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unizonb\海月
2020年9月6日 02:10
とある少年の手記僕は狼だったのだ。何故そう思ったのかはわからない。しかし狼だったのだ。これは白昼夢でも、虚言でも妄言でもない。僕は狼だったのだ。狼だったころの記憶は存在しない。と言っても全くないわけではなく、朧気にその記憶が海馬を漂い、仄かな感覚が躰を蝕む害虫の如く僕の意識に一抹の後悔と一縷の絶望を這いずらせていることは間違いない事なのだ。僕は此の事実を多くの人間に話した。これは別に英雄譚やコ