経営者に必要なのは遺言?遺書?違いを押さえて適切な利用を。
こんにちは。
「ハロウィンのかぼちゃはもともとカブだった。」といううんちくを覚えてしたり顔のユナイトnote編集部です。
さて「遺言」と「遺書」は一見似ていますが、まったく異なるものです。
本記事では、遺言と遺書の違い、経営者が遺言を残すべき理由を解説します。
結論としては、適切な形で遺言を残しておくことは、会社や家族の未来を守る重要なステップと考えます。
1. 遺言と遺書は別物
遺言と遺書は、法的効力の有無という点が最も大きな違いです。
それぞれの違いを理解することが、適切な資産管理と家族・会社の将来を守る第一歩です。
(1) 遺言(いごん)
遺言とは、資産の分配や相続の意思を法的に有効に示す文書のことです。
正しく準備することで、家族間のトラブルを防ぎ、相続手続きを円滑に進める効果があります。
遺言の代表的な形式
自筆証書遺言
自分で全文を書く形式です。
法律に従って正確に作成しないと無効になるリスクがあります。
2020年からは、法務局での保管が可能になり、紛失や形式ミスのリスクが軽減されました。
公正証書遺言
公証役場で公証人が作成するため、形式や内容のミスが防げます。
代理作成はできませんが、作成時に家族や弁護士が同席することが可能です。
公証役場で保管されるため、紛失の心配がなく、信頼性が高いです。
(2) 遺書(いしょ)
対して遺書は、故人が残したい感謝や思いを綴るものですが、法的効力はありません。
たとえば「家族への感謝」や「未練、後悔」といった個人的な気持ちが含まれることが多いです。
遺書に資産分配を書いても、法的には相続に影響を与えません。
それでも、遺書は家族の心の整理や精神的な支えとして役立ちます。
2. 経営者が遺言を残しておくべき理由
突然ですが、もし明日宇宙旅行に行くことになったら、ちゃんと遺言は準備していますか?
経営者が遺言を残すのは、突然の病気や事故で亡くなった際のリスクを防ぐためです。
(1) 会社の経営を安定させる
株式の相続で経営権が分散しないよう、遺言で明確な指示を出せます。
経営に無関心な家族による運営停滞を回避できます。
経営陣の不要な対立を防ぎます。
(2) 家族の争いを防ぐ
遺産分割のトラブルを未然に防ぎ、相続手続きを円滑に進めます。
たとえば、遺産の分割内容に納得せず、遺産分割協議が長期化することです。
保有資産や生命保険が判明しないまま進めた場合、後から新たな遺産が見つかり、再度の分割や追加納税が必要になることもあります。
納税スケジュールの遅延による余計な納税やコストを回避できます。
3. まとめ
遺言は、家族や会社の将来を守り、相続や事業承継を円滑に進めるための法的な手段です。
遺書は、残された人々への感謝や思いを伝える手段として、精神的な支えになります。
経営者の方にとって遺言を残すことは、家族や会社の未来を守る重要なステップです。専門家のアドバイスを受けながら準備を進めることで、より確実に準備をすることができます。万が一の時に備え、早めの対策をお勧めします。
お忙しい中、最後までお読みいただきありがとうございました。
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■参考
日本公証人連合会:公正証書遺言について
法務省:自筆証書遺言書保管制度のご案内(PDF)
法務省:自筆証書遺言書保管制度
e-Gov:民法(967条~969条の2)