フジロックに切り捨てられたおっさんの戯れ言
(はじめに)
このブログはフジロックを一方的に愛し続けたおっさんがフジロックに切り捨てられたと一方的に思い込んだ挙げ句妬み嫉みを晒すだけの内容となっております。楽しい内容ではないですが、どうにかして気持ちを整理しないと先に進めないなと思ったのでここに記します、そういうものと理解頂いた上で眺めて頂ければありがたいです。
(本題)
私とフジロックの出会いは15年以上前、大学生の頃友人にその存在を教えてもらい共に参加したことから始まる。そこで世界には自分が知らない音楽、知らなくても好きになる音楽が沢山あることを知り、また苗場の大自然に囲まれて鳴り響く音楽が、音楽を愛する人たちの高まりが1つになることがどれほど素晴らしいことかを知った。今、私が一般の方より多少なり広く音楽を聞き、音楽について楽しく話をできるのはフジロックのお陰である。フジロックは私の親であり、私の血だと思っている。就職して環境が変わり毎年参加は出来なくなったが毎年行きたいと思っていたし、昨年は本当に行く予定で計画を立て始めたところでコロナウイルスの感染が拡大してしまった。今年のフジロックに参加する決断は出来なかったが、感染症対策を徹底した上で有観客で開催するという決定を私はポジティブに捉えていた。日本有数の大規模ロックフェス、日本にフェス文化を持ち込み根付かせたフジロックがコロナ禍に於ける新しいスタンダードを作ってくれるものと期待していた。フェスに行ったことの無い方、フェスの開催に否定的な方が見たときに「ここまで厳しく、キッチリやってまでこいつらはフェスに行きたいんだな、しょうがないな」っていう意見が多数を占める未来を想像し、その事実を持って私の家族や職場に説明が出来るようになり、来年もしくは再来年自分が苗場にいることを何よりも期待していた。
しかし、残念ながら、私が勝手に抱いていた今年のフジロックに対する期待は全く空振りに終わった。色々言いたいことはあるが一点だけ、ステージ前方観客の離隔が、国の定める感染症対策(人との間隔はできるだけ2m、最低1m)を満たしていない。主催者側が感染症対策の取り組みをホームページやTwitter等で紹介してくれれば良かったがそういったものが見当たらないため、一般の方がTwitterに投稿したものを拝見したが、離隔を取るためのマーカーは設置されているものの、実際人が立っている写真を見ると大甘に見ても大人の肩幅2人分あるか無いかというところである。真偽は不明だが、ネットを検索するに一般成人男性の肩幅は45cm程度らしい(私は身長180cm弱で肩幅50cm弱だった)。すると、仮に肩幅2人分の離隔があったとしても1mには届かないのである。そしてライブをやれば当然体を揺らしたり腕を上げたりもするので、離隔は更に狭まる可能性が高い。「感染症対策を徹底する」のであれば、誰がどう見ても1m以上の離隔が取られている状況を作らなければならなかったと思うし、そうした対応状況を広く発信するべきであった。もし1m以上の離隔が確実に取られていたという記録があれば即刻このブログを消すので教えてほしい、教えてくださいお願いだから。
映像を見る限り、相当快適な環境だったと思う、羨ましい。でも、今回大事なのはフェスに行ったことの無い方や理解の無い方が見ても「まあしゃあないな」と思ってもらえる「見た目」だったと私は考えている。おそらく主催者は2週間後にフジロック参加者からコロナ感染者が出なかったことを以て「成功」と言うだろう。しかし、これは自分の仕事にも関わるところで確信しているが、今保健所は非常に逼迫しており、個々の行動記録の信憑性を確認するところまでは対応できていない(それが良い悪いを述べる気は全く無く、私にとっての事実として述べている、ご容赦頂きたい)。つまり「フジロックに行った」と言わなければ、フジロックに行った人からコロナ陽性者は発生しない。だからコロナ陽性者が出た・出ないを以てフェスの成功失敗を判定するのは間違いで、何度も言うが今回最も重要なのは「フェスに理解の無い方が見ても納得する感染症対策の徹底(+その情報発信)」であったが、主催者はやってくれなかった。残念でならない。
これは完全に言いがかりだが、2日目に私が最も大好きなバンドの1つKEMURIの配信があり、ラストは故:森村亮介氏に向けて作られた「白いばら」という曲だった。私はとてもじゃないがこの曲を聞く気になれず配信を閉じた。2003年、私がKEMURIのライブに初めて行く予定だった直前の移動中に森村氏が事故で逝去し、行く予定だったライブは中止になった。その1年後、2004年フジロック1日目のホワイトステージでKEMURIは復活し、そこで歌われた白いばらで私は号泣した。それが私のフジロックの始まりだった。始まりの曲で終わりを告げられるなんて思ってなかったし、これまで何度も何度も元気をもらってきたKEMURIの音楽をこんなに悲しい気持ちで聞く日がくるとは思わなかった。KEMURIに申し訳ない。そしてそれからの配信はもう見ることが出来なかったし、音楽すら聞いていない。
話を戻すが、フジロックのホームページを改めて確認すると「感染防止対策を徹底する」とは書いてあるものの「国が定める(推奨する)基準」とは書いてなかった。つまり、彼らは彼らの中で十分と考える対策は実施したのだと思う。それが、少なくとも私が、私の周りのフェスに理解の無い人たちに紹介できるレベルの対策ではなかったという話で、そうとらえればこのブログに私が書いたことは完全なる言いがかりである。フジロックの今回の頑張りを理解できない私が悪いし、理解できない私はもうフジロックには来なくて良いと言われたに等しい。だから今私がフジロックに抱いている負の感情は完全にお門違いの妬み嫉みなのだ。
インターネットにこんなものを出してしまうことを本当に申し訳なく思うが、明日からまた楽しく音楽を聞くために、何かしらの決着をつけないと自分自身が先に進めないと判断してこのブログを書いた。この話は今日で終わり。フジロックに教わった音楽を楽しむ心だけを残して、明日からまた音楽を聞いていこうと思う。今までありがとうフジロック。さようならフジロック。でも、それでも、また笑って苗場に行ける日が来ることを願ってます。応援してます。