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自社株を後継者に。遺留分問題は生命保険でクリア。

 サンタのプレゼントは贈与?一時所得?気になってAIに訊いてみたユナイトnote編集部です。

 中小企業経営者にとって、自社株の相続は事業承継の要です。しかし、後継者に株式を集中的に引き継がせる際に「遺留分」という法的リスクが生じることがあります。以下は、具体的なケースをもとに、遺留分の基本、保険を活用した対策、その注意点です。

■A家のケース

状況
• 父親:中小企業の経営者
• 相続人:長男と次男の二人
• 父親の遺言:長男に自社株すべて(1億7,000万円)、次男にその他の財産(3,000万円)を相続

 次男は相続額の不均衡に不満を持ち、「遺留分侵害額の請求」を行い、法定の遺留分(5,000万円)との差額2,000万円を現金で受け取りました。この支払いにより、長男は自身の資産を売却せざるを得ませんでした。

遺留分とは?

 遺留分とは、法定相続人が最低限受け取れる相続財産の割合を指します。民法(第1042条)により保護されており、遺言や贈与で財産が偏っても請求可能です。支払いは現金で行われます。

遺留分の対象となる相続人

• 配偶者
• 子ども(直系卑属)
• 両親(直系尊属)
※兄弟姉妹は遺留分はありません。

遺留分の割合

• 配偶者や子がいる場合:法定相続分の1/2
• 両親のみが相続人の場合:法定相続分の1/3

遺言がある場合に問題化しやすい

  • • 遺言がない場合:相続人同士で協議するため、遺留分は基本的に関係しません

  • • 遺言がある場合分配が遺留分より少ない相続人は、遺留分侵害額の請求権を行使できます。

保険を活用した遺留分対策

 遺留分請求に対応しつつ、株式の分散を防ぐために、生命保険を活用する方法があります。

方法1:後継者を受取人に設定

• 契約者・被保険者=被相続人
• 受取人=後継者
相続発生時に生命保険金が支払われ、それを遺留分請求に対応する資金とします。

方法2:法人による保険契約

• 契約者・受取人=法人
例えば、次男が自社株を相続した場合、法人がその株を買い取る際の資金を保険で準備できます。

保険活用の注意点

1. 遺留分請求額と保険金額のバランス
自社株の評価額は変動するため、保険金額を定期的に見直す必要があります。

2. 遺言で保険の意図を明記
保険金は受取人固有の財産として扱われ、遺産分割の対象外です。しかし、遺留分や代償分割目的である場合、遺言で用途を指定することでトラブルを防ぎやすくなります。

3. 非課税限度額の確認
「500万円 × 法定相続人の数」を超える保険金は相続税の課税対象となるため、納税計画も重要です。

4. 受取人の設定ミス
受取人が後継者以外(例:次男)の場合、保険金はその受取人のものとなり、遺留分請求問題は解決しません

5. 遺留分だけで十分か?
A家のケースでは、遺留分支払い後の相続額は長男1.5億円、次男0.5億円。次男の納得を得るため、代償分割としてさらに保険金を増やすことも検討すべきです。

まとめ

 生命保険は、株式の分散を防ぎ、経営権を守る有効な遺留分対策です。ただし、家族間の合意形成や適切な保険金額の設定が欠かせません。計画を成功させるには、税理士・弁護士・保険募集人などの専門家と連携し、総合的な設計を行いましょう。

お忙しい中、最後までお読みいただきありがとうございました。

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• より正確な内容を知りたい場合は「■参考」などをご覧いただければと思います。
• 本記事は2024年11月時点の情報に基づいています。
• 詳細は税理士や税務署にご確認ください。

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■参考

▼民法

民法 | e-Gov 法令検索

▼note

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