家庭教師の旅(5)〜学問に惹かれる小学生〜
今回は家庭教師回顧録を書かせていただきます!
私はこれまで中学受験指導にも携わってきました。
しかしそれでお金をいただいておきながら、個人的に中学受験なるものに反対しております。
よく言われることですが、一部を除いて、多くのお子さんが渋々受験をしているのが現状です。
友達と遊びたい中でSAPIXや日能研に通い、自宅では家庭教師と塾の宿題をする。
首都圏では中受が常識化しているのと、お子さんに少しでも良い環境で勉強して欲しい親御さんの思いを考えると、中学受験はやめた方が良いと簡単に言うことはできませんが、教える際は常に葛藤がございました。
そんな中、教え子が国語・算数・理解・社会の所謂「勉強」から、探求を目指す「学問」に興味を示す時がありました。
例えば国語について、中学入試では大人顔負けの課題文が出題されます。「資本主義」や「構造主義」の様なタームは受験生を混乱させ、時に彼らを国語嫌いにさせてしまいます。
なので、何とかこれらの知識を面白く伝えることはできないかと思い、自分の研究領域である社会学を活かし、例えば資本主義をキリスト教と絡めて説明したりしました。
すると多くの学生さんが興味を示し、授業そっちのけで、
もっと聞かせて!
と言ってくれたのです!
幸運なことに多くの親御様にも関心を持っていただき、よくレッスン後に学習内容報告を兼ねて学問についてお話ししたものです。
日本は未だ受験社会です。
残念なことに小中高大を問わず、科目の知識と解法の技術を詰め込む「勉強」に終始し、批判的思考・問題発見解決を目指す「学問」への移行がスムーズになされないのが現状です。
私もその歯車であることを自覚しつつ、「私」の領域から教育に何かしらの変革をもたらすことができるよう努めます。