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2025年3月期 第1四半期決算概況

2024年8月7日に発表した2025年3月期 第1四半期の決算概況について、要点を絞ってご説明いたします。詳細は決算説明会資料をご覧ください。


2025年3月期 第1四半期実績

連結売上高は前期比110.4%の354億円、売上総利益率は54.7%で前期から0.3pt低下しました。売上高は主に(株)ユナイテッドアローズの伸びがけん引しており、ユナイテッドアローズ、ビューティー&ユースを中心とするトレンドマーケット、グリーンレーベルを中心とするミッド・トレンドマーケットともに売上高が二桁成長となりました。特にネット通販の伸びが高く、在庫調達量を増やしたことで販売機会ロスの縮小につながっています。

売上総利益率は(株)ユナイテッドアローズが前年から0.1pt低下しましたが、これは前年8月のUAクラブ移行に伴うマイナス影響を含んだもので、ビジネスユニット計は6月にセール需要の前倒しが発生したものの1Qトータルでは前年と同水準、アウトレットは過年度在庫の縮小で大幅改善しています。(株)コーエンはセール売上の拡大に加え、在庫評価減が一時的に大きくなったことが影響したものです。

販管費は164億円で前期比109.7%、売上比は前年から0.3pt改善の46.9%となりました。グリーンレーベルの大型販促など宣伝強化による宣伝販促費の増、人員数の増やベースアップによる人件費の増、売上回復に伴う変動家賃の増、新規出店やシステム投資による減価償却費の増により販促費自体は増加しているものの、売上比は抑えられています。

この結果、営業利益が27億円で前期比110.6%、経常利益が29億円で前期比108.4%、(株)ユナイテッドアローズの店舗移転、改装に伴う減損、(株)コーエンの減損などにより特別損失が19億円発生し、親会社株主に帰属する四半期純利益が17億円で前期比98.0%となりました。売上高、売上総利益、営業利益以下の各利益とも計画を上回っています。

新規事業、海外事業の進捗

今回の説明会では、中期計画の取り組みとして新規事業、海外事業の進捗も報告しました。2024年9月より、MZ世代に向けたウィメンズブランドの「ATTISESSION」、自立した大人の女性に向けた「conte」の出店を開始します。どちらも一部店舗、ネット通販サイトでの販売を開始しており、好調な滑り出しとなっています。
ATTISESSIONブランドサイト
conteブランドサイト

海外については2024年6月、タイ・バンコクの大型ショッピングモール「エムスフィア」にフランチャイズ出店を行ったほか、2024年8月からはルミネシンガポールでも商品展開を開始します。今後に向けて台湾、中国以外のアセアン地区について、出店の可能性を検討しています。
シンガポールで「ユナイテッドアローズ」の商品展開を本格スタート、「LUMINE SINGAPORE(ルミネシンガポール)」2024年8月26日(月)新規オープン

サステナビリティの取り組みについて

あわせてサステナビリティ活動の前期実績についての報告もいたしました。この内容については後日別エントリーでご紹介いたします。
㈱ユナイテッドアローズのサステナビリティ活動「SARROWS」2030年に向けた3つの活動目標に対する実績と進捗の報告(2023年4月~2024年3月)

第1四半期の好調要因

決算説明会では、社長の松崎より第1四半期の好調要因について、1. マーケット特性に最適化させた価格戦略、2. 積極的な在庫調達による売上増加、3. GLRウィメンズの回復、4. UAクラブ会員売上の増加、OMO施策の浸透、5. インバウンド売上の増加の5つのポイントで説明しました。

1. マーケット特性に最適化させた価格戦略

今春夏はトレンドマーケット、ミッド・トレンドマーケットそれぞれの特性に応じた価格戦略で売上を伸長させました。トレンドマーケットについては、質の改善を伴う値上げは許容していただけるという判断のもと、販売価格上昇への見直しを行いました。その結果、客単価、客数ともに上昇させ、既存店売上の二桁成長を達成しています。ミッド・トレンドマーケットに関しては値ごろ感のある商品をお求めの方も多いことから販売価格の上昇は抑え、プロパー販売比率の向上と販売客数の大幅増で既存店売上高の二桁成長を達成しました。秋冬についても、それぞれのマーケット特性に応じた価格戦略を継続していきます。

