レシオの話②:学習ピカチュウは美しい
はじめに
今回は、レシオの話の2回目として「キャリーポケモン」のレシオについてお話します。
それに伴って、キャリーポケモンでありながらも学習装置を持つことが推奨されているピカチュウについて解説していきます。
その上で、特殊学習装置枠(サポタン以外)を採用する時の編成の話をしていきます。
スケーリングについて
今回の解説にあたり、最も重要な考え方があります。
それは、スケーリングというものです。
スケーリングとは、端的にまとめると「レベルを上げる恩恵」になります。
攻撃面に優れるポケモンの高いレシオや耐久面に優れるポケモンのHP、13レベルで強力な+技を覚えるか等が判断の基準となることが多いです。
一方で、レシオが低かったたり+技がそこまで強化されないポケモンはレベルを上げる恩恵がそこまで無いため、スケーリングしないポケモンとして学習装置を持つ事が多くなります。
スケーリングしないポケモンの火力補強
一般的に、スケーリングしないポケモンは、レシオが低い分、固定値が高い傾向にあります。
そういったポケモンは、攻撃/特攻を伸ばしたとて火力は大して伸びません。
しかし、その様なポケモでも火力を伸ばす手段があり、下記では3つに分けて紹介します。
1.レシオを盛る
1つ目は、レシオを盛るというものです。
物理:鋭い爪(50%),充填チャーム(70%)
特殊:こだわりメガネ(40%)
のようなアイテムが該当します。
基礎の攻撃が高くレシオが低めなスピード型やレシオが低いメイジは採用候補にあがります。
2.すり抜けスプーンを持つ
2つ目は、すり抜けスプーンを持つことです。
すり抜けスプーンは、相手の特防を一部無視してダメージを与えます。
火力の目安として、レックウザ戦の11レベルカメックスが気合いのハチマキを持った軽減率は約33%ですが、それを約27%にする程度の恩恵があります。
みがわり人形:1000ダメージ
11カメックス:670ダメージ
スプーン込み:730ダメージ
約9%与ダメージが上昇していることがわかります。
式的には、レシオ,レベル補正値,固定値全てが9%上がっているため、限られた固定値を上げる手段の一つと言っても良いでしょう。
3.エナジーアンプを持つ
最後は、エナジーアンプを持つことです。
この持ち物は、ユナイト技を含む4秒間与ダメージが21%上昇するというものです。
4秒間は短く感じるかと思いますが、ユナイト技+コンパクトな技なら1.2,モーションが重たいなら1つ振れる程度のゆとりがあります。
ウーラオスのユナイト技+あんこくきょうだまで間に合うくらいのゆとりがあるため、想像よりも有効活用しやすいと思います。
与ダメージという表現がポイントで、21%上昇するのはレシオにのみ反映される攻撃力ではなく、固定値を含む全ての構成要素が21%上昇します。
固定値がメインのキャラは、ユナイト時に大幅なバリューアップが見込める優秀な持ち物になります。
ピカチュウのスケーリング
本記事のメインであるピカチュウのスケーリングはどうなのかという話をします。
結論から話すとメイジで最もスケーリングしません。
理由として、13の+技で大幅な強化がなく、レシオも高くないためです。
メインウェポンの雷とエレキボールのレシオも他のメイジと比較してかなり控えめとなっており、エレキボール+が66%,雷+が全弾ヒットで150%弱と圧倒的な低さを誇っています。
その代わり、他のメイジよりかなり高い部類の固定値を持っており、エレキボール+が640+損失した5%分の割合ダメージ,雷+は全弾ヒットで脅威の1640という全ポケモン屈指の固定値を誇ります。
この固定値部分は、特攻上昇による火力変動がないため、学習装置で持ち物を一枠潰した上、レベルが低くても十分火力が出せることを意味しています。
学習装置無しの方が火力高いから強い?
本当にそうなのでしょうか?
