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"話せない"という障害

今日も就労支援施設B型作業所でのお仕事。
農作物を扱う作業をしている。出荷作業は2人組で行う。

出勤してからホワイトボードを見て、今日の組み合わせがわかるのですが、今日は言葉を発することができない、「緘黙症(かんもくしょう」と思わしき子とのペアだ。

その子とは何度もペアになったことはあるのですが、作業スピードがまぁ早い!
こちらはとにかく焦らされるのですが、今日はもう彼は完全に別次元だと考えて、マイペースを貫くよう心がけた。

私はこの緘黙症の子とどうコミュニケーションをとったらいいかと自分なりに考えたり、調べたりしてきた。

緘黙症は2種類あって、家族など特定の人とは話すことができるが、それ以外は話さないのは「選択的緘黙」。生活全般に渡り全く話せない「全緘黙」があるという。

もし彼が選択的緘黙症だったとするならば、まだ救いがあると思うのだが、全緘黙だとしたら、ストレスが溜まることが多いだろうなと思う。私は今まで緘黙症の人と接したことがなく、初めは戸惑ったが、わずかに少しずつ少しずつ彼がどのような人間なのか毎回発見がある。

ネットニュースで緘黙症の特集をやっていたときの動画を見ましたが、言葉を発しようとすると喉がマヒする感覚なのだそうだ。

彼はどのような"世界"を持っているのだろう。でも興味本位で彼の"世界"をかき乱してはいけないと思い、自然体でいることを心掛けているが、やっぱり少し緊張してしまう。

焦らされるのもあり、話ができないとなると、のろまな私はどうしていいかわからなくなる。見方を変えると、彼が恐怖に変わるのだ。だから、返事がいらない言葉を一言二言話してみている。私なりの「バリアは張っていませんよ」アピール。

彼はもしかしたら"ギフテッド"なのかもという想像もめぐらせつつ、いままできっと孤独だったんだろうなと思う。

仕事のスピードの速さから、その子はこの作業所の即戦力になっている。

ここに通ってみてわかったが、作業所は気遣いが行き交うとても温かい場所だ。(作業所によるかもしれないが。)ここがその子の心休まる場所になっていたら、同じ作業所で働く者として、とても嬉しい。

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