あタリはズレとおいてけぼりの小石 #1「あたりはずれ」
コツン、コツン
久しぶりにはいた革靴の踵が町の石畳をたたく、音
似つかわしくないその音をまとうことを避けるのは美意識が作用した当然の道理
そぐわないのは私? あの町?
コツン、コツンと靴の音は私をもノックする
コツン、コツン
ここはドアですか? あの町を歩く私
コツン、コツン
ここはドコですか? この街を歩む私
コツン、コツンと進んでいけば
コツン、コツンと刻まれる
ときが過ぎればすこしづつ、おぼろげになる目的地
そうか、それはちがったんだな
もっともっとの確からしさを探