超高速参勤交代

超高速参勤交代
超高速参勤交代リターンズ
本木克英　監督／佐々木蔵之介　主演
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なにげに初ですね映画の紹介。いつぞやBSでやってたのを録画してたやつ、ようやく見れました。続き物で２本出てて、最初のものはわたし映画館で見たのよね。
映画まで紹介するとなー、際限ないんだよなーーーnoteのネタがなーーー、と思いつつも、気が向いたら混ぜさせてもらいます。

ひところから時代物の映画って題材が面白いものが多くなりましたよね。
この参勤交代もですけれど、駆け込み寺もあったし、家計簿（藩財政建て直し）とか引っ越しとか。ちょっと前だと仇討ちだのチャンバラだの戦だのが多かった印象ですけれど、あれは黒澤明監督や角川映画の影響が残っていたのかしら。司馬遼太郎ものとかね。
もちろんかっこいいし嫌いじゃないんですけれど、脚本とかシチュエーションで「なにその状況！？大変な予感がするぅーーー」ての、やっぱりわくわくがありますからね。明るい時代劇、いいじゃないいいじゃないって思います。好みって部分も大いにありますけれど。この映画なんてメインキャラクターがみんな（そんなキツくはないですけれど）東北弁なもんだから、普通に会話してるだけなのに、余計にこう、柔らかい面白みが出ちゃうんですよね。あと西村雅彦のビジュアルはずるいですよ。ほぼ凶器ですよ。あんなん面白いに決まってますからね。
完全に私見ですけれど、時代劇の印象て「重くて血みどろ」みたいなの強かったんですよ。でも、例えば「のぼうの城」みたいに、扱っているのは戦なんだけど「よーしやったるぜ！」的な明るさが入ってきたり、大スターをメインにどーんと据えて、て作り方ではなく、サイドもきっちりキャラを立たせてきてるとか、そういう発展があると思うんですよね。
わたしが歳をとったせいもあるんだろうかな…時代物の面白さがわかってきた昨今です。予備知識があるほうが面白いからねこういうのね…

とはいえこちらの作品、ビジュアルや設定、キャラクターや撮り方で明るく見えるだけで、当人たち及びひところの時代での描き方であれば、結構深刻な状況と話しの発端なんですよね。
さすがに【参勤交代てなんぞ？】てところからの説明は省かせてもらいますが、湯長谷藩（ゆながや-はん）（現在の福島県いわき市あたり）で、江戸の勤めを果たしたばっかりのところ、土地絡みで偉い人にいちゃもんつけられて、また参勤交代しないといけなくなった！でも終わったばっかりだから金ないよ！どうしよう！？て状況を、知恵と頑張りで乗り切るってお話です。
参勤交代て地方の力や貯蓄を削ぐために行われてたわけなんで、近々で連続で削がれたらたまったもんじゃないですよね。とはいえお上の命令には逆らえるわけもなく、藩の人たちは協力してこの難を乗り切るわけです。

わたしこの作品は映画でしか拝見出来てないんですけれど、講談社文庫から本が出てますね。脚本として書いて、小説にして発行して、それを映画にしたって流れで合ってるかな？そのうち読んでみようっと。
「サムライマラソン」も「引っ越し大名」も同じ作家さんの作品だったんですね。わたし時代小説さっぱり読まないで来た人なので、これから読むものいっぱいあると思うとわくわくするな。

ＣＭやら題材で見てるとコメディ一辺倒かなーて思っていたら、なんのなんの。思いの外って書いたら失礼ですけれど、チャンバラシーンとかかなり本格的でしたし、各キャラクターや状況への説得力も非常に強かったです。各位のバックグラウンドも相まって、展開に手に汗握るってやつでした。
笑い以外にも胸熱シーンとかハラハラとか涙とか、忍者とかおなごとかの
「時代劇にはこれだよね！」
って要素が盛りだくさん。おなごなんて深キョンですからね。ちょうかわいいですよ。画面が幸せ。
どこらへんを主軸で見るかにもかかってると思いますが、これは一作目を劇場で見ていた時に、こう、話しの流れでね、家老（西村雅彦さん）が
「切腹も出来ねえのか…」
て、おいおい泣くシーンがあるんですけれど、そこで会場では笑いが起きてたんですね。わたしはそこのシーン、もう、悔しかろうなあって涙じょばーだったんですけれど。映画ってそういうのも面白みのひとつですよね。立場とか見方でもう全然変わっちゃう。

締めは「めでたし、めでたし」な安心仕様。
一作目が行きで二作目が帰りっていうシビれる続編なので、これはぜひ二本セットで見てもらいたい映画です。江戸の八代将軍・吉宗公の時代なので、ごく軽くそのあたりの予備知識をさらっておくとより面白いかもしれません。とりあえず吉宗と大岡忠相（おおおかただすけ・南町奉行のあの人ですね）は、なんとなくでも何してる人か知っておくと深刻さの度合いがわかってより没入出来るのではないかしら。
笑いあり涙ありチャンバラあり、がお好きな人はぜひぜひ。