学生の頃から、代表の津村は物事を効率的に行うことを重んじていました。
しかし、学生実習で目の当たりにした医療現場は衝撃的なものでした。
「日本の医療現場アナログすぎないか?」
患者情報のやり取りは未だにFAXが当たり前で、手書きの紹介状も散見されます。また、それらの情報や紹介状は封筒に入れて、患者を介して手渡しをしている状況です。他にも「お薬手帳」など、未だに医療現場では紙ベースの媒体が主流です。
せっかく最新鋭のCTで撮影された画像を他院へ返送する際には、わざわざCD ROMに画像を焼く必要があります。それを受け取ってカルテに取り込む事務・技師さんたちの手間と待ち時間は大きなロスになっていることでしょう。
私たち医師も、画像データとして取り込まれた紹介先の情報をカルテに手打ちしていたりします。二度手間ですし、かなり非効率ですよね。
「ちょっとまって、今、令和だよ?」
津村は、研修医になってからも日々感じるアナログに打ちひしがれつつ働いておりました。
②医療現場のDXリテラシー
もちろん、
「FAXは非効率的ではありませんか?
急変患者の情報をひとつ取り寄せるのにとんでもない時間がかかりませんか?
新しい情報共有の方法は試せませんか?」
と、上司や周りの医療従事者に言ってきました。
しかし、返ってきた答えは以下のようなものでした。
「いや、FAXで成り立ってるんだし良いだろう。そんなことよりこの患者の転書(転院の際に作成する診療情報提供書)をカルテに手打ちで打ち込んでおいて」
疑問にすら思わないのか。
既に現状の医療システムで何年間も働いている上級医だけでなく、最近働き始めたばかりの同期に聞いてみても「そんなもんじゃない?」と問題意識をあまり感じさせない答えが返ってきました。
そうか。この現状を正しく理解できる情報リテラシーの教育は、医学部ではされていなかったんだと気づきました。どんなに便利な技術があっても、それを知らなければ選択肢にすら入らないのだと気づいたのです。
③UniTreatつくってみた
そこで、研修医1年目の終わり頃、「医療DXを広く医療従事者に知ってもらうことから始めよう。」と同じ志を持つ仲間を集めて団体を作りました。それがUniTreatです。
発足してから1年とちょっとですが、これまでに5回の医療DX推進セミナーを開催したり、m3.comや地方新聞、大分県の医師会雑誌などで文章として医療DX関連の投稿をさせていただいたりと、積極的に医療DXの認知拡大に取り組んできました。
さらに、とある診療科の勤怠管理システムを作ったり、病院のDXの相談を受けたりと、草の根で医療DX活動も続けています。その他、医療DXコンサルタントの役割も担っており、行政と病院とエンジニアさんたちのコミュニケーションの架け橋として、医療DX会議に招集していただいたりもしています。
現在のUniTreat所属メンバーは、医師5名、客員医師1名、医療系学生6名の計12名です。医療DX推進に関わってみたい方は、いつでも仲間になってください。これからのUniTreatの活動は、
①医療DX推進のための啓蒙活動(セミナーなど)
②1病院や1組織単位での草の根的医療DX普及活動(既存のアナログなものをDX化)
③医療DXコンサルタント(行政やエンジニア、各社との連携)
の3本柱に収束していきます。
細かい活動報告は、これからの【UniTreat-DX-journey】#.2以降で詳しく記載していきますので、是非フォローをよろしくお願いします。
UniTreatは、医療DXをこれから学ぶ人の支援に加えて、医療DX普及に自分の能力を積極的に活かしたい人の支援も行っています。気軽に新規メンバーフォームへのお申し込みやお問い合わせフォームでご連絡ください。
※ご連絡の際は、我々の普段の業務や学業の都合により速やかな返信が困難である場合がありますので、予めご了承ください。
④大胆にして細心であれ
ながながと語ってきましたが、これからの医療DXは、システムをつくる側だけでなく、そのシステムを使う側の医療従事者の理解がとても重要です。検討に検討を重ねるだけでは一向に前には進まないので、ある程度大胆に行動に移していく事が医療業界のDXでは大事です。ただ、見切り発車は何もメリットを生まないだけでなくデメリットを往々にして生むので、しっかりと「適切に考慮すべき点」はカバーし、セーフティーネットを張った上で行動に移すことが必要です。そこでUniTreatの出番というわけです。
医療現場、行政、エンジニア間の情報のすり合わせ。これが「適切に考慮すべき点」です。どんな情報をお互いが理解して、どこで相手とすれ違うのかを、それぞれの組織がすぐに気づくには畑が違いすぎます。そこで医療現場、行政、エンジニアのすべての考え方を理解することのできる組織が「通訳」として必要になります。それがUniTreatです。
大分医療DX推進会議-UniTreat-
代表医師:津村 佳希
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