2.  積極的な在庫調達による売上増加

前期まではセール依存からの脱却を図るべく在庫効率を重視し、抑制気味な在庫調達を行っていたため、一定程度の販売機会ロスが出ていました。今期については積極的な在庫調達を図り、春夏については前年の113%程度の在庫を保有しています。その結果、実店舗、ネット通販ともに売上額を大きく伸ばし、特に前年機会ロスの目立ったネット通販については20%以上の既存店成長を見せています。1Q末のたな卸資産(在庫金額)も前年同期の107%程度までコントロールされ、7月もプロパー、セールともに好調に推移し、積極的な在庫調達は成功したと捉えています。秋冬についても前年の110%以上の在庫確保を予定し、引き続き高い売上伸長を目指します。

3.  GLRウィメンズの回復

前年度に伸び悩みを見せていたGLRについては、上記の価格戦略、在庫政策の見直しもあって非常に好調に推移しています。特にウィメンズについては大型プロモーション「結論」シリーズの実施で大きく成長しています。

ファッションで個性を発揮したいというお客様がいる一方、品質、デザイン、トレンドなどにおいて間違いのない選択をしたい、誰からもオシャレと思われる失敗しない服を買いたいというお客様のニーズが存在します。GLRではそういったお客様に向けてファッショントレンドの答えを「結論」というキーワードで説得力高く示し、キレイ見えする素材感、パターンにこだわったシルエット、高い着回し力、豊富なカラーバリエーションなど、たくさんのこだわりを詰め込んだパンツ、カーディガン、ブラウスの3アイテムを企画しました。既存のお客様だけではなく、新規の方にもリーチする目的から、お客様の背中を押すことができる存在として女性からの支持も高いMEGUMIさんを起用し、テレビCM、SNS、店頭ディスプレイなどを連携させた、大型プロモーションを展開しました。

その結果、GLRウィメンズの既存店売上高は前年の123.6%と非常に大きな伸びとなりました。該当商品をお買い上げいただいた方の約7%はこのプロモーションを通じて新規UAクラブ会員となっていただいており、既存顧客の活性化に加え、新規顧客開拓にもつながっています。秋冬にも同様のプロモーションを予定しており、さらにこの成功事例をメンズやキッズにも応用していきたいと考えています。

4. UAクラブ会員売上の増加、OMO施策の浸透

UAクラブに移行して1年が経過し、様々な指標が改善しています。アクティブ会員数は140万名で前年同期の105.5%、会員様による売上は179億円に及び、前年の120.2%、単体売上における構成比も54.2%と4.2pt高まりました。ライフタイムバリュー向上を図る上でのKPIとなる2年連続でお買い上げいただいている会員様の比率、年2回以上お買い上げいただいている会員様の比率についても上昇しています。実店舗と自社ECを併用されるクロスユーザー数も19万に達し、前年同期から14.3%増加しています。2024年8月1日より一部制度の見直しを行い、よりマイルをお買い物に使っていただけるような仕組みに変更しました。実店舗、自社ECの利用機会を増やし、さらなるライフタイムバリュー向上を目指します。

5.インバウンド売上の増加

前期からインバウンド売上は右肩上がりに成長しており、1Qの単体インバウンド売上は13.2億円で前年の163.3%、売上構成比も4%に到達し、前年から1.3pt上昇しました。7月もインバウンド売上は成長しており、この傾向は継続していく見込みです。主力事業のUA、BYの商品に加え、エイチ ビューティー&ユース、アストラット、ロエフなどオリジナリティの高い小型ブランドのニーズが高いというのも当社の特徴です。これらのデータを、インバウンド比率の高い店舗の品ぞろえ、海外展開に活用します。リピート客として当社をご愛顧いただけている方も多く、訪日客の顧客化に向けた施策も進行しています。

決算説明会で投資家様よりいただいた質問をまとめた質疑応答集も開示しました。こちらも合わせてご覧ください。

2025年 3 月期 第1四半期 決算説明会 質疑応答集

シェアードリサーチ社による当社のアナリストレポートも更新されております。どうぞご活用ください。(閲覧には会員登録が必要です。)

https://sharedresearch.jp/ja/companies/7606

個人投資家様向け決算説明会について

9月に第1四半期の個人投資家向けオンライン説明会を開催する予定です。日程が決まり次第ご案内いたします。