私のFrozenⅡ⑨|アナの示す「生き様」
お家にいたらDisneyTHEATERにhuluなどサブスク鑑賞が捗りますね!
Frozen2はまだ公開されていませんが、5月13日にディスクが販売される予定なので発送をひたすら待ってます。
さていよいよエルサが力尽き、アナの名曲シーンです。
個人的には公開時ものすごくタイムリーなメッセージとなりました。つよいグリーフ(喪失)を経験した人にとってこのシーンはすごく勇気付けられます。
「今できる正しいことを」
エルサからの真実を見つけて、姉の死を悟るアナ。
自分たちを無理やり遠ざけて真実を自分自身で追いかけた姉が、その真実を遠隔で自分に伝えてきたので「彼女を失ったのは明らか」と感じるのでしょう。
しかも、大事な友達のオラフまで失うというおまけ付き。
絶望に打ちひしがれます。
『The Next Right Thing』
この曲はアナにとって、多くの人にとってとても大切な歌になるのではないでしょうか。
冒頭から終始発言されつづけた「今できる正しいことをするだけだ」はここにきてより一層強調されます。
Hello darkness, I’m ready to succumb
暗闇さんこんにちは、もう屈する準備ができてるわよ
曲のワンフレーズ目であまりの喪失感。
ここに共感できる人は多いでしょう。
かくいう私も、ちょうど長年大好きで大好きでたまらない愛する婚約者に捨てられたところで、この曲は胸に刺さります。
This grief has a gravity, it pulls me down
この悲しみは重力のように、私を強く下へと引っ張るの
“This Grief”は「悲しみ」と訳されていますが、前後の文脈でしっかりと描かれた通り「グリーフ」とは喪失による痛み・悲しみを表します。
(「グリーフケア」というと日本でも死別から傷ついた遺族へのケアとして医療や災害の現場で浸透が始まっています。)
まるで身体中のあちこちを捥がれるような苦しみ。
空っぽになって、身体はうごかなくなる。
もういっそ殺してほしいほどに苦しい。
But a tiny voice whispers in my mind
でも小さな声が心の中で囁くの
上に書いた通り、この苦しみはあまりにも辛くて「殺して」「死にたい」と思うほどです。
ですが自殺を具体的にしたりまでは至らないことが多いです。もちろん、そこまで思い詰める人もいます。
でも幸いにも至らない人がいるのは、その人たちにはアナのように、今は見えなくてもいつか光がみえると心のどこかで知っているのではないでしょうか。
「未来が見えない時には
今できる正しいことをするだけ」
見えなくてもいいのです。見えないのです。
目を開ける力さえ残っていない。
それでも…と真実を詳らかにするとアナは一歩ずつ動き始めます。
アナはそもそもこの冒険自体には乗り気ではありません。
真実を探したいから来たのではなく、「姉が無茶をするので護らないと」という理由でした。
実はクリストフと一緒でアナもエルサを追いかけていただけ。純粋な自分の決断ひとつではないのですね。
誰かを理由にするのは、すこし痛いのです。
痛みでさえ、自分でしか産めないのでしょう。
ここでアナはついにエルサと同じ意志を自ら抱きます。
ついにアナが行動を起こす
私の中でアナはおてんば過ぎるし、「おい待てマジで落ち着けって!!」とツッコミを入れたくなるほど忙しない人です。
基本的に自分の心に忠実。それが素敵なことだから嫌われないのですが。
「この間違いを正すには、象徴であるダムを破壊しないと」
と判断します。
大地の精霊を叩き起こして、ダムを壊すように仕向けます。
ここで、アナを演じるクリスティン・ベルのお気に入りのシーンになります。
眠りを妨げられてお怒りの大地の精霊(アースジャイアントという名前らしい。まんまかい)がアナを追いかけるのですが、そらそんな丈の長い足元で落ち葉の上を走ったら転びます。
間一髪!
クリストフとスヴェンがアナを拾い上げて走ります。
そこでクリストフはアナにこう言います。
「ここにいるよ!何したら良い?」
初回に観た時
なんちゅーこと言ってくれるんやコイツーーーーー!!!
と大興奮でした。
こんなに危ないことをして、自分を置いて行った人に向かって
「 こ こ に い る よ !」
第一声それが言えるでしょうか?
クリストフの強くて純粋なアナへの愛を感じる一言です。
相手のことを深く信頼していることもそうですが、自分自身が抱いている相手への想いにさえ迷いがなければ出てこない言葉のように思います。
男女の間にあるものではなくて、人と人の間にある純粋な想いがそのまま言葉になったワンシーン。
この筆舌しがたい感覚を多くの人が感じたのではないでしょうか。
また、アナとクリストフも素敵ですが
「王女様!何をなさっているのですか!?」
と大事なダムを壊そうとする王女に驚くアレンデール王族護衛のみなさんも素敵です。
自分たちが仕え信じていたルナード国王が自分たちさえ侮ったという真実を聞かされても
正直 つい昨日会ったばかりの 王女に 聞かされて!
怒ったり憤ったりはしなかったのです。
自分自身の感覚を信じていないと、出会ったばかりの相手を信じることは難しいでしょう。
アナを王女と認めるかどうかさえ、難しい時間の中で彼らは即座に「マジェスティ」とアナを呼び、彼女を援護するのです。
あの森の混乱で生き残っただけある人たちですよね。