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眠れぬ夜に、子らの息

なんだか眠れない夜になってしまった。

もうすぐ6ヶ月の娘は今日はなぜか乳の飲みが悪く、行き場のなくなった飲み物は、生産過多著しいのが明白で、目で見てもバチンバチンにはちきれそうになっているのがわかるほどだ。しかし、彼女は具合が悪いわけではない。おそらく「目覚めた」のではないかと、この母は感じている。

どうやら、赤子というのは6ヶ月前後で親と同じくらいの視力を手に入れることができるらしいと本で読んだ。なるほど、ここ数日彼女は授乳中だろうが外出中だろうがお構いなく、近くに来たものを積極的に触ろうとしている。触ろうとしすぎておっぱいを無視する程度には、夢中である(これが食欲の弱い原因)。そのおかげで精神的に疲れているのもあるのだろう。この、興味への貪欲さはほんとうに驚異的だ。

「寝返り」と「寝返り返り」をおぼえ、自発的な自主的な移動が可能になったのもあるのだろうが、ちょっと前と明確に表情も動きも違ってきている。「意思のひかり」のようなものが、そこにあるのだ。

やあきみ。
母はずっと、ここにいたよ。
やっと「ようこそ」が伝わるのかな。

母や姉の顔を見ると、とろけるような、はじけるような笑顔を見せ、時には声まであげて笑う。うん。「嬉しい」とか、「喜び」って、最初はこれくらいシンプルなものなんだね。まいにちのように、わたしは彼女によって何かを思い出したり、きづかされたりしている。2人目になると、育児中にも思考する余力がちょっとは出てくるようだ。

本当にやりたかったことはなんなのかに思い至って人生計画を練り直したり、悲しみや苦しみに終わりが必ずあると単純に信じていたことにふと気づいて涙が止まらなくなったり…ホルモンが体内で大暴れしているが故の精神的な大混乱とも捉えることはできるだろうが、そうであったとしても、そうであるならばなおのこと、これはきっと、子らがくれたお返しギフトみたいなもので間違いない。

こんな、眠れない夜にこそ、つかめる何かがあるはず、と
眠れぬ母は、遊びます

生きることって、しんどいけれど
きみらはきっと、わたしよりもマシな道を歩いていくだろうと信じているし
そのためのサポートは惜しまないので
どうか、ゆくてにハレの日を
眠れぬ母は、祈るのでした

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Lico.
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