ナルニアという物語
前記事に続いて、ナルニアからのお話。
「ナルニア国物語」はわたしがほんとうにほんとうにあいしている物語で
自分自身の思考や思想の核を作り上げた作品だと断言できるほどのものなのですが
この物語の凄さ、凄まじさは
「読んだ人の中に哲学的な種をありったけボコボコ投げ込む」ことだと思うのです
読むたびに、ほぼ毎回、確実に、心の中に何かが響いて残るのです
かろやかで、重厚で、コミカルでいて、優しい
そんな素晴らしい物語であると、思っております
このとおり、「ナルニア国物語」には全7巻あるのですが
出版順では「ライオンと魔女」から始まる物語になっていますが
ナルニアの歴史としては「魔術師のおい」が、始まりです
まさに、国・世界としての始まりが、ここで描かれています
あら?この版だとアンリミになってますね(2020・01・22)
(個人的には瀬田訳が好きなのですがこの機会に読み比べてみようかな)
そして、最後の物語、「さいごの戦い」で、この世界はある意味では幕を閉じます
一つの世界の始まりと終わり、そしてその世界の中での冒険が、この7冊では描かれているのです。
ここに登場する「アスラン」というライオンは、ある種神のような立ち位置にいるのですが「海の向こうの大帝の息子」ということになっています。そのアスランが、この世界を作り、見守り、時には力添えをして、最後に幕を閉じるまでの、物語です。
悪しきものの入り込まない、生まれたばかりの新しい土地に悪しきものがもたらされてしまう「魔術師のおい」が全ての始まりで、つぎに、有名な「ライオンと魔女」が続くのです。
その、ひとつの世界と、異世界人である我々の世界の人間(ほとんどかかわりのない巻もありますが)、そしてアスランとの関係の中で物語は進みます。善悪、信じるということ、アスランの前ではどうあるべきか、そしてアスランとはどういう存在で、子供はどういう存在であればいいのか。動物達、ナルニアびとたちは?と、非常にシンプルで淡々とした筆致でそれらが綴られているのです
子供の頃はひどく単純にそのストーリーに魅せられ、そしてそのアスランの語る少ない言葉達の中に感じるものがあり、孤独で戦いの連続であったわたしの少女時代の友となってくれたものでした。いまでもそれは変わらず、人生に疲れたり、悩んだりしたときは必ず手にとって読み返すことにしています。わたしは物言う獣でありたいし、ナルニアびとで、ありつづけたいから。
それが、わたしの最初の誇りとなりました。
そんなふうに、いきていました。