確かに、棒立ち相手のDPS(1秒あたりのダメージに換算したダメージ効率)は、当然13レベルまで育った3火力ピカチュウの方が高くなります。
では、構成単位で考えてみましょう。
上:ラプラス、💡フーパ
中:カイリュー
下:ピカチュウ、💡カメックス
この様な構成の場合、よほど劣勢で無い限りは、ラプラス,カイリュー,ピカチュウが13レベルとなり、フーパ,カメックスが11レベルとなります。
メインキャリーの枠がピカチュウであるため、若干火力不足感が感じられますね。
ここで、ピカチュウとカメックスの学習枠を交代してみます。
上:カメックス,💡フーパ
中:カイリュー
下:ラプラス,💡ピカチュウ
今回の構成では、カメックスがキャリー枠に移動したため、高速スピン型が視野に入り、いわゆる亀フーパの並びになります。
相手が硬ければ高速スピン×ピカチュウで崩しを狙うことが出来、柔らかければラプラスユナイト×キャリー波乗りカメックス×フーパユナイトのオールインを狙える柔軟な構成になったと言えるでしょう。
ここで重要なポイントなのは、「ピカチュウが3火力を持つ場合はピカチュウの火力は確かに上がるが、ピカチュウが学習枠になる場合、チームの総火力が上がる」ということです。
実は、学習装置を持てるというのは大きなメリットであると言えます。
特殊学習枠の構成の組み方
ピカチュウに代表されるサポタン以外の学習枠(以下特殊学習枠)は、何となく強いことを知っていても、強い構成を組むのが難しかったりします。
今回は、特殊学習を組み込める構成を大きく分けて2つのパターンを紹介します。
1.アーリー構成
アーリーというのは序盤から強い構成を指します。
いわゆるドリヤミと言われるドードリオ×ヤミラミの組み合わせが代表的です。
最序盤から押す都合上ヤミラミ以外の学習枠はレーンを強くある必要があり、フーパかタンクであることがほとんどです。
ヤミラミやヨクバリス等がここの枠に入ります。
2.キャリータンク構成
ほとんどの特殊学習枠はこちらの構成になります。
上:キャリータンク,💡回復枠
中:自由枠(アサシン系多め)
下 :自由枠,💡特殊学習枠
この形に構成を組むことで、学習枠を開けつつサポタンを確保したきれいな形に構成を整えます。
特殊学習枠にピカチュウ等を置いて2メイジの形にしても良いですし、ステルスロックイワパレス等の硬い回復阻害撒き要員を入れても良いです。
純正タンクを入れた2タンク構成も可能で、最も汎用性の高い形になると言えるでしょう。
キャラータンクは必ずしもダメージが出せる技にしなければならない訳ではなく、学習メイジ枠が火力を出せるのであれば、キャリー波乗りカメックス等、純粋に耐久方面のスケーリングのための上キャリー枠としても十分機能します。
端的にまとめると、「メイジが学習で火力ほとんど落ちないならタンクが固い方が強いよね」という感じです。
タンクの死=メイジの死
なので、本当はタンクも13欲しいという現実もあります。
ライターおすすめピカチュウ
最後にライターおすすめのピカチュウを2種類紹介します。
主にドラフトを想定した使い分けになるため、ブラインドで採用する場合は、環境的に刺さりそうな構成を決め打ちで選択することをおすすめします。
vs ピクシーグループ
まずは、ピクシーが多くグループ寄りの構成である相手へのピカチュウです。
《技構成》
かみなり・10万ボルト
《バトルアイテム》
脱出ボタン
《持ち物》
学習装置・すり抜けスプーン・呪いのおこう
《構成》
基本的に2メイジを想定しています。
上キャリータンク,中央キャリー,下メイジ,ヒーラー
この4枚とセットで採用しましょう。
vs アサシン構成
2つ目は、ドードリオ×ヤミラミのような低耐久で奇襲が得意な組み合わせや、中央スピード型×上バランス型のキャリータンクが居ない構成に対して強い技構成です。
相手低耐久キャリーを学習装置枠単騎で落とせると試合が大きく有利に傾きます。
《技構成》
エレキボール・ボルテッカー
《バトルアイテム》
脱出ボタン
《持ち物》
学習装置・エナジーアンプ・こだわりメガネ
《構成》
キャリー枠のメイジを0枚にし、学習ピカチュウのみをメイジとして採用します。
全体的に構成が硬めだと構成で有利が付きやすいです。
学習ピカチュウに加えて、1pickに優れるキャラ(対象指定ユナイト技等)がもう1枚居ると試合運びが楽になります。
さいごに
いかがだったでしょうか?
今回はレシオの話②として、レシオ以外の部分の伸ばし方に触れました。
それに伴って、固定値の高いポケモンはスケーリングしないこと、スケーリングしないポケモンは学習装置の適性が高いこと等をまとめさせて頂きました。
何故ピカチュウが学習装置で強いと言われるのか完璧に理解出来れば、今後新しいポケモンの追加があっても学習装置を持てるのか判断が着くかと思います。
質問なども受け付けておりますので、不明点があればなんでも聞いてください。
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