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保険契約の時価を知りたいときに読む!評価額の算定方法とは?

こんにちは、UCnote担当です。

法人の保険契約がある場合、株価を算定するときや契約者を変更するときなど、保有資産を算定することがあるかと思います。保有資産のうち保険の価値はどのように判定されるかご存知でしょうか?ご自身の資産の評価のためにお役立ていただけたらと思います。

なお2023.3.31現在の一般的考え方であり、条件によって変わる可能性もあります。また将来的に変更の可能性もありますので、ご留意ください。
それでは始めていきましょう。


■保険の時価評価

▼概要と定義

契約者変更時、株価評価時(純資産価額方式、類似業種比準価額方式)の時の保険の時価評価の基本的な考え方を書いていきます。
なお言葉の定義をいかに並べます。

  • 株価算定
    原則として純資産価額方式と類似業種比準価額方式の2種類があり、組み合わせて算定します。会社の業種や規模によって組み合わせ方が変わります。

  • 支給時解約返戻金
    評価基準日に解約した場合に保険会社から支給される金額です。解約返戻金、前払保険料(未経過保険料)、配当金などを合算した金額です。

  • 未経過保険料
    年払いや前払いをした場合に、前払した保険料の返還を受け取る制度です。例えば、年払いの保険契約で、契約後半年で評価を行った場合には、残り半年分の保険料が評価に含まれることがあります。生保では2010年4月に保険法が改正され義務化されましたが、無解約返戻金や低解約返戻金の保険など、一部には適用されないものもあります。

  • 配当金
    保険における剰余金の分配額です。保険の種類によって配当付きや無しのもの、5年ごとなどの分配時期が決まっているものがあります。なお配当付きの保険でも、状況によっては分配されないこともあります。

契約者変更時

他の法人や個人に契約者を移したいときはこちらで算定します。
原則として支給時解約返戻金が時価評価になります。ただし定期保険などで、支給時解約返戻金の額が、評価時の資産計上額の70%未満の場合には資産計上額で算定します。(法人税基本通達9-3-5の2該当の契約のみ)

純資産価額方式での株価算定時

原則として支給時解約返戻金が時価評価になります。この方式での総資産価額は相続税評価額で算定されます。

類似業種比準価額方式での株価算定時

原則として資産計上額が時価評価になります。この方式での総資産価額は帳簿価額(簿価)で算定するため、決算書上の資産で評価されます。


■まとめ

保険は時価評価です。
相続や株価の資産の算定は、税理士の方ごとに変わると言われるほど複雑です。算定する場合に必要な情報は、自社の状況、目的や手段によっても変わります。この記事を含めて、多くの記事は基本的な内容を書いているにすぎず、また違った見解もあるかもしれません。税理士の方と相談しながら、適宜概算することで、いざ必要な時のスムーズな判断にお役立ていただけるかと思います。


■担当の一言

本日で年度が終わります。決算の企業も多いのではないでしょうか。年度という考えは明治から決められ、いくつかの変遷を経て4月からに定まったのは1886年だそうです。理由は諸説あるようですけれども、説の一つには財政赤字を解消するために、歳入と年度を変えて調整したということがあるそうです。(4月の前には7月でした。)今でも法人で決算期を変える時は、年度の月数が短くなります。行政でも同じようなことが行われていたのですね。

それでは、良い週末をお過ごしください。


■問い合わせ先

また感想や質問などコメントいただけると嬉しいですっ!


■参考

▼国税庁

▼e-Gov法令検索