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統合レポート2024解説 第2回:トップメッセージ


2024年版での変化

2023年度版のトップメッセージは、長期ビジョンと中期経営計画の策定意図を中心に説明しました。

中期経営計画の2年目にあたる2024年度のレポートでは、トップメッセージの報告内容を深化させ、経営の方向性や各施策のポイントと、企業価値の向上に重点を置きました。それに伴いボリュームも増やし、冊子冒頭に配置しています。

事業戦略のポイント① 組織変更

2024年度の大きな変革のひとつは、事業別組織への移行です。

2022年から2023年にかけては、コロナ禍の影響を受け、経営課題に対応するために機能別組織を採用しました。その中で事業間シナジーを発揮する土台が十分に形成されたと判断し、2024年からは次のフェーズへ進むため、事業別組織に再移行することとしました。事業別組織では、マーケットへ機動的に対応できるほか、ブランド間の競争力が働くことも狙え、「攻めの経営」を推し進める基盤になります。

機能別組織を経て事業別組織に再編したことで、全体最適と事業最適の双方の視点をもつマネジメント層の育成や、適材適所の人材配置が従業員エンゲージメント向上やクリエイティビティ強化につながることなど、人的資本施策についても述べています。これらは人材戦略ページで具体的に説明しているので、あわせてお読みください。

事業戦略のポイント② 主要3戦略

中期経営計画では、UA CREATIVITY、UA MULTI、UA DIGITALの3つの戦略を掲げています。それぞれの詳細については戦略パートで詳述していますが、トップメッセージでは特に進捗があった点と2024年度の注力点を説明しています。

UA CREATIVITY戦略

本戦略の柱は「既存事業の成長拡大」「ブランド力の強化」「コーエンの再成長」の3つです。

「既存事業の成長拡大」では、トップラインの成長施策について述べています。特に価格と価値のバランスの精度を高めることによる定価販売比率の向上や、実店舗の出店を重視しているほか、OMOの取り組みによる売上への効果や人的資本への好影響について解説。「ブランド力の強化」では企業としてのブランドイメージの刷新に向けた広告戦略や新ブランド展開の方針を、「コーエンの再成長」ではコーエンの業績改善に向けた考察と施策について説明しています。

UA MULTI戦略

「業容拡大に向けた事業開発」と「グローバル拡大」を主軸に展開する本戦略では、アパレルだけでなく、非アパレル領域にも言及しています。当社はコスメブランドのローンチをはじめ、事業の多角化を進めています。非アパレル事業の立ち上げにあたっては、新たなパートナーとの連携も視野に入れています。多角化の意義についても、経営理念に照らして説明しています。

UA DIGITAL戦略

デジタルを活用した成長戦略は、顧客体験価値を向上させる「OMOの推進」と業務効率を上げる「サプライチェーンの最適化」の2つの軸で進めています。「OMOの推進」ではUA CREATIVITY戦略の施策と組み合わせて、会員プログラムやECサイト、アプリの機能向上に取り組んでいます。「サプライチェーンの最適化」では、商品管理基幹システムの刷新の目的について説明しています。

株主様価値と企業価値の向上

株主様への価値をいかに高めていくか、その道筋と決意を述べています。資本活用の視点だけでなく、長期的な成長戦略の実現に向けたサステナビリティ活動との関連についても説明しています。特にガバナンスに関しては、当社の理念に基づく企業のあり方や、社長が果たすべき役割についても言及しています。

次回は「3つの事業戦略とUA CREATIVITY戦略」をさらに詳しく解説いたします。

ぜひ、続けてご覧いただけますと幸いです。

(ご参考)統合レポート2024

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