日本対ベトナム 得点シーンの考察
今日はサガン鳥栖から離れて日本代表の得点シーンの考察をしてみました。
まずは堂安がドリブルで進入してきて囲まれたため酒井にボールを戻す→柴崎へと繋いだところを図にしてみました
ベトナムの守備は5バックなのであまりスペースがありません。その中でこの場面では丸で囲ったスペースを攻略することが鍵になります。
このスペースを攻略することは単純です。
敵を中央に寄せてしまうこと。これだけです。
これだけが難しいのですが、得点シーンでは見事に敵を中央に寄せてスペースを攻略しました。
この図を使って説明すると、
南野は柴崎からボールをもらおうと降りてきました。ただ、降りた位置でもらっても敵が密集していたため効果的ではありません。
そこで柴崎は一個飛ばしのパスを選択して北川
へと繋ぎました。
それ以降の場面の図が下です。
北川へ一個飛ばしのパスをしたことで②④⑦と表したベトナムの選手が北川へと注意を向けます。南野は再びもらおうと北川の方へ走り出しましたが、ここでもらっても敵は密集しているし距離が近いため効果的ではありません。
この南野のランが無駄になったかというとそうではありません。中央付近で前線へ走り出したため④で表したベトナムの選手の注意が南野に向きました。
北川は遠藤にパスを出し、
遠藤は原口にパスを出しましたが、
このとき、左側の丸で囲ったスペースを利用するために長友が大外に回ってボールをもらおうとします。
この動きによって①で表したベトナムの選手が対応しないといけなくなりました。長友を見ていた⑥で表したベトナムの選手は①とのマークの受け渡しで原口を見ないといけないですが、死角から原口が走り出してきたため対応するのが遅れました。
その結果、原口はボールを受けて前を向いて中に進入→
ベトナムのセンターバック②③④は北川、南野に注意を向けていてすぐに飛び出さない→
スペースに走り出した堂安にパスを出す
ことができました。
北川、南野が中央に、長友が逆サイドに敵を惹きつけ、原口がさらに中央へ進入する事でこのようなことが生まれました。
またここでもう一つ大事な点としては出来るだけ近い位置同士で前へのスペースにボールを送ることです。
どういうことかというと、2枚目の図の右側に①から⑤で番号が振ってあります。②の位置から④へ繋ぐよりも③の位置から④で繋いだ方が位置が近いので成功する可能性が高くなります。
今回の得点シーンでは②から④→④から②へと繋ぐうちに中央に寄せつつ、③のスペースからベトナムの選手を減らすことができた。
そこを突いて③のスペースへ原口が進入して④のスペースに走り込んだ堂安にパスを出し、そのまま⑤のスペースへといくことができました。
⑤のスペースまで進入できるとゴールの可能性が大変高まり、今回のようにPKをもらう確率も高くなります。
まとめとしては、ボールをもっていないときにいかに動くか、その動きによって相手の注意を惹きつけてスペースへと繋ぐこと
そのスペースへ繋ぐときはできるだけ近い距離でということです。
ちなみに北川が叩かれていますが、この得点のきっかけは北川だと思います。
なぜなら、北川が南野ではなく遠藤にパスをだしたこと、さらにワンタッチで出したことで相手のマークもズレが生じたからです。
大迫が復帰すれば出番は限られてくるでしょうが、自信を持って今後の試合に挑んでもらいたいと思っています。